2 / 5
-1-
しおりを挟む
うちは元々有力な商家で今も半分そうであり、実質金で爵位を買ったと言われている伯爵家で、何かしらうしろぐらいことをやったに違いないと思われてもしょうがないと長ずるにつれ自分でも考えるような家でした。
けれども一人娘ゆえかめいっぱい庇護されて、幼い頃はうちは悪いことなど何もやってないと信じる以前にか悪意そのものにも触れさせられず、ひたすら純粋に育だてられました。
けれどそれがずっと正しくわたくしのためになることだとは限らなかったのです。
そのこと自体がすでに伝統ある貴族との教育に差異をもたらしていたのです。
もちろん貴族でも余裕があるなら段階は踏ませます。
そうして悪意には慣れさせて。
きちんと責任を教え込みます。
少なくとも王子様と結ばれてめでたしめでたしで終わる話を闇雲に聞かされることはありません。
それは絶対に王子様と結ばれることがないからこそ楽しめる、市井のための物語なのですから。
貴族ならばどんな下位でも王子殿下に近づくことによりもたらされる利害と責任を理解させられます。
もちろん結婚ともなればなおさら。
結婚してもまともにやっていくのなら贅沢に好き勝手出来るわけではなく、妻のため以外の仕事にかまける夫を支え続けなければならないというある意味では不幸な状態に陥ることもあるのです。
言い換えればそれを理解しなければ真の意味で貴族にはなれないのでしょう。
けれどわたくしは貴族というよりも裕福な家の娘として甘やかされて育てられました。
だから婚約者だと引き合わされた第二王子の裏を見ようとすることなく恋が出来ました。
その頃の王家は、正確には国王陛下は個人的なことに使う予算が欲しかったらしく。
国家予算に手をつけなかっただけ理性的と思うべきか、そのために幼い王子を売ったのかと責めるべきかはそれによって受ける恩恵やいろいろなものとの関係によって違ってくるのでしょう。
そしてそんなところにつけ込むことで我が家は成り上がってきたのだと今なら分かります。
こうして殿下は身も蓋もなくいうと流れるのが決定している質草として将来我が家に婿に来ることが決まりました。
いずれは臣籍降下するといっても妾腹のとはいえ王子様であり、見目も同い年にしてはかわいらしいというより麗しく、わたくしはあっさりとのぼせあがりました。
だからこそ殿下もまだ幼いということに思い至らなかったのです。
まだ段階を踏んでいる途中だということに。
その段階に影響を与えてしまったということにも。
けれども一人娘ゆえかめいっぱい庇護されて、幼い頃はうちは悪いことなど何もやってないと信じる以前にか悪意そのものにも触れさせられず、ひたすら純粋に育だてられました。
けれどそれがずっと正しくわたくしのためになることだとは限らなかったのです。
そのこと自体がすでに伝統ある貴族との教育に差異をもたらしていたのです。
もちろん貴族でも余裕があるなら段階は踏ませます。
そうして悪意には慣れさせて。
きちんと責任を教え込みます。
少なくとも王子様と結ばれてめでたしめでたしで終わる話を闇雲に聞かされることはありません。
それは絶対に王子様と結ばれることがないからこそ楽しめる、市井のための物語なのですから。
貴族ならばどんな下位でも王子殿下に近づくことによりもたらされる利害と責任を理解させられます。
もちろん結婚ともなればなおさら。
結婚してもまともにやっていくのなら贅沢に好き勝手出来るわけではなく、妻のため以外の仕事にかまける夫を支え続けなければならないというある意味では不幸な状態に陥ることもあるのです。
言い換えればそれを理解しなければ真の意味で貴族にはなれないのでしょう。
けれどわたくしは貴族というよりも裕福な家の娘として甘やかされて育てられました。
だから婚約者だと引き合わされた第二王子の裏を見ようとすることなく恋が出来ました。
その頃の王家は、正確には国王陛下は個人的なことに使う予算が欲しかったらしく。
国家予算に手をつけなかっただけ理性的と思うべきか、そのために幼い王子を売ったのかと責めるべきかはそれによって受ける恩恵やいろいろなものとの関係によって違ってくるのでしょう。
そしてそんなところにつけ込むことで我が家は成り上がってきたのだと今なら分かります。
こうして殿下は身も蓋もなくいうと流れるのが決定している質草として将来我が家に婿に来ることが決まりました。
いずれは臣籍降下するといっても妾腹のとはいえ王子様であり、見目も同い年にしてはかわいらしいというより麗しく、わたくしはあっさりとのぼせあがりました。
だからこそ殿下もまだ幼いということに思い至らなかったのです。
まだ段階を踏んでいる途中だということに。
その段階に影響を与えてしまったということにも。
13
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢のぼやき
ネコフク
恋愛
「違う、違うんだよなぁ・・・・・・」
目の前にいる相手に聞こえないくらいにつぶやきそっとため息を吐く。
周りから見るとたおやかに紅茶を飲む令嬢とバックに花を散らすように満面の笑みを浮かべる令息の光景が広がっているが、令嬢の心の中は・・・・・・
令嬢が過去に言った言葉が上手く伝わらなかった結果、こうなってしまったというお話。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
【完結済み】婚約破棄したのはあなたでしょう
水垣するめ
恋愛
公爵令嬢のマリア・クレイヤは第一王子のマティス・ジェレミーと婚約していた。
しかしある日マティスは「真実の愛に目覚めた」と一方的にマリアとの婚約を破棄した。
マティスの新しい婚約者は庶民の娘のアンリエットだった。
マティスは最初こそ上機嫌だったが、段々とアンリエットは顔こそ良いが、頭は悪くなんの取り柄もないことに気づいていく。
そしてアンリエットに辟易したマティスはマリアとの婚約を結び直そうとする。
しかしマリアは第二王子のロマン・ジェレミーと新しく婚約を結び直していた。
怒り狂ったマティスはマリアに罵詈雑言を投げかける。
そんなマティスに怒ったロマンは国王からの書状を叩きつける。
そこに書かれていた内容にマティスは顔を青ざめさせ……
俺の婚約者は悪役令嬢を辞めたかもしれない
ちくわ食べます
恋愛
王子である俺の婚約者は、打算的で、冷徹で、計算高い女だった。彼女は俗に言う悪役令嬢だ。言っておくけど、べつに好きで婚約したわけじゃない。伯爵令嬢だった彼女は、いつの間にか俺の婚約者になっていたのだ。
正直言って、俺は彼女が怖い。彼女と婚約破棄できないか策を巡らせているくらいだ。なのに、突然彼女は豹変した。一体、彼女に何があったのか?
俺はこっそり彼女を観察することにした
婚約破棄から~2年後~からのおめでとう
夏千冬
恋愛
第一王子アルバートに婚約破棄をされてから二年経ったある日、自分には前世があったのだと思い出したマルフィルは、己のわがままボディに絶句する。
それも王命により屋敷に軟禁状態。肉塊のニート令嬢だなんて絶対にいかん!
改心を決めたマルフィルは、手始めにダイエットをして今年行われるアルバートの生誕祝賀パーティーに出席することを目標にする。
おにょれ王子め!
こもろう
恋愛
レティジアは公爵令嬢で、王子フリードの婚約者。しかし現在、フリードとの関係はこじれまくっている。
見た目は気が強そうだが実は泣き虫なレティジアは人知れず毎日涙を流し、フリードはなんだかイライラしている。
そんな二人の前に現れるのは……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる