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シナリオを変えようと婚約をしてみたけれど
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「いやサーファエスト嬢も恋という感じではないのだが、その殿下が……」
お義兄さまが謎の説明をしてます。まだわたくしが彼女に対して思い詰めないか心配してらっしゃるのでしょうか?
けれど、彼女がよい人なのは知っていますし、そのこと自体は正直どうでもいいですわ。
わたくしほどではないですが、伯爵令嬢はそれでも殿下に嫁げる身分です。わたくしとの婚約が解消されて殿下が強く望んだとなれば充分婚約することは可能でしょう。向こうはわたくし以上に断ることは出来ませんし。
……変えられると思ったシナリオは実は変わらないのでしょうか?
あの約束が果たされるのならヒロインの正妃ルートだけは潰せましたが、それをいうならそもそも殿下以外と結ばれるルートも、特定の相手のいないルートも、一つだけといえどデッドエンドもあるのですから、それくらい誤差といえば誤差です。
もしかしてゲームで両親がルーク様とリーゼロッテの結婚を望んでいるのは、リーゼロッテがルーク様を好きで両親が激甘だからではなく、王太子殿下との婚約を破棄された娘の結婚相手がいなかったり買いたたかれたりするくらいなら、ルートによっては家を継がせてもいいと思うくらいの信頼を寄せているルーク様と結婚させた方がいいと考えたから?
「リーゼ!? 真っ青じゃないか!?」
支えようと伸ばされたお義兄さまの手にしがみつきます。
いけないとはおもうものの本当に足が震えて立っていられないのです。
「ごめんなさい、お義兄さま」
貴方を幸せにするつもりが何も変えられなかった。
もちろんヒロインをいじめる気持ちは今もないのだけれど、シナリオが変えられないならどう思おうとそうなってしまうかもしれない。
せめて子爵家ルートをと思う。
それ以外ならお義兄さまはきっと不幸になってしまう。
ルーク様ルート以外だったとしても両親への義理でリーゼロッテと結婚してしまうかもしれない。
それでは苦悩が終わらない。
意識が遠のく。
どこか遠くで聞こえるお義兄さまの声を愛しく思い。
その身勝手さが悲しくて涙が一つこぼれた。
お義兄さまが謎の説明をしてます。まだわたくしが彼女に対して思い詰めないか心配してらっしゃるのでしょうか?
けれど、彼女がよい人なのは知っていますし、そのこと自体は正直どうでもいいですわ。
わたくしほどではないですが、伯爵令嬢はそれでも殿下に嫁げる身分です。わたくしとの婚約が解消されて殿下が強く望んだとなれば充分婚約することは可能でしょう。向こうはわたくし以上に断ることは出来ませんし。
……変えられると思ったシナリオは実は変わらないのでしょうか?
あの約束が果たされるのならヒロインの正妃ルートだけは潰せましたが、それをいうならそもそも殿下以外と結ばれるルートも、特定の相手のいないルートも、一つだけといえどデッドエンドもあるのですから、それくらい誤差といえば誤差です。
もしかしてゲームで両親がルーク様とリーゼロッテの結婚を望んでいるのは、リーゼロッテがルーク様を好きで両親が激甘だからではなく、王太子殿下との婚約を破棄された娘の結婚相手がいなかったり買いたたかれたりするくらいなら、ルートによっては家を継がせてもいいと思うくらいの信頼を寄せているルーク様と結婚させた方がいいと考えたから?
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いけないとはおもうものの本当に足が震えて立っていられないのです。
「ごめんなさい、お義兄さま」
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意識が遠のく。
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その身勝手さが悲しくて涙が一つこぼれた。
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