小さな太陽と大きな月

羽衣 狐火

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照りつける魔の手

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現在、太陽が照り付ける中、体育祭本番を迎えている桜雅夢街学園おうがゆめまちがくえんは夢街で唯一の私立学園だ
この学校は創立300年を今年迎えたばかりで、夏海は第300回目の卒業生だった

(暑い…なんなんだろうこの照りつける暑さは…)

中学生最後の体育祭だが、夏海は盛り上がることなく、黙々と道具係の仕事を蒸し暑い体育倉庫の中、1人でやっていた
本当はあと二人いるのだが、その2人は夏海にすべて押し付け、さっさとクラスの応援に行ってしまったのだ

「暑い…」

額から流れ出る汗を腕で拭いながら、取ってくるように言われているハードル走で使うハードルを抱えようとした時

視界が揺れた

「あれ……こんな所で発作が…」

こんな所で倒れてしまっては、次の種目が終わるまでこの倉庫には誰も来ないだろう
そうなると、この蒸し暑さと発作による息苦しさで息が出来なくなり、そしてそのまま死んでしまうかもしれない

倒れまいと、足を踏ん張るが上手く足に力が入らずハードルごと一緒に頭から倒れ込んでしまう

「かはっ……」

何十本というハードルの重さと息苦しさ、オマケに暑さと言う不幸が重なり、とうとう夏海は意識を手放した



涼しい……
消毒液の匂いがする

「……」

うっすらと目を開けると眩しさと共に、白い天井に蛍光灯がひとつある殺風景な状態が脳内に流れてきた

(ここは…保健室かな…)

「あら、おはよう倉橋さん、体調はどう?貴方体育倉庫で倒れてたのを運ばれてきたのよ、ここは病院よ、分かる?」

「美鈴さん……え、ここ病院!?た、体育祭は!?」

目を開けて居ると、小さい頃から入院していたから友達単位で仲良くなった看護師の美鈴さんが居た

「取り敢えず、先生を呼んでくるわね、あ!まだ横になってること」

「うっ……はあい」

美鈴さんは、釘を刺しつつニコリと笑って病室を出ていった


体育祭はどうなったのだろうか、クラスの皆は大丈夫なのだろうか

シン……と耳が痛くなるほどに静かな病室は、夏海の重く不安な気持ちを煽り立てる

「はぁ……」

右側に目線を向けてみれば、見慣れた透明な液体の入った点滴が下がっており、点滴パックの下の方からは半透明の管がなつみの右手に繋がっている
ゆっくりと布団に潜っている手を動かして、顔の前に持ってくるがその手は包帯で巻かれており、それ以上どうなっているのか分からなかった
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