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分かっているつもりなので気づけない
結局未来は分からないよね
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「何すねてるんだ?」
「別に」
……ここで素直に嫉妬してますと言えるならあそこで逃げるって選択はしなかったよね、たぶん。
よりにもよってというかヒロインちゃんとクラス同じなのよね、この人。
というか、本来嫉妬して納得されるような距離感でもないのだ。
攻略対象かも疑惑を持ってるせいで偏見が入ってるってのもある。
それでもクラスメイトとしての距離感に収まってるのは知ってる。
ただ他の男子にはそこまで親しくしてないことも知ってる。
だからやっぱり彼狙いかと思うし、婚約者という立場が抑止力としては弱いことも考える。
「なぁ」
両腕を掴まれ、正面を向かされる。
「俺に言えない事か?」
それでも顔も視線もいくらでも逸らせるはずなのに、縫い止められたように動けなくなる。
しばらくただただ見つめ合う。
「言えないじゃなくて」
思わず笑みがこぼれる。
「言う必要がないの」
あたしはただこの人を信じればいいだけだった。
シナリオ補正の可能性はまだあるけれど、それだけならあたしの方が有利だ。
それでも駄目だというならこっちが至らなかったというだけだろう。
そう思えるのは今この瞬間だけかもしれないけれど。
結局嫉妬することをやめることは出来ないんだろうけど。
「大好き」
「知ってる」
あっさりと流された。
考えたら昔からお菓子分けてくれたときとかにも言ってたしなぁ。
……確かに言葉だけだと通じないかもしれない。
片方の手が離され、もう片方が繋ぎ直される。
「行くぞ」
けれど斜め後ろから見える耳はしっかり赤かった。
「別に」
……ここで素直に嫉妬してますと言えるならあそこで逃げるって選択はしなかったよね、たぶん。
よりにもよってというかヒロインちゃんとクラス同じなのよね、この人。
というか、本来嫉妬して納得されるような距離感でもないのだ。
攻略対象かも疑惑を持ってるせいで偏見が入ってるってのもある。
それでもクラスメイトとしての距離感に収まってるのは知ってる。
ただ他の男子にはそこまで親しくしてないことも知ってる。
だからやっぱり彼狙いかと思うし、婚約者という立場が抑止力としては弱いことも考える。
「なぁ」
両腕を掴まれ、正面を向かされる。
「俺に言えない事か?」
それでも顔も視線もいくらでも逸らせるはずなのに、縫い止められたように動けなくなる。
しばらくただただ見つめ合う。
「言えないじゃなくて」
思わず笑みがこぼれる。
「言う必要がないの」
あたしはただこの人を信じればいいだけだった。
シナリオ補正の可能性はまだあるけれど、それだけならあたしの方が有利だ。
それでも駄目だというならこっちが至らなかったというだけだろう。
そう思えるのは今この瞬間だけかもしれないけれど。
結局嫉妬することをやめることは出来ないんだろうけど。
「大好き」
「知ってる」
あっさりと流された。
考えたら昔からお菓子分けてくれたときとかにも言ってたしなぁ。
……確かに言葉だけだと通じないかもしれない。
片方の手が離され、もう片方が繋ぎ直される。
「行くぞ」
けれど斜め後ろから見える耳はしっかり赤かった。
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