もしも図書委員長の女子高生が露特殊部隊(スペツナズ)の軍隊格闘技(システマ)を学んだら

雅紫 菜華乃

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非行少女に武装解除を

最速最悪の一撃、安藤ちずな

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「馬鹿しやがって…」
 病室を後にしたちずなは呟いた。

 階段から転んだ?明らかな打撃痕だ、あれは。
 問題は一枝をあそこまでやった奴だ。校内で他に怪我人は見つかっていない。となれば一方的だった筈だ。
 一枝を一方的に打ちのめす?一体何人で囲めば可能か?
 空手部の怨恨だとしても、奴等にそんな度胸はあるだろうか?せいぜい動いても数人だ。
 ならば、一枝が遅れは取らないはずだ。
 
 思考を巡らしていたちずながふと停まって前を睨んだ。
「華月院…」
「やあ、ちずなさん。ご機嫌よう」
「機嫌よく見えるか?突くぞ」
 ちずなは木刀を構える
 華月院と呼ばれた少女はふふふと笑う。
「あらあら、よく吠えますわね」

ービュッ!

 言い終わる前にちずなは動いていた、低く被りこむと同時に超低空からの突き。
 その動作は横から見ればさながら短距離走のクラウチングスタートだろう。

ーバシッ!

「ふふふ…」
 華月院は木刀の切っ先を容易く握っていた。
 無論、それには動体視力もさる事ながら、圧倒的な握力が要求される。
「見下すんじゃねえよ」
 ちずなは更に睨む。
 華月院は笑う。
「あらあら、絵理奈さんの子分が何を偉そうに」
「…………ちっ………」
 苦々しそうにちずなは木刀を握る力を緩めた。
「さて、私は絵理奈さんと話に行きますわ、貴方はどうしますの?」
「何がだ?」
 ちずなが再びイライラしながら聞く。
「気付いていますでしょう?一枝さんは何者かに敗れた。おそらく圧倒的な差で。ならば私達死天王としては、その存在の扱いを考えなくばなりません」
「まさか、絵理奈を倒してそいつと死天王を入れ替えるという気じゃねえだろうな」
 ちずなは木刀の切っ先を華月院の鼻先に向ける。
「いえ、私と絵理奈さん、件の犯人をどちらの玩具にしようかと。絵理奈さんには敵討ちでもありますから」
「ほう。で、どうする?ってのは怖いからあたいに一緒に来てと言う気か」
 華月院が笑う。
「ふふふ、まさか?私達のどちらかにやられる前に敵討ちに行かないのですか?と私は聞いているのです。もちろん、骨は拾いますわ」
「ふん!自信満々だな。ついでにわざわざご丁寧に、アタシが負けるって加えるのが気に食わねえ!!」
「あらあら、御自身の実力のなさがそう感じさせてるのですわ。やはり、貴方は下がっていなさい」
「うるせぇっ!!」

ービュォッ!!

 先程よりも更に低い突き。最早常人ならば視界から突然ちずなが消えたように見えただろう。溜めが余分に掛かるが、それを補って余りある奇襲。溜めとより長く加速された突き。
 華月院も避けたが笑っていない。
「よくも私の髪を!この阿婆擦アバズれが!!」
「おお、怖い怖い。さて、お言葉に甘えてアタシが奴は倒すね」
 言うが早いかちずなは駆け足で去っていった。
「~~~~~っ!!」
 華月院は怒りに任せて窓硝子に爪を立てる。

ーバリィッ!

 握力だけで硝子にヒビが入り、砕けた。
「いいでしょう、まだ女剣女子剣道部だけの問題。ですが、貴方が敗れるのであればそれは秩序の崩壊。私達、死天王の介入は避けられませんわよ」
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