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餓死寸前
しおりを挟むマリーベル ゴールドマン 6歳。
私は餓死寸前の所で、
ベットから立ちあがろうとして
転がり落ちて頭を強く打って前世の記憶を取り戻す。
私は前世は日本という国で病院で管理栄養士をしていた。
結婚も間近で、順風満帆だった私。お正月に実家で酔っ払って、兄達2人と餅の早食い競争で喉を詰まらせて28歳で死亡したようだ。
クソー。蕎麦にしておけば良かった。
そして前世の記憶を取り戻し、今死にかけてる私マリーベルは、「愛する者へ色取り取りの花束を」という乙女ゲームの中の攻略対象ソードの不幸のきっかけとなった、異母妹であることを思い出す。
このままでは死んでしまうと慌てて意識をフル回転させる。
絵が綺麗だったので、やり込んだゲームだ。
攻略対象の名前には色が取り入れられている。色取り取りの花とは攻略対象のことだ。
攻略対象には何かしら問題がある。
私のお兄様にあたるソードは
私と、お父様が好きで無理矢理妾になった私のお母様シルビアが亡くなったことで、ゴールドマン公爵家は私のお母様の実家から援助を受けていた資金を全て回収されてしまう。
その後ゴールドマン公爵領地で疫病が流行り、私より1歳年下の異母妹エリーゼとその母親は病に倒れ死んでしまう。腕の良い医者の高額な医療費が払えず、満足な治療を受けられなかったからだ。
その後も、飢饉、長兄のクロードが戦争で無くなるなど様々な不幸があり、何とか領地を守り、豊かにするが、攻略対象のソード本人は心を閉ざし物事を合理的にしか考えられない冷たい人間になる。
そんな中、特待生として王立第一学園に入学した平民であるエステルが入学してくる。
エステルと共に過ごす内に、段々と心に安らぎと温かさを思い出す。
まあ簡単に言うとヒロインと攻略対象がイチャコラするゲームだ。
なんともゲスいネーミングのゲームだと思ったものだ。通称「愛花」。
そんな事はどうでも良い。
何故私が死にかけているか説明しよう。
私のお母様は、シルバー公爵令嬢のシルビアだ。お母様は、お父様のグレイ ゴールドマン公爵の容姿端麗、文武両道なお姿に学生時代恋をする。
シルビアお母様は猛アタックをするが、お父様グレイはリリー ブルー伯爵令嬢が好きだった。
シルビアお母様のリリー様に対する嫌がらせなどの足掻きも虚しく、グレイお父様とリリー様は結婚し、2人の男児が産まれて幸せに暮らしていた。
しかし、お父様の領地は魔物がいる森が近くにある為、数十年に一度スタンピードと呼ばれる魔物が群れで人間の街を襲う災害が起こる。その災害のせいで領地は大打撃を受けて、金策に困り始める。
私のお母様はシルバー公爵令嬢で、様々な事業で成功しており、お金は有り余るほどあった。
シルビアお母様は資金提供する代わりに、自分を妾にしろと詰め寄る。
グレイお父様は、嫌々シルビアお母様を妾にした。
お父様は、妾のお母様を毛嫌いして相手にしなかった。
しかし、ゴールドマン公爵家の親族や関係者達から資金提供を確実にする為に子を成すよう説得されて、私マリーベルが生まれたのだ。
マリーベルが生まれた後、直ぐにリリー様にもエリーゼという1歳違いの子ができる。そしてエリーゼを溺愛した。
シルビアお母様は、お父様からの愛情を得ようと、私をエリーゼより魅力的にしようと幼い時から、ピアノ、バイオリン、語学、礼儀作法、魔法の教育、乗馬、様々な事を虐待に近い状態で学ばせた。
私も、お父様から愛情を得ようと頑張った。
しかし、グレイお父様の愛情は得られなかった。
そして私の5歳の誕生日会で、正妻のリリー様の飲み物に毒物が混ざっていた。
幸い、飲む前に銀スプーンの色が変色した為、リリー様の侍女が毒に気が付き事なき事を得た。
疑いは、シルビアお母様に向けられた。
確たる証拠は出てくる事は無かったが、動機があるのはシルビアお母様ぐらいしかいないと使用人達は口々に言った。
そして最終的にグレイお父様はシルビアお母様と私を現在使われていない、前ゴールドマン公爵が使っていた別邸に閉じ込めた。
侍女長が選んだ使用人たちが付けられ、必要な物は全て使用人に言うようにいわれた。そして、敷地内だけ自由が許され、本邸に近づかないようにお父様からの指示があった。
使用人達は、私たちをここぞとばかりいじめた。
初めは態度が悪いぐらいだったが、シルビアお母様が何を言っても、お父様が相手にしなかったことから
だんだんエスカレートした。
食事には残飯を持ってきたり、殴ったり叩いたり、金品を奪い取ったりした。
シルビアお母様は抵抗して、シルバー公爵家に連絡を取ろうとしたが、ばれて袋叩きにされた。そして、お母様は動かなくなった。
シルビアお母様の遺体は、庭に埋められた。
そして使用人たちは、誰もいなくなった。
シルビアお母様は、確かにリリー様に嫌がらせや酷い事を言う事はあった。
でも、一線は越える事はなくお茶に唐辛子を入れたり、落とし穴を作ったり、椅子がカクッとなるように細工したり、自分の方が優れているという自慢や悪口を言ったり、張り合う程度だった。
シルビアお母様のリリー様への仕打ちより、どちらかというと私への被害の方が大きかった。
教育という名の虐待で、結果が出なければ殴られたし、鞭で叩かれた。エリーゼを越えなければご飯も抜かれた時もある。
マリーベルの短い6年という人生は不幸だった。
誰も来なくなった別邸は、お化け屋敷のようだ。
私の部屋は、埃だらけで蜘蛛の巣がかかり、カーテンは破れている。
使用人たちから食べ物を貰えなくなり、2ヶ月が経とうとしている。
私は、前世の記憶が戻るまで雑草、虫、ネズミ何でも食べた。
手を見ると、6歳の子供の手には見えない。骨と皮で、マラスムスという栄養失調状態である。
段々と腹が立ってくる。私は、管理栄養士だ。管理栄養士が栄養失調のマラスムスで死ぬ?!
あり得ない!
それだけは、プライドが許せない!
私は、栄養失調で死ぬわけにはいかない。
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