探偵少女の迷走

二二二

文字の大きさ
3 / 4

我が部の部長氏についての話(その2)

しおりを挟む
 3

 片脚(かたあし)が崖(がけ)の上に浮いている。もしくは膝下まで棺桶に足突っ込んでいる。 そんな気分だ。
 まさかこの歳でそんな経験するとは思ってなかった。
 そうは言っても本当に死ぬような事じゃないから、あくまでも気分上の話だ。
 本当に半死人である訳じゃない。まあ、これから過労死するかも知れんが。
 新聞部の苛烈な活動のために・・・・・・。
 何とも締まらない話だ。学生生活を少しでも楽しくしようと思ったせいで、生命の危険を感じるハメになるとはさ。

「あのー。ここ、新聞部の部室で合ってるよね?」

 新たな闖入者(ちんにゅうしゃ)・・・ではなく。正当な招待客、本校の生徒会長と思しき学生服の少年は露骨に戸惑いながら確認してきた。

「あっ。ええ、そうですよ」

 きっと水島に訊いていたのだろうが、思わず『俺が』答えてしまった。これで、生徒会長氏(男)は俺を新聞部の一員であると思ったことだろう。だが実際は、まだ新聞部とは無関係なのであって。活動内容は・・・・・・不本意ながら知ってしまったが、別に活動に参加した事実がある訳でもない。れっきとした部外者なのだ。
 だから俺はそのまま部室からそろそろとフェードアウトするのが吉だと思った。自業自得とは言え、これ以上面倒に巻き込まれるのは賢くないと。
 生徒会長に空いた席を掌で示してから、彼が部室に入るのと丁度(ちょうど)入れ替わりになるように、俺は部屋を出ようと、生徒会長の横を通って開きっ放しの扉を抜けようとした。
したらば、生徒会長の右手がスッと出て俺の進行方向を遮(さえぎ)った。
 おかげで緊急停止だ。
 「なんの用だ?」と思ったら、生徒会長の左手に紙切れ一枚収まっていて、それはどこかで見たような感じのコピー用紙だ。
 俺が記憶を辿るのも待たず、生徒会長はそのまま部室のドアを閉じてしまった。
 ・・・・・・完全に退路を絶たれた。

 生徒会長は深刻そうに、かつ声量は低めにして話を始めた。

「それで・・・・・・インタビューを受けたら例の画像データ、消してくれるんだよね?」

 「早く家に帰りたい」、切実にそう思った。
 いくら鈍感な奴でも分かる。
 とてもメンドーな事に巻き込まれつつある。現在進行形で。
 何の画像だかは知らないが、彼の表情を見る限り絶対、人に見られたくない類の画像らしい。彼の性別を考えれば自(おの)ずとその内容は察(さっ)せられる。
 世界終末の到来を目前にしているような顔の生徒会長に対する、水島の態度は傲慢(ごうまん)不遜(ふそん)この上(うえ)なしだった。

「そうねー。『私たち』の要求に応えてもらえれば、きっと悪い結末にはならない・・・・・・と思うわよ」

 そこで彼女はニヤリと笑った。見事のまでの悪人面。
 机に両肘ついて、どこまでも気怠げなオーラを発しているが、「目が活(い)き活(い)きし始めた」と感じたのが俺の勘違いだとは思えない。この女、『良い』性格している。

 それと、この女。さらりと俺を共犯者に仕立て上げやがった。『私たち』の部分が事実(じじつ)無根(むこん)なのは言うまでもない。俺は水島(かのじょ)ほど捻(ひね)た性格はしていない。
 だが、俺が自分の精神世界でいくら声だかにそう叫んだとしても意味は無い。
 もう生徒会長の中では、俺は水嶋と同類、新聞部の愉快(笑)な仲間たちになってる。

 彼の死んだ目がこっちを見て来た。死んだのなら一人で死んで居て欲しい。このままでは俺も巻き込んで心中しそうな具合だ。俺に男と心中する趣味は無いぞ。
 本当、勘弁して欲しい。彼女は俺に対して何か大きな恨みでも抱(いだ)いているのだろうか?

 教室中央のテーブルに三人向き合って座っている。
 なにか既視感があると思ったら、中学時代の三者面談があったな。
 あの時でも、これほどまで居心地悪くはなかったはずだが・・・・・・。

「えーと、それでお名前は?」
「あっ、どうも。三年二組の―――」
「へっくしゅん!」

 ああ、名前が聞き取れなかった。
 信じられない程タイミングの悪いクシャミをかましたのは水島である。俺には真似しようと思っても出来ないぐらいの折悪さだ。「わざとやってんじゃないか?」と思わず横目で新聞部部長を見てみたが、わざとではないらしい。バツが悪そうな顔をしている。それがまた意外だった。

「・・・・・・」

 二学年先輩の生徒会長氏は無表情で固まってしまった。
 目が腐り始めた・・・・・・気がする。ついに怒ったか? もしも俺が彼の立場だったらとっくにキレていると思うが。

「ま、まあ名乗る程の者でもないか・・・・・・」

 全然冷静・・・・・・でもなかった。
 耳を赤く染め、肩をプルプルと震わせている。流石、最上級生と言ったところかも知れない。感情を表に出さないタイプなんだろうかな? だてに生徒会長を務(つと)めている訳(わけ)ではなさそうだ。

「・・・・・・だからメモリースティックを返してくれ。・・・・・・頼む! 土下座でも何でもするから!」

 いや、気のせいだったみたいだ。
 あーっと・・・・・・。
 生徒会長が口にするには随分と情けない内容の話が何(なに)か小声(こごえ)で聞こえてきた気もするが、気のせいだろう。そういう事にしておこう。今度から学校集会の度(たび)にこの生徒会長を変に意識してしまうのは嫌だ。特に今みたいな理由では尚更(なおさら)に。
 きっと『耳を赤く染め、肩をプルプルと震わせている』のは、あくまで名乗っている最中で話を遮られた事の恥ずかしさのせいであって、決して水島になんらかのデータを握られた事への恐怖心のせいではないだろうな・・・・・・せめて、そう願わせて欲しい。

「でも名前は教えてもらえないと記事にならないんですけど・・・」

 何故だか、そう指摘したのは俺だった。逃げるつもりが、さっきからまるで新聞部の一員のように生徒会長にインタビューしている・・・・・・なんでだろう?

「ああ、そうだね。市村(いちむら)和樹(かずき)だ。漢字はこう書く」

 親切にも近くにあった紙切れ(俺が読まされた一週間分の新聞部予定表の裏)に自ら氏名を書いてくれた。下を向いて、そさくさとペンを走らす姿を見ていると、なんとも言えぬ哀愁(あいしゅう)を感じてしまう。

「ええっと、それで質問が・・・いくつか」

 前もって用意された質問用紙でもあれば良いのだが、残念ながら俺の手元にあるのは水島から(彼女的には)当たり前のように渡されたA4白紙のコピー用紙が一枚だけ。俺にどうしろと?
 心の内では苛立ちながらも、自分でも不思議だが必死に質問内容を上手く考え付こうとする『俺』が居た。
 まあ、だからと言って名案が浮かぶとも限らない訳で――――――
 あーっと・・・・・・。
 生徒会長が口にするには随分と情けない内容の話が何(なに)か小声(こごえ)で聞こえてきた気もするが、気のせいだろう。そういう事にしておこう。今度から学校集会の度(たび)にこの生徒会長を変に意識してしまうのは嫌だ。特に今みたいな理由では尚更(なおさら)に。
 きっと『耳を赤く染め、肩をプルプルと震わせている』のは、あくまで名乗っている最中で話を遮られた事の恥ずかしさのせいであって、決して水島になんらかのデータを握られた事への恐怖心のせいではないだろうな・・・・・・せめて、そう願わせて欲しい。

「でも名前は教えてもらえないと記事にならないんですけど・・・」

 何故だか、そう指摘したのは俺だった。逃げるつもりが、さっきからまるで新聞部の一員のように生徒会長にインタビューしている・・・・・・なんでだろう?

「ああ、そうだね。市村(いちむら)和樹(かずき)だ。漢字はこう書く」

 親切にも近くにあった紙切れ(俺が読まされた一週間分の新聞部予定表の裏)に自ら氏名を書いてくれた。下を向いて、そさくさとペンを走らす姿を見ていると、なんとも言えぬ哀愁(あいしゅう)を感じてしまう。

「ええっと、それで質問が・・・いくつか」

 前もって用意された質問用紙でもあれば良いのだが、残念ながら俺の手元にあるのは水島から(彼女的には)当たり前のように渡されたA4白紙のコピー用紙が一枚だけ。俺にどうしろと?
心の内では苛立ちながらも、自分でも不思議だが必死に質問内容を上手く考え付こうとする『俺』が居た。
 まあ、だからと言って名案が浮かぶとも限らない訳で――――――



 ◆ ◆ ◆

「はい、ちょっと待て」

 無粋な声が俺の回想を遮(さえぎ)った。

「何だ? 名も知らぬストーカーよ」
「二ノ宮(にのみや)徹(てつ)だ! 一ヶ月近く後ろの席に居るんだから、ちゃんと覚えてろよ!」

 どさくさ紛れに、今更ながらの名乗りがあった。
 一応なので覚えておくとしよう。だが賭けてもいいが、これから先コイツをフルネームで呼ぶことはなさそうだ。『ストーカー』と呼んだ方が短いし、本人と分かりやすい。

「なんだ、その顔は。スゴく失礼なこと考えてるだろう?」

 中々、勘が鋭いね。

「そんなことより一つ確認したいことがある」
「なんだ? 水島に関わることは教えられねえぞ」

 ストーカーに情報を漏らしたら俺が水島(みずしま)の手によって帰らぬ人にされてしまう。

「失敬な。そんな卑怯な真似はしねえよ。俺が聞きたいのは、新聞部の週一機関紙についてだ!」
「ん? それがどうした」
「俺はそんなものを見た覚えがないぞ。生徒会長のインタビュー記事もそうだし。その他、水島さんが企画した数々の記事についてもそうだ。そもそも新聞部がこの高校にあるなんて、今さっき初めて知ったぞ」
「そりゃそうだろう」

 俺だって新聞部の発行物を見たことない。

「ああ? 何言ってんだ? さっきから意味が分からねえ」

 それは「お前の理解力不足だ」と切り返してやりたい所だが、あまりそういう強い台詞を言える立場じゃないのが残念だ。

 なんといっても俺自身、全く気付いていなかったからな。あの生徒会長とのインタビューが終了間際になった時まで――――――

「第一、新聞部なんてこの高校に存在しないからな」

 ――――――なんてこと夢にも思わなかったからな。

「はい?」

 この時、向かい合わせに座っている某『Nノ宮』氏の間の抜けた顔を見て思ったのは、俺も恐らく二週間ほど前に同じ顔をしたのだという事だった。せめて口を閉じろ。みっともない。
追加で捕捉しておくと。本高校において、確かに新聞部という文化部は存在していた・・・・・・そんな時代もあったんだそうだ。詳しくは知らん。

「部員ゼロ状態が三年続いたから、去年正式に廃部になったんだと」

「・・・・・・」

 二ノ宮は未だに思考停止が継続しているようだ。
 何をそんなにショックを受けているんだ。少々、大袈裟するだろう。そのリアクションは。
それに心なしか顔色が徐々に青ざめて来ているような・・・・・・。

「・・・・・・ということは」

 大分(だいぶん)の間を置いて、二ノ宮が口をきいた。

「廃部になった新聞部の部室に、あの水島鈴音さんが居たということだな・・・・・・?」

 掠れるような声で、何を言っているんだ。今更過ぎる問い掛けだな。

「えーと、つまい居るはずのない人が居たという訳だよな・・・・・・?」

 ああ、なるほど。コイツが言いたいことが分かってきた。
 そこから次の一言を出すのに、二ノ宮はかなりの覚悟を要したようだった。

「・・・・・・つまり水島さんは若くして死んだ年上系美少女新聞部員ということか!」

 だから、なんでそうなる。

 これで二人目だぞ。
 二週間前の生徒会長と今の二ノ宮がダブって見えてきた。
 俺にはそんな突拍子のない発想をすぐさま思い付く奴らと知り合ってしまった事の方がよっぽどホラーだ。

 ただ単に、あの偉そうで実に上級生ぶった部長氏が元新聞部の部室を占拠して好き放題しているだけなんだが・・・・。・あれ?

 しかし、そうなると・・・・・・。
 新入生の俺や二ノ宮ならともかく、最高学年の上級生である生徒会長はどうして二ノ宮と同じような勘違いをしたんだ?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

処理中です...