6歳で死んでしまう少女は 精霊さんと共に生き延びる。

マキマキ

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テンケイ山の浄化者

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 ポルカはリョウさんに褒めてもらえて嬉しかったようで、

「お前がそこまで言うなら、
 テンケイ山の友人に頼んで、背中に乗せて飛んでもらっても良いぞ!」


 ちょっと偉そうにポルカは言う。

 リョウさんは目をキラキラさせながら、

「精霊王様!なんと!なんと!素晴らしい精霊王様なんだ!こんな私めどもに!かたじけない!これからは、神殿に立派なポルカ様の銅像をお建てしないと!」

 と土下座してお礼を言っている。

 ポルカは

「ぐふ、ぐふ。マリーベル!聞いたか?
 アイツはワシのことをよく分かっている。」

 変な笑い方をして、嬉しそうである。

 ポルカは飛び立ち、
 暫くすると、
 突然大きな影が沢山現れる。
 バサバサと沢山の鳥たちが
 降り立った。


 ポルカは

「コイツはわしが最も頼りにしている鳥たちだ。」


 前世で動物の死体に群がる姿しかテレビで見たことしかなく、

 ちょっと怖いイメージがあっる鳥。
 禿鷲だった。

 よく見ると、頭が白くて、ふわふわで可愛らしい。

 上目遣いでこちらを見ながら、
 何もしないと分かると
 足をゆっくりと動かしてこちらににじり寄る。

 ポルカは、

「禿鷲だ。
 因みにコンドルと食べる物や生き様は似ているが、全く違う種類の鳥なんだ。

 コイツはとっても綺麗好きだ!
 腐肉に頭を突っ込んで食べると、
 羽毛が汚れるだろ!危険な菌もつく。だから、禿げてるんだ。
 そして、羽や産毛を日光浴で、殺菌する。
 綺麗好きな合理的で無駄の無い鳥なのさ。」


 私は禿鷲さんにずっと疑問だったことを聞いてみる。


「腐肉を食べると聞いたのですが、なぜお腹を壊さないんですか?」

 禿鷲さんは、
 コチラを上目遣いで、
 少し警戒しながら話してくれた。

「僕らの胃の中にある胃酸は他の動物たちより、かなり強力な酸なんだ。それで消毒が可能なんだ。骨も比較的早く消化ができるんだよ。」

 ポルカは後から色々説明してくれた。

 遺体がずっと残るということは、細菌が沸いてしまうという事らしい。

 しかし、禿鷲が腐肉を食べることで、ボツリヌスや豚コレラ、炭疽菌、結核などから他の動物を守ってくれている。

 だから、ポルカは禿鷲さんを頼りにしているのだ。

 因みに、禿鷲の排泄物も強力な酸なので消毒がわりになるそうだ。

 生きているだけで、感染症から動物たちを守ってくれているある意味益鳥である。


 ポルカは悲しそうに言う。

「禿鷲は、今個体数をかなり減らしている。
 自然環境の悪化で棲家を奪われ、最終捕食者として凝縮された農薬で死亡したり、死体に集まる習性があることから疎まれ、特に犯罪がばれる事から、密猟者に虐殺されたりしている。

 もし、禿鷲が居なくなれば
 動物の遺体は片付かず、
 腐敗と共に病原菌を大量に生み出し、
 何が起こるかわからない。
 動物の生態を大きく変えてしまうかもしれない。」

 ポルカは、禿鷲さんを悲しそうに見つめた。
 禿鷲さんは困った顔でポルカの目を見つめた。


 リョウさんは、禿鷲さんの頭を撫でながら、

「ハゲワシってこんなに凄い奴だったんだな。もしかしてカラスとかもそうなのかな。害鳥とか言って毛嫌いしてたけどさ、
 この話聞いたら
 見方変わったよ。」

 禿鷲さんは、リョウさんに懐いた様だ。
 頭をリョウさんの手のひらにグリグリと押し付けて嬉しそうだ。


 私は、ポルカの背中に乗せてもらう。
 他の人は、禿鷲さんたちに乗せてもらった。

 リーダーの禿鷲さんは私と契約して、聖なる鳥となる。

 名前は、ボールドだ。
 ゴーイング ボールド=禿げる
 から名付けたのだ。

 名前を気に入って貰えたようで、羽をバサバサとして喜んでいる。

 可愛らしい。

 人間は、最終浄化者を嫌う傾向がある。
 それは、我々の死と近い位置にあるからだ。

 忌み嫌うのは仕方ないのかも知れないが、居なくなれば世の中良くなる生き物はいないのではないかと思う。

 我々は動物の個体数をコントロールしようとする事がある。だが、コントロールするだけならまだしも、制度に歯止めが効かずにやりすぎてしまったケースもある。

 日本狼だ。なぜ絶滅したのか、理由はハッキリしないと言われている。

 しかし、外部から持ち込まれた野犬から広まった狂犬病や伝染病を恐れた人間による乱獲があった事も一つの誘因だったのではと言われている。

 日本狼がいなくなった事により、鹿が大量発生。よって、森が禿山になり、土砂が流失したケースもあるようだ。

 現在我々は様々な問題を抱えている。

 民家に現れる熊。
 熊は人間を襲うことから、駆除されるケースが増えている。

 しかし、熊が森を生かしていることを知っているだろうか?

 鹿が増えれば、鹿を食べ、
 木の実をを食べようと、木に登り
 森の中を歩くだけで、不必要な木の枝や草は取り除かれる。
 よって、森に光が通り
 森は生かされている。

 熊は、生きているだけで森を守っていた。

 クマの出没件数が増えたのはなぜか?

 温暖化によって、森が変化しているからではないのか?

 我々が、山のマナーをきちんと守れてないからではないか?

 キャンプの時、ゴミをその場で捨てて帰ってないか?

 入ってはいけない所で、キャンプをしてないか?

 餌をあげてはいけない野生動物に餌を与えてないか?

 50メートル以内のテリトリーに入り、写真を撮ったり、動画を撮っていないか?


 1番に犠牲になるのは、
 長年山のルールを守りながら暮らしてきた現地の住民の人達だ。

 ずっと、テリトリーを守りながら距離をとって生活してきた。

 犠牲なるのはルールを破った人達ではないのだ。

 住民の生活は守らなくてはいけない。今を生き抜く事!これは最優先だ!


 昔から熊と接する事が少なかった地域では、人間を恐れなくなった熊にパニック状態である。

 まず生き延びる。

 多少余裕がある人は、熊が良く出る地域はどうしているかを取り入れて対処してみるのも手である。

地球温暖化対策を経済循環も一緒にして考えていこう。

野生動物との距離を保ち共存の道も探っていこう。

熊対策は何処かに、ヒントはあるはずだ。

動物の習性、海外の事例を探し、日本でも過去に上手くいってる地域やデータはないか探してみる。

 カナダ、アメリカ、チェコなどでは
 熊が頻繁に現れるそうだ。

 熊対策として、人間の食べ物を食べさせないことを徹底的に管理している。

 キャンプ地の食糧管理として、食品用ロッカーがどのキャンプ地にも普及している。

 ゴミ捨て場は、動物が漁れないようになっている。

 餌やりに対する罰は厳しくされている。

 既にやっていることもあると思うし、
 いろんな意見があると思う。
 ただ、違う意見が現れた時、頭から反対せず、お互い妥協できる方向を考えてみてほしい。


 テンケイザン付近に近づくと、
 湯煙が彼方此方からでている。

 テンケイ山は、
 休眠期の火山だ。
 かつては繰り返し噴火をしていたそうだ。

 その周りにも火山が多く、
 一部は
 危険で立ち入ることができない。

 とあるカルデラ湖は、エメラルドグリーンで美しく美しいが、硫酸の湖である。
 近くには有毒ガスの硫化水素が彼方此方から出ている。

 アッシュくんは、

「この辺りは、火山が多く温泉と言われる水が出るんだ。

 水蒸気に注意してくれ。

 高温だから火傷するぞ!

 温泉は、皮膚病や傷、美容に効くとされて、
 今商人から注目されているんだ。

 僕たちも乗り遅れないように
 人脈を築こうと
 度々行かせてもらっている。

 そして、今目指す湖は、大陸プレートの隆起によって、海水が取り残された地域でもある。

 その湖の、水で打つ面は独特の歯応えと黄色い色になるんだ。

 それが、おそらく君らが探している麺だと思うよ。」

 そう教えてくれた。
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