5 / 5
-2- if
しおりを挟む
「一体何に使ったんだ!?」
最低限だけの関わりになったはずの婚約者の名前で、交際費として大量の請求をされた男は令嬢の家に怒鳴り込んだ。
「あら?」
久しぶりに会った令嬢は服装は派手、化粧は濃く、じゃらじゃらと趣味の悪いひかりものを身につけるようになっていた。
確認するまでもなく交際費の使い道は明らかだった。
「お前はお飾りだと言っただろう!?」
最低限はさすがに認めなければ思っていたが、正直婚約者に予算を使うつもりは男にはなかった。
なのにいきなり無駄遣いをするようになったのは男への腹いせだろうか?
「ええ、お飾りですから、横にいて存在を認識されないのでは意味がないでしょう?」
確かに分かる人にしか分からない飾りというのは男の趣味ではない。
だが今回は意味が違う。こんなことになるとは想定していなかった。
愕然とする。
「婚約破棄だっ!!」
だが、婚約者が派手に金を使うようになったというのは婚約を破棄する理由になると男は判断した。
このままでは交際費について親に責められるのも分かっているのだから責任ごと切り捨ててしまえばいい。
令嬢が悪いのなら慰謝料も取れるだろう。
「お好きなように」
浅はかにそう思った男は、既に令嬢が契約不履行の証拠を集めているとは知らなかった。
その結果婚約は破棄されるが令嬢は悪くないとされ慰謝料を払うのは自分だということも。
貴族の婚約は当人同士の問題ではすまないのだから。
「本当は、こんな格好わたくしも好きではないんですけれど」
令嬢がつぶやく。
都合のいい利用しやすい女ではなく金遣いの荒い扱いづらい女をお飾りにしてでも、貫きたい愛ならば応援しようと思っていたが。
「悪趣味ですこと」
それは今の格好を指しているのか、こうして試した行為を指しているのか、少しでもあの男に心を寄せたことに指しているのか、応援しようと思ったことなのか、あの男の方なのか。
何に対してなのかは令嬢自身も分からなかった。
最低限だけの関わりになったはずの婚約者の名前で、交際費として大量の請求をされた男は令嬢の家に怒鳴り込んだ。
「あら?」
久しぶりに会った令嬢は服装は派手、化粧は濃く、じゃらじゃらと趣味の悪いひかりものを身につけるようになっていた。
確認するまでもなく交際費の使い道は明らかだった。
「お前はお飾りだと言っただろう!?」
最低限はさすがに認めなければ思っていたが、正直婚約者に予算を使うつもりは男にはなかった。
なのにいきなり無駄遣いをするようになったのは男への腹いせだろうか?
「ええ、お飾りですから、横にいて存在を認識されないのでは意味がないでしょう?」
確かに分かる人にしか分からない飾りというのは男の趣味ではない。
だが今回は意味が違う。こんなことになるとは想定していなかった。
愕然とする。
「婚約破棄だっ!!」
だが、婚約者が派手に金を使うようになったというのは婚約を破棄する理由になると男は判断した。
このままでは交際費について親に責められるのも分かっているのだから責任ごと切り捨ててしまえばいい。
令嬢が悪いのなら慰謝料も取れるだろう。
「お好きなように」
浅はかにそう思った男は、既に令嬢が契約不履行の証拠を集めているとは知らなかった。
その結果婚約は破棄されるが令嬢は悪くないとされ慰謝料を払うのは自分だということも。
貴族の婚約は当人同士の問題ではすまないのだから。
「本当は、こんな格好わたくしも好きではないんですけれど」
令嬢がつぶやく。
都合のいい利用しやすい女ではなく金遣いの荒い扱いづらい女をお飾りにしてでも、貫きたい愛ならば応援しようと思っていたが。
「悪趣味ですこと」
それは今の格好を指しているのか、こうして試した行為を指しているのか、少しでもあの男に心を寄せたことに指しているのか、応援しようと思ったことなのか、あの男の方なのか。
何に対してなのかは令嬢自身も分からなかった。
39
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。
いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。
「僕には想い合う相手いる!」
初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。
小説家になろうさまにも登録しています。
伯爵令嬢のぼやき
ネコフク
恋愛
「違う、違うんだよなぁ・・・・・・」
目の前にいる相手に聞こえないくらいにつぶやきそっとため息を吐く。
周りから見るとたおやかに紅茶を飲む令嬢とバックに花を散らすように満面の笑みを浮かべる令息の光景が広がっているが、令嬢の心の中は・・・・・・
令嬢が過去に言った言葉が上手く伝わらなかった結果、こうなってしまったというお話。
お互いの幸せのためには距離を置くべきだと言った旦那様に、再会してから溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
男爵家の令嬢であるアムリアは、若くして妻を亡くした伯爵令息ヴィクトールの元に嫁ぐことになった。
しかしヴィクトールは彼女との間に距離を作っており、二人は冷めた夫婦生活を送っていた。
その原因は、ヴィクトールの前妻にあった。亡くなった前妻は嫁いだことを好ましく思っておらず、彼に厳しく当たっていた。そしてそのまま亡くなったことにより、ヴィクトールに深い傷を残していたのである。
そんな事情を知ったことで、アムリアは彼に寄り添おうとしていた。
それはヴィクトールも理解していたが、今の彼には彼女を受け入れるだけの心構えができなていなかった。それ所か、しばらく距離を開けることを提案してきたのである。
ヴィクトールの気持ちも考慮して、アムリアはその提案を受け入れることにした。
彼女は実家に戻り、しばらくの間彼と離れて暮らしたのである。
それからしばらくして、アムリアはヴィクトールと再会した。
すると彼の態度は、以前とは異なっていた。彼は前妻との間にあったしがらみを乗り越えて、元来持っていた愛をアムリアに対して全力で注ぐように、なっていたのである。
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
【完結】前世の恋人達〜貴方は私を選ばない〜
乙
恋愛
前世の記憶を持つマリア
愛し合い生涯を共にしたロバート
生まれ変わってもお互いを愛すと誓った二人
それなのに貴方が選んだのは彼女だった...
▶︎2話完結◀︎
嫌われたと思って離れたのに
ラム猫
恋愛
私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。
距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。
戦場から帰らぬ夫は、隣国の姫君に恋文を送っていました
Mag_Mel
恋愛
しばらく床に臥せていたエルマが久方ぶりに参加した祝宴で、隣国の姫君ルーシアは戦地にいるはずの夫ジェイミーの名を口にした。
「彼から恋文をもらっていますの」。
二年もの間、自分には便りひとつ届かなかったのに?
真実を確かめるため、エルマは姫君の茶会へと足を運ぶ。
そこで待っていたのは「身を引いて欲しい」と別れを迫る、ルーシアの取り巻きたちだった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる