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転移は突然に
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五十嵐 祐太、高校2年生16歳。成績は中の上、運動神経は並み。顔は黒髪黒目ややイケメンよりの日本人。友達は普通にいて、彼女いない歴=年齢なわけでもない至って普通の高校生。漫画やラノベを読んだりするが、オタクと言われる程でもない。
そんなごくごく平凡な五十嵐祐太はあるときを境に平凡ではなくなってしまう。
「あー、明日から定期テストか。まじだるいなー」
祐太は学校からの帰り道、ひとり呟いていた。明日から始まるテストに憂鬱な気分になり、ため息を吐く。
「えっ……?」
突然光り出す祐太の足下、現実にあるはずのない魔法陣。
「ちょっ!なんなんだよこ……」
叫び声は途中で終わり。日本からひとりの男が姿を消した。
「……ん?ここは?確かいきなり魔法陣みたいなのが現れて……」
祐太がいたのは鬱蒼とした森の中だった。見覚えのない場所に、キョロキョロと当たりを見渡す。
「くそっ、ここはどこなんだよ!」
祐太は悪態を付きながらも、なにか情報になるものはないか探す。
「……手紙?」
キョロキョロとしていたら目の前にひらひらと手紙が舞い降りてくる。何処から降ってきたか気になりはしたが、とりあえず中身を読んでみる。
「えっとなになに……あなたが今いる場所は異世界シードです。あなたはシードに転移してしまいました。何処に転移したかは私にも分かりません。ただ魔物が蔓延るこの世界、場所によっては即死もありえるので最低限の特典を与えたいと思います。ステータスと唱えてみてください。転移者は例外なく持っているスキルのひとつにアイテムボックスあります。アイテムボックスに特典を入れてあるので確認してください。あと、あなたが転移した場所に半径10mほど敵対するものは入れなくし、回復力をあげるとてもすごーい結界を施しておきました。では頑張って生きてくださいね♪」
読み終えた手紙を破り捨て、叫ぶ。
「ふざけんなよ、どうして俺なんだよ!」
等しかった友人に、気になっていたあの子。自分を育ててくれた両親。突然会えなくなった。みんなに会えなくなった。全てを失った気がした。祐太は絶望した。これからどうすればいいのだと。なにを希望にすればいいのかと。
それから祐太は寝転がり仰向けになり、沈んでいた。うっすらと光ってるのが見える。あれが結界なのかもしれない。いかにも何か出そうな雰囲気の森だったが結界のお陰か、まだ何にも遭遇はしていない。
何時間経っただろうか、突然ムクリと起き上がる。
「絶望はし終えた。あとはこの状況を打破する」
祐太は開き直って、この現状をどうにかしようと考える。
「とりあえず、手紙に書かれていたステータスってやつを確認してみるか。ステータス!」
少し恥ずかしくなりながらもステータスと唱える。すると半透明のプレートがでてきた。
名前 イガラシ ユータ
種族 異世界人
Lv.1
スキル
アイテムボックスLv_ 鑑定Lv_ 生活魔法Lv_
ユニークスキル
刻印Lv_
ステータス画面があらわれるという非現実な光景に、本当に異世界に来たんだと軽く落ち込む。
「確かアイテムボックスに特典があるって言ってたな」
祐太は手紙の内容を思い出し、アイテムボックスと唱える。
今度はゲームで見るようなウィンドウがでてきた。
「すげえゲーム仕様だな。えっと、特典特典」
アイテムボックスには以下のものが入っていた。
・武具作成の入門セット
・魔道具作成の入門セット
・調合の入門セット
・魔法の入門セット
・サバイバルセット
・食料
生産系が指南書に道具や材料、魔法は指南書と水晶だった。サバイバルセットはロングソード、レザーアーマーと解体用のナイフに水筒。食料は干し肉しかなく量的に10日分くらいはあった。
「10日以内に食料を確保できるようにしないといけないのか……」
祐太はこれからのことについて思案していたが、突然影に覆われた。
不審に思って上を向く。そこに居たのは龍、ドラゴンだった。とても大きく黒より暗そうな鱗、見た目だけでも圧倒的な存在感があった。ただ結界のお陰かあまり威圧感は感じられなかった。
スキルの使い方はなんとなくわかったため、祐太はなんとなく鑑定を使ってみた。しかし、祐太は鑑定結果をみて絶望することになる。
ダークドラゴンLv.537
「……は?」
わかったのは名前とレベル。そのレベルが異常だった。とんでもないレベル差に裕太は再び絶望する。こんなレベルの魔物がいるのにどうやったら生き延びれるのだと。2度目の絶望は祐太を諦めさせるのに十分だった。祐太は自分はここで何も出来ずに死ぬんだと諦め、その瞳からは光が失われた。
それからはずっとぼーっと外を眺めていた。諦め死を待つだけだったが空腹には耐えられず、腹が減ったらアイテムボックスに入っている干し肉を食べ、喉が乾いたら生活魔法によってだすことができた水を飲む。生活魔法魔法には浄化というものがあり衛生面も問題なかった。
祐太は2日の間、そうやって何も考えずにたまに出てくる魔物に鑑定をかけながら過ごしていた。
さらに2日たったとき祐太の中にはある感情が浮かびかけ、瞳には光がつきかけていた。
また2日たった。食料は残り4日分しか残っていない。そんな状況で祐太は目をギラギラと光らせていた。今ではハッキリとある感情がある。それは生きたいと思う気持ちだった。祐太はハッキリと死を認識していた。だからこそ、生への気持ちが芽生えた。日本では命の危険なんてほとんど無く絶対に感じることの出来なかった死。死が近くに存在する今でこそ感じることの出来る生。生への執着、生への執念。今はハッキリと思う。生きたいと。
祐太はぼーっとしてはいたが鑑定もしていた。そして分かったことがある。初日にみたダークドラゴン。あれよりレベルの高い魔物は見なかった。それどころかLv.400にいっている魔物すら見ていない。
1番低かったレベルが110あたり。それでもレベル差にそうとうの開きがあるのは変わりない。それでも、あのドラゴンに挑むよりかは何万倍も勝率はある。
「俺は絶対に生き延びてみせる。絶対にだ!」
祐太は自分に喝を入れて、これからすること考える。
まず、何よりの優先事項は食料の調達だ。もう残り4日分しか食料がない。そこら辺の植物が鑑定できるのは確認済みで、結界の近くに食べることの出来る木の実があるのは把握済みだ。
気を引き締めて結界の傍まで歩く。何も装備していない。ロングソードやレザーアーマーはアイテムボックスに入っているが足枷にしかならないだろう。何度か魔物同士の戦いを見たが、Lv.1の俺が戦っても当たれば即死、当ててもダメージは通らないだろう。それなら最初から戦いを捨てて食料調達だけを目的にしたほうがいい。それに今回行く場所は結界のすぐ近くだ。
「よし、やるぞ」
祐太はそう呟いて、結界の外に踏み出す。
「うっ」
結界の外は明らかに空気が違っており、祐太は思わず呻き声を出してしまう。
祐太は結界の中から目をつけていた、手が届く範囲にある木の実をいくつか取りに行く。無事に木の実を取り終え、早足に結界に戻ろうとする。
「ガルルルゥ」
結界までもう少しのところで、後ろから魔物の唸り声が聞こえる。何も考えずに結界へと飛び込んだ。
「助かった。すぐそこに行くだけなのに魔物に襲われるとは……」
祐太は振り返って、結界を忌々しそうに見ている魔物を見て恐怖と安堵を同時に感じる。あと少しでも反応が遅れてたら殺られていた。
初めて見る魔物ではないなと思いながらも鑑定をかける。
バトルウルフLv.213
前見たヤツより少しレベルざたかかった。魔物にも個体差が存在する。
「はぁ、あんだけの距離でここまで疲れるとはな……」
改めて、この環境の厳しさを認識する。
「命張って手に入れたものがこれって、いいのか?レアそうなことはわかるけれども」
ゴールドリップル
黄金色をしたリップル。食べると体力と魔力を回復する。とても美味である。
「見た目黄金のリンゴだよなぁ。食べてみたいが、回復効果があるようだしアイテムボックスにしまっておくか。アイテムボックスに入れておくと腐らないようだしな」
祐太は次に魔法を使ってみようと思って魔法の入門を取り出し、魔法の指南書を読み始める。
この世界には魔力が存在し、魔力によって魔法を使うことが出来る。火、水、土、風、聖属性がある。他にも特殊魔法がある。
「簡単な説明だな。使い方はちゃんと書かれてるといいが。一緒に入ってた水晶で魔法の適性を調べれるみたいだな」
適性の水晶
手をかざすと、魔法の適性を知ることが出来る。使用すると壊れる。
「よし、なんの適性があるかな」
祐太は期待に胸を膨らませながら水晶に手をかざす。
「……ん?」
水晶にはなんの変化も起こらない。
「壊れてるのか?」
そして水晶は粉々に崩れ落ちた。
「……適性なしだと?」
祐太は信じたくなかった。きっと壊れているのだと思いたかった。だが、何度繰り返そうと変化は起こらない。やはり適性は無いのだ。
「異世界きて、魔法使えないとか……」
祐太はかなりのショックを受けながら魔法の指南書を読む。
「適性が無くても魔力操作は大切としかかかれてねぇし。大切な理由はなんだよ」
適性がなかったことに、まだ落ち込みながらも指南書に書かれている通りに魔力を扱えるよう練習した。
魔力操作の練習の後にはロングソードを使って素振りをする。剣なんて初めて触るド素人だが、とにかく無駄をなくすこと意識して振った。
そうやって祐太は2日間の間続ける事でようやくスキルを手に入れることが出来た。
スキル
剣術Lv.1 魔力感知Lv.1 魔力操作Lv.1 身体能力強化Lv.1
アイテムボックス 鑑定
ユニークスキル
刻印
剣術、魔力感知、魔力操作の説明は必要ないだろう。身体能力強化は魔力を身体に流したらできた。身体能力強化はマンガやラノベでよくあることなのですぐに思い付いた。スキルがついたときはなんとなくわかった。少しやりやすくなったのだ。レベル補正があるのかもしれない。
祐太はこの2日間でユニークスキルの刻印も試してみた。刻印はとてと自由度の高いスキルだった。ものに刻印を刻むことによって何らかのの効果を付与することができる。付与したい効果を念じながら刻印を刻めばできる。ただし強力な効果を付与する場合は強力な素材が必要になる。そこら辺に落ちてた石ころに無茶苦茶硬くなれと念じながら刻印を刻んでみたら石ころはボロボロと崩れた。
刻印はできそうなことはだいたいできる。そんな感じだ。すごい適当だがそれくらい汎用性が高いってことだ。
刻印で刻まれたものは龍だった。龍は龍でも東洋の龍だった。それを見たときカッコイイなと少し興奮していた。
祐太は悩んでいた。新しいスキルは手に入ったが、ハッキリ言ってスキルが少し増えた程度でどうにかなると思っていない。しかもLv.1だ。スキルレベルをあげればそれなりに使えるだろうがLv.1ではどつにもならないだろう。
「ひとつだけ少しはマシになるかもしれない方法があるんだが何が起こるかわからないからなぁ……」
祐太にはひとつ思い付いたことがあった。それはユニークスキル刻印を裕太自身に使うことだ。
本来無生物にしか使えない刻印だが、自分にだけは使えることが感覚的にわかっていた。所持しているスキルはだいたい使い方がわかる。
確かに自分には使えるが、自分はLv.1。素材としては最低の最低だ。耐えられる保証なんてどこにもない。あの石のように耐えられなかった物はボロボロになっているのを見ているため自分もこうなるかもしれないと考えてしまう。しかし、同時にこれしかないと考えていた。
「やるしかないか……」
祐太は転移してからずっと着ていた制服の上を脱ぐ。生活魔法の浄化があるためわりと綺麗ではある。
「ふぅー。耐えられないかもしれない。それでもやるしかない」
祐太はしっかりと決意し、やってやると強い意志を持つ。祐太は手を胸に当て刻印を使用する。
付与する効果は身体能力の強化。そう念じながら刻印と呟く。手に魔力が集まり発光し、刻印が刻まれ始める。
「うっ、ううああああああああああああああああ!ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!アガアアアアアアアアア!」
それは絶叫だった。刻印が刻まれ、カッと熱くなりとてつもない激痛が走り。まるで胸を熱したナイフでザクザクと斬られているような感覚。正気を失うような痛みだったが、祐太は手を止めなかった。強い意志を持って痛みをねじ伏せた。
「俺は俺に勝って絶対に生きてやるんだアアァァァ!」
時間にして数分程。しかし、祐太にとっては数時間に感じられた。
「俺は勝ったぞオォォ!」
祐太は見事に耐えきっていた。しかし、もう既に限界だった。それを証明するかのようにドサリと倒れ意思を失った。
祐太が倒れて丸1日ほど経ち、ようやく目を覚ます。
「あぁ、確か俺は自分に刻印を……」
祐太はそう言って自分の胸を見る。胸部からヘソあたりにかけて龍が刻まれていた。
「成功したか。まじで死ぬ程痛かったな」
刻印を刻むときの痛みを思い出し、まったくよくあれを耐えることができたなと苦笑する。
祐太はギュッと握りこぶしをつくる。今までよりも力が湧いているのがわかる。
刻印によりLv.1では手に入れることの出来ない力を手に入れた。
それからは剣を振ってみた。今までよりも断然軽く感じる。
「力はあがってる。でもまだ足りない。魔物の争いは何度か目にした。正面からでは敵わないだろうな。不意打ちを狙うしかない。もしも倒すことができたらレベルはあがるはずだ」
祐太は結界ギリギリの場所で不意打ちができる機会をじっと待っていた。
数時間が経過する。何度か魔物同士の争いは見たが、不意打ちできそうになかった。
少しして、また魔物同士の争いが始まった。祐太はとりあえず鑑定をかける。
地龍Lv.223
ジェノサイドゴブリンLv.125 Lv.121 Lv.130 Lv.125 Lv.122
地龍とゴブリンの集団の争いだった。ゴブリンといえばファンタジーにおいて最弱の代名詞。しかし、これを見て最弱なんて間違っても言えない。レベル差を数を活かした見事な連携で戦っている。それでもレベル差はがあるため戦いは拮抗してい。
「戦いは拮抗している。さてチャンスは来るか……」
それから戦いは激化し、終盤を迎えようとしていた。
ゴブリンの巧みな連携で地龍を翻弄し武器である棍棒をつかい少しずつダメージを与える。地龍はその連携に翻弄されながらもしっかり反撃している。
そして、とうとうその時はやって来た。地龍は4匹のゴブリンを倒したが既に動けなくなるほどダメージを負っていた。そこに最後の1匹が地龍の頭に全力の一撃をあてる。その一撃で地龍は倒れた。しかし、ゴブリンも既に立っていられないような状態ではなく瀕死だった。
「こんなにはやくチャンスがくるとはな。あのゴブリンが死ぬ前にとどめをさす」
祐太はアイテムボックスから取り出した剣を手に持ち身体能力強化を施してから結界の外に出る。
ゴブリンは近付いてくる祐太を睨んでいた。祐太はゴブリンのそばにくると剣を構える。そして、ある技を発動させる。剣術がLv.1になったときに自動的に覚えたものだ。
「スラッシュ」
この技は威力が増すだけの単純なものだ。
ゴブリンの首に剣を振り下ろす。結果ゴブリンの首は飛ぶことはなかった。切り飛ばせると思って出来なかった。これがレベル差なのかもしれない。しかし、剣は半ばまで食い込みゴブリンのとどめを刺すのには成功した。
「力が溢れでてくる」
力が溢れ出て自分の中の魔力も増えた感覚から、これがレベルアップだと察する。
「今はさっさと回収して結界の中に戻るか」
祐太はそう呟いて、5匹のゴブリンと1匹の地龍を回収する。地龍はかなりの巨体で、こんなのが入るのかと不安になったが問題なく収納できた。
「流石にゴブリンは食べたくないが、地龍は食えるだろう」
レベル上げが目的だったが、大量の食料が手に入ったかもしれない現状に思わず笑を浮かべる祐太。
「次はステータスを確認だな。ステータス」
名前 イガラシ ユータ
種族 異世界人
Lv.43
スキル
剣術Lv.1 魔力操作Lv.1 魔力感知Lv.1 身体能力強化Lv.1 アイテムボックス 鑑定 生活魔法
ユニークスキル
刻印
「Lv.43か。レベル差100超えを倒した経験値としては多いのか少ないのか……あのゴブリンは瀕死だっしそれも関係あるかもしれないな。まあそんなことはどうでもいい」
祐太はこれからのことを考える。
「おそらく地龍は食えるだろう。数百キロの肉はとれそうだ。食料は確保できた今、優先することはスキルレヘルを上げて生存率を高めることだ」
そんなごくごく平凡な五十嵐祐太はあるときを境に平凡ではなくなってしまう。
「あー、明日から定期テストか。まじだるいなー」
祐太は学校からの帰り道、ひとり呟いていた。明日から始まるテストに憂鬱な気分になり、ため息を吐く。
「えっ……?」
突然光り出す祐太の足下、現実にあるはずのない魔法陣。
「ちょっ!なんなんだよこ……」
叫び声は途中で終わり。日本からひとりの男が姿を消した。
「……ん?ここは?確かいきなり魔法陣みたいなのが現れて……」
祐太がいたのは鬱蒼とした森の中だった。見覚えのない場所に、キョロキョロと当たりを見渡す。
「くそっ、ここはどこなんだよ!」
祐太は悪態を付きながらも、なにか情報になるものはないか探す。
「……手紙?」
キョロキョロとしていたら目の前にひらひらと手紙が舞い降りてくる。何処から降ってきたか気になりはしたが、とりあえず中身を読んでみる。
「えっとなになに……あなたが今いる場所は異世界シードです。あなたはシードに転移してしまいました。何処に転移したかは私にも分かりません。ただ魔物が蔓延るこの世界、場所によっては即死もありえるので最低限の特典を与えたいと思います。ステータスと唱えてみてください。転移者は例外なく持っているスキルのひとつにアイテムボックスあります。アイテムボックスに特典を入れてあるので確認してください。あと、あなたが転移した場所に半径10mほど敵対するものは入れなくし、回復力をあげるとてもすごーい結界を施しておきました。では頑張って生きてくださいね♪」
読み終えた手紙を破り捨て、叫ぶ。
「ふざけんなよ、どうして俺なんだよ!」
等しかった友人に、気になっていたあの子。自分を育ててくれた両親。突然会えなくなった。みんなに会えなくなった。全てを失った気がした。祐太は絶望した。これからどうすればいいのだと。なにを希望にすればいいのかと。
それから祐太は寝転がり仰向けになり、沈んでいた。うっすらと光ってるのが見える。あれが結界なのかもしれない。いかにも何か出そうな雰囲気の森だったが結界のお陰か、まだ何にも遭遇はしていない。
何時間経っただろうか、突然ムクリと起き上がる。
「絶望はし終えた。あとはこの状況を打破する」
祐太は開き直って、この現状をどうにかしようと考える。
「とりあえず、手紙に書かれていたステータスってやつを確認してみるか。ステータス!」
少し恥ずかしくなりながらもステータスと唱える。すると半透明のプレートがでてきた。
名前 イガラシ ユータ
種族 異世界人
Lv.1
スキル
アイテムボックスLv_ 鑑定Lv_ 生活魔法Lv_
ユニークスキル
刻印Lv_
ステータス画面があらわれるという非現実な光景に、本当に異世界に来たんだと軽く落ち込む。
「確かアイテムボックスに特典があるって言ってたな」
祐太は手紙の内容を思い出し、アイテムボックスと唱える。
今度はゲームで見るようなウィンドウがでてきた。
「すげえゲーム仕様だな。えっと、特典特典」
アイテムボックスには以下のものが入っていた。
・武具作成の入門セット
・魔道具作成の入門セット
・調合の入門セット
・魔法の入門セット
・サバイバルセット
・食料
生産系が指南書に道具や材料、魔法は指南書と水晶だった。サバイバルセットはロングソード、レザーアーマーと解体用のナイフに水筒。食料は干し肉しかなく量的に10日分くらいはあった。
「10日以内に食料を確保できるようにしないといけないのか……」
祐太はこれからのことについて思案していたが、突然影に覆われた。
不審に思って上を向く。そこに居たのは龍、ドラゴンだった。とても大きく黒より暗そうな鱗、見た目だけでも圧倒的な存在感があった。ただ結界のお陰かあまり威圧感は感じられなかった。
スキルの使い方はなんとなくわかったため、祐太はなんとなく鑑定を使ってみた。しかし、祐太は鑑定結果をみて絶望することになる。
ダークドラゴンLv.537
「……は?」
わかったのは名前とレベル。そのレベルが異常だった。とんでもないレベル差に裕太は再び絶望する。こんなレベルの魔物がいるのにどうやったら生き延びれるのだと。2度目の絶望は祐太を諦めさせるのに十分だった。祐太は自分はここで何も出来ずに死ぬんだと諦め、その瞳からは光が失われた。
それからはずっとぼーっと外を眺めていた。諦め死を待つだけだったが空腹には耐えられず、腹が減ったらアイテムボックスに入っている干し肉を食べ、喉が乾いたら生活魔法によってだすことができた水を飲む。生活魔法魔法には浄化というものがあり衛生面も問題なかった。
祐太は2日の間、そうやって何も考えずにたまに出てくる魔物に鑑定をかけながら過ごしていた。
さらに2日たったとき祐太の中にはある感情が浮かびかけ、瞳には光がつきかけていた。
また2日たった。食料は残り4日分しか残っていない。そんな状況で祐太は目をギラギラと光らせていた。今ではハッキリとある感情がある。それは生きたいと思う気持ちだった。祐太はハッキリと死を認識していた。だからこそ、生への気持ちが芽生えた。日本では命の危険なんてほとんど無く絶対に感じることの出来なかった死。死が近くに存在する今でこそ感じることの出来る生。生への執着、生への執念。今はハッキリと思う。生きたいと。
祐太はぼーっとしてはいたが鑑定もしていた。そして分かったことがある。初日にみたダークドラゴン。あれよりレベルの高い魔物は見なかった。それどころかLv.400にいっている魔物すら見ていない。
1番低かったレベルが110あたり。それでもレベル差にそうとうの開きがあるのは変わりない。それでも、あのドラゴンに挑むよりかは何万倍も勝率はある。
「俺は絶対に生き延びてみせる。絶対にだ!」
祐太は自分に喝を入れて、これからすること考える。
まず、何よりの優先事項は食料の調達だ。もう残り4日分しか食料がない。そこら辺の植物が鑑定できるのは確認済みで、結界の近くに食べることの出来る木の実があるのは把握済みだ。
気を引き締めて結界の傍まで歩く。何も装備していない。ロングソードやレザーアーマーはアイテムボックスに入っているが足枷にしかならないだろう。何度か魔物同士の戦いを見たが、Lv.1の俺が戦っても当たれば即死、当ててもダメージは通らないだろう。それなら最初から戦いを捨てて食料調達だけを目的にしたほうがいい。それに今回行く場所は結界のすぐ近くだ。
「よし、やるぞ」
祐太はそう呟いて、結界の外に踏み出す。
「うっ」
結界の外は明らかに空気が違っており、祐太は思わず呻き声を出してしまう。
祐太は結界の中から目をつけていた、手が届く範囲にある木の実をいくつか取りに行く。無事に木の実を取り終え、早足に結界に戻ろうとする。
「ガルルルゥ」
結界までもう少しのところで、後ろから魔物の唸り声が聞こえる。何も考えずに結界へと飛び込んだ。
「助かった。すぐそこに行くだけなのに魔物に襲われるとは……」
祐太は振り返って、結界を忌々しそうに見ている魔物を見て恐怖と安堵を同時に感じる。あと少しでも反応が遅れてたら殺られていた。
初めて見る魔物ではないなと思いながらも鑑定をかける。
バトルウルフLv.213
前見たヤツより少しレベルざたかかった。魔物にも個体差が存在する。
「はぁ、あんだけの距離でここまで疲れるとはな……」
改めて、この環境の厳しさを認識する。
「命張って手に入れたものがこれって、いいのか?レアそうなことはわかるけれども」
ゴールドリップル
黄金色をしたリップル。食べると体力と魔力を回復する。とても美味である。
「見た目黄金のリンゴだよなぁ。食べてみたいが、回復効果があるようだしアイテムボックスにしまっておくか。アイテムボックスに入れておくと腐らないようだしな」
祐太は次に魔法を使ってみようと思って魔法の入門を取り出し、魔法の指南書を読み始める。
この世界には魔力が存在し、魔力によって魔法を使うことが出来る。火、水、土、風、聖属性がある。他にも特殊魔法がある。
「簡単な説明だな。使い方はちゃんと書かれてるといいが。一緒に入ってた水晶で魔法の適性を調べれるみたいだな」
適性の水晶
手をかざすと、魔法の適性を知ることが出来る。使用すると壊れる。
「よし、なんの適性があるかな」
祐太は期待に胸を膨らませながら水晶に手をかざす。
「……ん?」
水晶にはなんの変化も起こらない。
「壊れてるのか?」
そして水晶は粉々に崩れ落ちた。
「……適性なしだと?」
祐太は信じたくなかった。きっと壊れているのだと思いたかった。だが、何度繰り返そうと変化は起こらない。やはり適性は無いのだ。
「異世界きて、魔法使えないとか……」
祐太はかなりのショックを受けながら魔法の指南書を読む。
「適性が無くても魔力操作は大切としかかかれてねぇし。大切な理由はなんだよ」
適性がなかったことに、まだ落ち込みながらも指南書に書かれている通りに魔力を扱えるよう練習した。
魔力操作の練習の後にはロングソードを使って素振りをする。剣なんて初めて触るド素人だが、とにかく無駄をなくすこと意識して振った。
そうやって祐太は2日間の間続ける事でようやくスキルを手に入れることが出来た。
スキル
剣術Lv.1 魔力感知Lv.1 魔力操作Lv.1 身体能力強化Lv.1
アイテムボックス 鑑定
ユニークスキル
刻印
剣術、魔力感知、魔力操作の説明は必要ないだろう。身体能力強化は魔力を身体に流したらできた。身体能力強化はマンガやラノベでよくあることなのですぐに思い付いた。スキルがついたときはなんとなくわかった。少しやりやすくなったのだ。レベル補正があるのかもしれない。
祐太はこの2日間でユニークスキルの刻印も試してみた。刻印はとてと自由度の高いスキルだった。ものに刻印を刻むことによって何らかのの効果を付与することができる。付与したい効果を念じながら刻印を刻めばできる。ただし強力な効果を付与する場合は強力な素材が必要になる。そこら辺に落ちてた石ころに無茶苦茶硬くなれと念じながら刻印を刻んでみたら石ころはボロボロと崩れた。
刻印はできそうなことはだいたいできる。そんな感じだ。すごい適当だがそれくらい汎用性が高いってことだ。
刻印で刻まれたものは龍だった。龍は龍でも東洋の龍だった。それを見たときカッコイイなと少し興奮していた。
祐太は悩んでいた。新しいスキルは手に入ったが、ハッキリ言ってスキルが少し増えた程度でどうにかなると思っていない。しかもLv.1だ。スキルレベルをあげればそれなりに使えるだろうがLv.1ではどつにもならないだろう。
「ひとつだけ少しはマシになるかもしれない方法があるんだが何が起こるかわからないからなぁ……」
祐太にはひとつ思い付いたことがあった。それはユニークスキル刻印を裕太自身に使うことだ。
本来無生物にしか使えない刻印だが、自分にだけは使えることが感覚的にわかっていた。所持しているスキルはだいたい使い方がわかる。
確かに自分には使えるが、自分はLv.1。素材としては最低の最低だ。耐えられる保証なんてどこにもない。あの石のように耐えられなかった物はボロボロになっているのを見ているため自分もこうなるかもしれないと考えてしまう。しかし、同時にこれしかないと考えていた。
「やるしかないか……」
祐太は転移してからずっと着ていた制服の上を脱ぐ。生活魔法の浄化があるためわりと綺麗ではある。
「ふぅー。耐えられないかもしれない。それでもやるしかない」
祐太はしっかりと決意し、やってやると強い意志を持つ。祐太は手を胸に当て刻印を使用する。
付与する効果は身体能力の強化。そう念じながら刻印と呟く。手に魔力が集まり発光し、刻印が刻まれ始める。
「うっ、ううああああああああああああああああ!ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!アガアアアアアアアアア!」
それは絶叫だった。刻印が刻まれ、カッと熱くなりとてつもない激痛が走り。まるで胸を熱したナイフでザクザクと斬られているような感覚。正気を失うような痛みだったが、祐太は手を止めなかった。強い意志を持って痛みをねじ伏せた。
「俺は俺に勝って絶対に生きてやるんだアアァァァ!」
時間にして数分程。しかし、祐太にとっては数時間に感じられた。
「俺は勝ったぞオォォ!」
祐太は見事に耐えきっていた。しかし、もう既に限界だった。それを証明するかのようにドサリと倒れ意思を失った。
祐太が倒れて丸1日ほど経ち、ようやく目を覚ます。
「あぁ、確か俺は自分に刻印を……」
祐太はそう言って自分の胸を見る。胸部からヘソあたりにかけて龍が刻まれていた。
「成功したか。まじで死ぬ程痛かったな」
刻印を刻むときの痛みを思い出し、まったくよくあれを耐えることができたなと苦笑する。
祐太はギュッと握りこぶしをつくる。今までよりも力が湧いているのがわかる。
刻印によりLv.1では手に入れることの出来ない力を手に入れた。
それからは剣を振ってみた。今までよりも断然軽く感じる。
「力はあがってる。でもまだ足りない。魔物の争いは何度か目にした。正面からでは敵わないだろうな。不意打ちを狙うしかない。もしも倒すことができたらレベルはあがるはずだ」
祐太は結界ギリギリの場所で不意打ちができる機会をじっと待っていた。
数時間が経過する。何度か魔物同士の争いは見たが、不意打ちできそうになかった。
少しして、また魔物同士の争いが始まった。祐太はとりあえず鑑定をかける。
地龍Lv.223
ジェノサイドゴブリンLv.125 Lv.121 Lv.130 Lv.125 Lv.122
地龍とゴブリンの集団の争いだった。ゴブリンといえばファンタジーにおいて最弱の代名詞。しかし、これを見て最弱なんて間違っても言えない。レベル差を数を活かした見事な連携で戦っている。それでもレベル差はがあるため戦いは拮抗してい。
「戦いは拮抗している。さてチャンスは来るか……」
それから戦いは激化し、終盤を迎えようとしていた。
ゴブリンの巧みな連携で地龍を翻弄し武器である棍棒をつかい少しずつダメージを与える。地龍はその連携に翻弄されながらもしっかり反撃している。
そして、とうとうその時はやって来た。地龍は4匹のゴブリンを倒したが既に動けなくなるほどダメージを負っていた。そこに最後の1匹が地龍の頭に全力の一撃をあてる。その一撃で地龍は倒れた。しかし、ゴブリンも既に立っていられないような状態ではなく瀕死だった。
「こんなにはやくチャンスがくるとはな。あのゴブリンが死ぬ前にとどめをさす」
祐太はアイテムボックスから取り出した剣を手に持ち身体能力強化を施してから結界の外に出る。
ゴブリンは近付いてくる祐太を睨んでいた。祐太はゴブリンのそばにくると剣を構える。そして、ある技を発動させる。剣術がLv.1になったときに自動的に覚えたものだ。
「スラッシュ」
この技は威力が増すだけの単純なものだ。
ゴブリンの首に剣を振り下ろす。結果ゴブリンの首は飛ぶことはなかった。切り飛ばせると思って出来なかった。これがレベル差なのかもしれない。しかし、剣は半ばまで食い込みゴブリンのとどめを刺すのには成功した。
「力が溢れでてくる」
力が溢れ出て自分の中の魔力も増えた感覚から、これがレベルアップだと察する。
「今はさっさと回収して結界の中に戻るか」
祐太はそう呟いて、5匹のゴブリンと1匹の地龍を回収する。地龍はかなりの巨体で、こんなのが入るのかと不安になったが問題なく収納できた。
「流石にゴブリンは食べたくないが、地龍は食えるだろう」
レベル上げが目的だったが、大量の食料が手に入ったかもしれない現状に思わず笑を浮かべる祐太。
「次はステータスを確認だな。ステータス」
名前 イガラシ ユータ
種族 異世界人
Lv.43
スキル
剣術Lv.1 魔力操作Lv.1 魔力感知Lv.1 身体能力強化Lv.1 アイテムボックス 鑑定 生活魔法
ユニークスキル
刻印
「Lv.43か。レベル差100超えを倒した経験値としては多いのか少ないのか……あのゴブリンは瀕死だっしそれも関係あるかもしれないな。まあそんなことはどうでもいい」
祐太はこれからのことを考える。
「おそらく地龍は食えるだろう。数百キロの肉はとれそうだ。食料は確保できた今、優先することはスキルレヘルを上げて生存率を高めることだ」
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