6歳で死んでしまう少女は 精霊さんと共に生き延びる。

マキマキ

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ロダンの息子ーコパンダー

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皆んなでワイワイと、

マリーベルが作った、人生ゲームー貴族版ーで遊んでいた。

今日のおやつはポテトチップとサイダーだ。

マリーベルが何処でも厨房で、
キンキンに冷やした水に
食用重曹とクエン酸という粉を混ぜる。

食用の重曹じゃないものは使わないそうだ。

食品衛生法の適用がされているかが肝心らしく、重曹を作る設備の管理が食品だと厳しいらしい。

私にはよく分からんけど、ようは水道でもトイレの水道とキッチンの水道のを使い分けるようなもんだとマリーベルが言っていた。


レモンと砂糖をいれると
サイダーができる。

配分がポイントらしい。
自分の好みを見つけるために色々試したらしい。

不思議なシュワシュワする甘いくて、爽やかなお水が出来た。

そして、ジャガイモを薄切りにして揚げたポテトチップ。塩やコンソメ、海苔など色んな味を作る。

マリーベルは、コソッと私のとこに
ポテトチップとは別なものを置いてくれた。

筍姫皮チップらしい。

筍は内側にペラペラな筍の皮がある。
柔らかくて、何処までが筍なのか皮なのかわからない部分だ。

マリーベルはそこを小麦粉を薄くまぶして、揚げて、塩と青のりを、かけてくれた。

作る時、筍の姫皮に気泡が入ると破裂した時に火傷するから潰すなど気を付ける必要があるらしい。

マリーベル大好き。
私をわかってくれている。

ポルカ様が
「おっ?そっちも美味そうだな。」
と手を伸ばすのを、

私ははたき落とす。
あんたはポテトチップがあるだろ。

これは、私の為にマリーベルが特別に作ってくれたものだ。

ポルカ様と大げんか。

最終的に一枚だけ1番小さいのをあげた。



気を取り直し、ゲームをする。

ポルカ様は1ばかり出して、全然進まない。

「おい!マリーベル。私は緑の聖霊王だ。なぜ、没落して貧民にならなければいけないのだ。その金を寄越せ。」

ポルカ様が精霊王らしくない事を言っている。

「ふん!ベーだ。誰がやるか!もうすぐ上がりなのよ。」

マリーベルも負けてない。

「やめろ、ポルカお前がサイコロで1をだすからだろ!」

「そうですよ!私も、株券を狙われました。玄様もっと言ってやってください。この暴君が!」

ビーバーのビバが自分の主に暴言を吐いている。

私は、ゲームで王になり人生順風満帆で丁度1番で上がった所だ。高みの見物をしている。


ふと、なにやら1階で音がする。

私が下に降りると、ロダンの息子グレイが血相を変えて騎士団を引き連れて入ってきた。

私は、マリーベルからコイツの所業を知っている。

いくらロダンの息子だからと、許す事はない!

「おい!お前!ここになんの用だ。事と次第によっては叩きのめすぞ。」

私は、元の大きな体に戻り、手の爪を見せて威嚇する。あの子を守らないと。


「父上と共にいた幻獣か。此処に小さな6歳ぐらいの女の子は居なかったか。探している。」


私はブチギレる!

「今更なんだ!その子を見つけてどうするのだ。お前は、その子を此処に捨てたんだろ!」


マリーベルが人生ゲームを上がり、2階で大笑いいている。

グレイは、
「2階にマリーベルがいるのか?」


「居たらどうするのだ?あの母親の様に罪に問うて使用人に殺させるのか?此処を通るなら私を倒してから行け。」


グレイは

「どういう事だ。使用人とシルビアとマリーベルに何があったんだ?」


「しらばっくれるな!あの子は鶏ガラの様に痩せこけて死にかけたんだぞ!小さな子がたった一人で2ヶ月も自力で生きたんだ。」

騒ぎを聞いて、緑の精霊王が人間の形に姿を戻して降りてきた。

我が主は、デブちょなオオム姿が気に入ってるが、

人間の姿は、緑の長い髪を垂らし、

白のカズラに、ゴールドと緑のステラの神官の服がとても似合う。この世にないほど美しい。

「コパンダ下がれ。私が話す。」

「はい。ポルカ様。」

「私は緑の精霊王ポルカだ。マリーベルは、栄養失調状態だったが、我々と出会い契約し、共に暮らし、やっと人間の子供らしい姿に戻ったところだ。

あの子はお前の後ろにいる騎士たちを見てさっきから怯えている。さっきまで、楽しそうに笑っていたのにな。

父親の所に行くか?と問うと。
泣きながら、「行かない。怖い。死にたくない。」と言っていた。

お前が付けた使用人たちは、あの子に暴力を振るい、母親を殺したのだ。

お前の後ろの騎士団の制服を着たやつもいたそうだ。

マリーベルからの話しを聞いたところ、侍女長は、嫌がらせのつもりで本邸で態度が悪い使えない人間を此方にやったようだ。

こういった人間は、堕落しやすく欲や自分の感情を制御し難い。そして、徒党を組み、イジメを始める。そうやって罪悪感を軽減させながら行動を正当化しながらエスカレートする。

大抵は、本人たちが思ってなかった最悪の事態を引き起こして、他人に責任転嫁したり、逃げる。

シルビアのような、頭ごなしに要求を言うような主人とはトラブルになるのは分かりきっていただろう。

ただでさえ、罪人扱いでこの別邸に追いやられたのだ。格好の口実を与えたのと同じだ。


お前達は、そんな人間を制御できる人を付けることもなく放置した。そうなればどうなるか行き着く場所は想像できた筈だ。


マリーベルの事を考えると、人間と過ごし、人間らしく生活する方がいいと我も思う。

しかし、お前やお前の周りの人間は本当にマリーベルを大切にし、幸せに出来るか?

お前が、本気であの子を引き取り、大切に育てるなら、時間をかけて信頼を得てからにしろ。

因みに言っておくと、あの子は聖女だ。

あの子が死ねば、瘴気が濃くなり魔物は巨大化し、疫病がはやり、飢饉が起きる。制御不能の魔獣が増えるだろう。お前らには手に負えん。

知っているだろ。お前の家系には、1代おきに聖女か聖男が生まれる事を。

マリーベルがそれだ。お前はクロードがそうだと思っていたのだろう。アイツも魔力は普通の人間ではあり得ないくらい高いからな。

瘴気の強い土地だが、お前らの家系は一代おきに聖女、聖男が現れるからこの土地を豊かにできる。

領地を守りたいならマリーベルに危害を加えるな。」


2階の部屋からマリーベルが鳴いてる声が聞こえる。

ロダンの息子は、唇を噛み締めマリーベルのその声を聞いていた。


私のような幻獣は、普段人間にこんなに感情移入しない。


人間は人間同士で上手くやればいい。上手く行かなくてもしょうがない。


2階で、マリーベルを玄様が慰めている。

あの子は毎日朝早く起きてる、キューとポンと私を連れて母親のお墓の前に花と手作りしたお菓子を置く。

手が込んでるから、毎日もっと早く起きてるんだと思う。

マリーベルの母親は、グレイに愛されようとプロポーションを保つ為に過酷なダイエットをしていたらしい。

本当はお菓子が大好きな可愛らしい女性なのだそうだ。

時折、仕方なくお茶会でお菓子を食べた母親は天使の様に可愛かったと言っていた。

「お母様。もう頑張らなくてもいいんだよ。」

悲しそうに言う小さなマリーベルに、どうしても胸が張り裂けそうになるのだ。

この子には幸せになってほしい。


















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