悪役を終えさせて

こうやさい

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 今日も笛の音が木霊する。
 けれど少し遅かったのかもしれない。
 さっきから頭の中が痛くてしょうがない。
 立ち上がり方は忘れてしまったし。
 差し出された手がぶれて見える。
 そして世界が遠ざかる。

 なのに何故か自分の意思でなく身体が動いた。
 辺りを見回し衝撃を受けている。
 悪霊でも入り込んだのかもしれない。
 あるいは気が狂ったのかも。

 神様はまだ悪役を終えさせてくれる気はないらしい。
 願いを叶えてくれるとはすでに信じてはいないけれど、存在まで否定してしまっては他にだれも側に居てくれない。

 それももうどうでもいい。身体は既に私のものではない。
 私はそれでもここで終わる。

 流れた涙は誰のものだったのだろう?

 そうして私は意識を閉じた。
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