6歳で死んでしまう少女は 精霊さんと共に生き延びる。

マキマキ

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迷宮蔦状ピンギュラとの戦い

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「ぬぉー!なんなんだよ!この蔦は!」

ライくん鎌を全速力で降りまくる。


「誰かが、ピンギュラの大元の幹を切ったのね!」


バイオレットちゃんは手を動かしながら冷静に分析する。

「くそ!余計な事を!」

テラーくん。

子供達も、騎士の人たちも全力で蔦を切り続ける。


暫くすると、蔦が茂るのがゆっくりになり落ち着く。

蔦が茂りきったのだ。

私達のいる空間だけ蔦が茂っていない状態だ。


「ちっ!また振り出しに戻ったぜ!」

トウ先輩は言う。


私は、

「うっ!」

と言いながら前屈みになる。

周りの人達は皆私を心配してかけよる。


クロードお兄様とアルベルト殿下は
しゃがんで、


「マリーベル大丈夫か?どこか痛いのか?」

「怪我か?」

と慌てて私を覗き込む。

私は首を振り

お腹がグーグルグルグルと鳴った。

「お腹すいちゃった。」

と言うと

お兄様とアルベルト殿下は、唖然として

「「えっ?」」

と固まってしまった。

すると、ベリル達が大爆笑。

「はっはっはっ!お前、この緊迫した雰囲気のなかその腹の音はダメだろ。腹が痛い。

いつも、毅然としてる殿下やお前の兄貴の顔がやばい。」

「心配して損した。」

アップル先輩。

「お昼食べてないもんね。」

優しく話しかけるボルド兄さん。


周りの騎士団の皆んなも大爆笑。

シリル隊長は、クロードお兄様とアルベルト殿下に、

「クックックッお前らも、そんな顔するんだな。ダメだ。苦しい。」


何故か、笑われてしまった。


私だって、我慢したのよ!

恥ずかしい。




と言う事で、心と体を落ち着かせる為と、私のお腹の虫を黙らせる為に、

昼食を兼ねた作戦ミーティングとなった。


トウ先輩が、スペアリブを焼いてくれる。


さっき、

醤油、蜂蜜(魔物の巣から拝借)、
ニンニク、生姜、お酒、塩胡椒のタレの中につけておいたのだ。

15分以上経ってるから味は染みたと思う。

いい匂いだ!



他にも、持ってきた野営用の野菜を切って焼く。

テラーくんは城内の中の畑に自生していたジャガイモとサツマイモを発見して、

食料として確保して持ち歩いてくれていたようだ。

これも切り目を入れて、アルミホイルでくるんで焼く。

焼けたらバターをかける。

サツマイモにはメイプルシロップ

ジャガイモには塩胡椒をかける。


焼肉パーティだ!

トウ先輩は!


「まだダメだ!外はこんがり焼く為に、頻繁につついてはダメだ!待って待って!今だ!ひっくり返せ!」

焼肉奉行だった。

騎士団の大人も適当にひっくり返そうとして怒られていた。


そして私がつまみ食いしようとすると、手刀で手を叩き落とす!


「マリーベル!食べたいのは分かる。
でもな!

お前はそれで良いのか!
その一口で、お前のサイコーの美味いと言う喜びが半減するんだぞ!

それに、サイコーに美味しくないと頂いた命に失礼だろ!

最高に美味い食べ方をしてこそ、この豚の命は報われるんじゃないか?!

お前のその身勝手な食欲のせいで、豚は成仏出来ないぞ。」

・・・。己の持論を展開するトウ先輩だ。

熱苦しく語り、面倒なので、従う事にした。


トウ先輩は、

「よし良い出来だ!できたぞ!皆んな皿に取り分けた!どうぞ召し上がれ!」

スペアリブをまず頬張る!

外はコンガリと、中はジューシーでおいしい。

ああ、ほっぺが落ちそう!

口の中から、じゅわりとこの肉を味わおうと唾液が出るのを感じる。

ああ、甘辛いタレが身体中に染み渡り、疲れが取れる。

流石!海外から移住してと依頼される料理人のお父さんを目指す、トウ先輩だ!

美味い!焼き加減が絶妙だ!


お兄様はそんな私を見て

「マリーベルは、いつ見ても食べる時は幸せそうだよね。ここが、魔物の蔦の中だって事を忘れそうだよ。」

とクスクスと笑う。

ライくんは、第35騎士団の大人達に囲まれて、

「お前、ウチの騎士団に入らないか?
お前のその鎌の使い方は、ウチで精鋭になれる!」

「えー。僕農家になって立派な農夫になるん為に、草刈りのスペシャリストと畑を耕すスペシャリストを目指してるんだけど!」

「じゃあ!入団したら第35騎士団の畑の草を特別に刈らしてやろう。他の騎士団の雑草も刈る事を許可しよう!

特別に、未開地の開拓として時々派遣される屯田部隊に君を推薦してあげよう。」

「えっ?草刈りと畑耕すスペシャリストを目指せるの?じゃあ、大人になったら入っても良いかな!」

満更でもなさそうな顔をするライくん。

いや、ライくん騙されてないか?

騎士団で草刈りと屯田部隊って、罰でやらされてなかったか?

まあ、ライくんが幸せならそれでいいが。


皆んな楽しそうにご飯を食べながら会話をしている。

こんな状態なのに、ご飯を食べると、皆笑顔に戻った。

芋や野菜もホクホクして美味しかった。


ふと、私は大きな青虫がイショイショと歩いてるのを見かける。

アゲハ蝶の幼虫みたいで、頭が大きくてなんか可愛い!

ご飯を食べてから、男の子達とデッカい青虫をたくさん拾ってきた。

「俺の方が沢山撮ったぞ!」

「数はそっちが多くても、私の青虫ちゃんの方がデッカいもん!」

ベリルと競争していると、

何をしているのか確認しにきたアップル先輩は絶叫して白目をむいている。

確かに拾いすぎた。ここまで沢山いるとちょっと気持ち悪い。

騒ぎを聞きつけたシリル隊長は、その光景をみて、

「その手があったか!でかした!これだけ青虫がいれば、蔦の攻撃がかなり防げるぞ。」

どうやら、役に立ったらしい。


さてと作戦会議だ。

私達は焚き木をしながら、会議をする。

外は段々と暗くなっている。

シリル団長は

「まず、ここ2時間みんなで交代で仮眠と休息をとってくれ。疲れをしっかり取るんだ!


この後、一気に花を切り落とすぞ!


まず子供達!蔦を切り窓からライトを点滅!

虫がダメでない子供達は、青虫を指定の位置に配置してくれ!

蔦は、青虫の出す毒で弱り攻撃できなくなる。

花を切り落としに行った騎士団の背後を守る事ができるんだ。

第二騎士団は子供達の安全の確保!

第35騎士団は魔物退治と花を切りにく。」


すると、お兄様とアルベルト殿下は私に

「マリーベル。根を腐らせることはできるかい?」

「花が切られたら、マリーベルの腐敗魔法と、水魔法が使える騎士で一気に根を腐らせて枯らそうと言うのが作戦だ。」


ほほー。根腐れ作戦か!

根っこに水をやりすぎると、根がダメになり全体が枯れるのだ。

私のお得意の作戦だ!

前世で、観葉植物を根腐れで何度もダメにしてきたのだ!

水捌けが悪くないとダメなのよね。


私は作戦を聞き、

子供達の中で、土魔法が使える人間を募る。

土の配置を細かいものが根の周辺に来る様にしてもらう為だ。

要は砂の目が細かい為に水が吐けにくいのだ。

なんと、ベリルは土魔法らしい。

お前、使えるな!

ベリルは、

「俺、土魔法なんて騎士で戦いに使ってないだろ。だからあんまり好きじゃないんだ。

俺の兄ちゃんも父上も火魔法だ。攻撃できてカッコいい。なんで、俺だけ!」

いじけるベリル。

私は、ベリルの肩をユサユサと揺すり、

「何言ってんだ!ベリル!お前の土魔法は、戦いにかなり使えるぞ!
何故、要塞に生かさないんだ!こんなトラップやこんなのも作れる。」

私は埃で描き描きする。

ベリルは目を輝かせる。

ベリルの横では、いつの間にかやって来たアルベルト殿下も何故か目を輝かせていた。

「ベリル。こんなのも作れるか!」

アルベルト殿下はピンギュラの蔦を使い、私達と同じ様にしゃがんで、埃を使って描き描きする。

ベリルは、

「一様俺の魔力は父上や兄ちゃんより強いから、1週間あったら余裕で出来ると思う。」

「なっなっ!これを1週間だと!何年もかけて大勢で作るこの要塞を1人で1週間!」

アルベルト殿下は頭をかかえる。

「おいクロード!シリル!期待の新人がここに居るぞ!
新しい部隊を作らなければ!」

1人でブツブツと、何か言っている。

ベリルは、アルベルト殿下にロックオンされてしまった様だ。

「俺は、お前を逃さない!」

キリリとした顔で振り返り、ベリルを指差して殿下は宣言した。

ベリルは

「えっ?えっ?」

と驚いている。

私はベリルが気の毒で、両手を合唱させた。

君は、もうあの殿下から逃げられない。



お兄様は、ピンギュラは南国の、環境に強く、寒さに弱いとシリル団長に教えてもらい、

魔法が使える様になったら、ピンギュラの周りの土の温度を一気に下げ、霜が出る様にするらしい。
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