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異聞
やっぱり悪役……? 前編
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一体これはどういう状況なのでしょう?
私に妊娠の兆候がありました。診察してもらったところまだ確定は出来ないそうですが恐らくそうだと。
なので旦那様には知らせるよう頼みました。変わったことがあったら教えてと言われていたのでお義母さまにも。
ただこの国では皇太子妃の妊娠がそこまで重要事項ではなく、確定でもなかったので皇帝陛下と皇妃殿下には知らせませんでしたわ。
……なのに何故全員集まっているのでしょう?
いえ、経緯は一応お聞きしましたよ? お義母さまに知らせたときたまたま妃殿下と私的なお茶の最中でお二人とも時間があったそうで。そして、皇帝陛下は旦那様と仕事の最中だったとか。
……旦那様にまで無視されたらちょっと悲しいと思いますけど、仕事中でしたんですよね? どうして陛下まで中断してこちらにいらしているんでしょう。重要じゃないんですわよね?
「陛下、浮かれすぎです」
……しかも妃殿下が注意なさるほど浮かれてるそうです。
「だが、孫だぞ?」
皇族としてどうかは置いておいてもそんな初孫じゃあるまいし。
「初孫だぞ」
……いえですから違いますよね? さっさと王子さまの国に留学して父親を泣してらしたの旦那様の姪姫様でしたわよね? 姪ってことは陛下には孫ですわよね? 他にも甥も姪もいましたわよね?
「まったく」
妃殿下が呆れたように言う。
「連れ子の子といえど孫は孫でしょう?」
……そろそろついて行けないんですけど。
「旦那様?」
すがってしまう。
「……ああうん、今まで説明してなくて悪かった」
いえ、急ぐことを優先していただいたのは私ですから。
「親父には帝妃殿下も側妃殿下も妾……お袋も居る訳なんだけど」
そこまでは分かります、こっちに来るまでは詳しく知りませんでしたけど、結構な人数がいるらしいくらいで。
「直系の子供は俺一人だ」
「はい?」
えーっと帝妃殿下は確かにお子様いらっしゃらないですけど、側妃殿下にはほとんどお子様がいらして……。
「残り全員連れ子ですの? 継承権とかどうなってらしたんです?」
旦那様私に会わなかったら投げるつもりだと言ってらっしゃっいませんでした!? その場合継承者って何人になりますの?
「いや、側妃殿下自体が親父の親戚だったりするから血筋的には問題ない」
……どうしてそんなややこしい事態になったのか聞きたいですけど、さすがに非礼ですわよね。
「だからな。最初好きな人と結婚してたんだけど……まぁ、いろいろな事情で別れて」
……考えてることばれましたわね。
「一応皇族関係者だから再婚話とかもそれなりに来たんだけど、それがうっとうしいからとりあえず相手が親父だったら文句が言えないだろって事で側妃に」
そんな理由!?
……えーっとそれ、妾認めているとはいえ帝妃殿下的にいいのでしょうか? 違う意味で。
「わたくしも認めました」
帝妃殿下公認でしたか……。
「彼女たちは結婚相手を愛しておりそれ以外の相手など考えられなかったです。けれど立場上利用されそうになったり、一部犯罪者や聖職者を除き結婚出来る年齢の女はそうしていて当然と思われるのも事実」
「結婚に関しては民間はそこまででもないんだけとね」
とお義母さまが補足されます。……途中まで父親なしで旦那様を育てられましたものね。
「なのでわたくしも含めて形だけ陛下と婚姻を」
……わたくしも含めて?
「あの、帝妃殿下に過去そういう関係の方が?」
思わず尋ねてしまいましたわ。
「いえ、形だけの部分です。わたくしは本当は皇帝になりたかったのです。けれど女性ではなれないので婚姻を結んだ上で陛下を裏から操っていずれは女性にも継承権を認めるよう働きかけることにしました」
……もっと怖いことを聞いてしまった気が……。
「いますぐというわけではありません。将来同じような事を考える方が居たときのためです」
それはよかったです?
私に妊娠の兆候がありました。診察してもらったところまだ確定は出来ないそうですが恐らくそうだと。
なので旦那様には知らせるよう頼みました。変わったことがあったら教えてと言われていたのでお義母さまにも。
ただこの国では皇太子妃の妊娠がそこまで重要事項ではなく、確定でもなかったので皇帝陛下と皇妃殿下には知らせませんでしたわ。
……なのに何故全員集まっているのでしょう?
いえ、経緯は一応お聞きしましたよ? お義母さまに知らせたときたまたま妃殿下と私的なお茶の最中でお二人とも時間があったそうで。そして、皇帝陛下は旦那様と仕事の最中だったとか。
……旦那様にまで無視されたらちょっと悲しいと思いますけど、仕事中でしたんですよね? どうして陛下まで中断してこちらにいらしているんでしょう。重要じゃないんですわよね?
「陛下、浮かれすぎです」
……しかも妃殿下が注意なさるほど浮かれてるそうです。
「だが、孫だぞ?」
皇族としてどうかは置いておいてもそんな初孫じゃあるまいし。
「初孫だぞ」
……いえですから違いますよね? さっさと王子さまの国に留学して父親を泣してらしたの旦那様の姪姫様でしたわよね? 姪ってことは陛下には孫ですわよね? 他にも甥も姪もいましたわよね?
「まったく」
妃殿下が呆れたように言う。
「連れ子の子といえど孫は孫でしょう?」
……そろそろついて行けないんですけど。
「旦那様?」
すがってしまう。
「……ああうん、今まで説明してなくて悪かった」
いえ、急ぐことを優先していただいたのは私ですから。
「親父には帝妃殿下も側妃殿下も妾……お袋も居る訳なんだけど」
そこまでは分かります、こっちに来るまでは詳しく知りませんでしたけど、結構な人数がいるらしいくらいで。
「直系の子供は俺一人だ」
「はい?」
えーっと帝妃殿下は確かにお子様いらっしゃらないですけど、側妃殿下にはほとんどお子様がいらして……。
「残り全員連れ子ですの? 継承権とかどうなってらしたんです?」
旦那様私に会わなかったら投げるつもりだと言ってらっしゃっいませんでした!? その場合継承者って何人になりますの?
「いや、側妃殿下自体が親父の親戚だったりするから血筋的には問題ない」
……どうしてそんなややこしい事態になったのか聞きたいですけど、さすがに非礼ですわよね。
「だからな。最初好きな人と結婚してたんだけど……まぁ、いろいろな事情で別れて」
……考えてることばれましたわね。
「一応皇族関係者だから再婚話とかもそれなりに来たんだけど、それがうっとうしいからとりあえず相手が親父だったら文句が言えないだろって事で側妃に」
そんな理由!?
……えーっとそれ、妾認めているとはいえ帝妃殿下的にいいのでしょうか? 違う意味で。
「わたくしも認めました」
帝妃殿下公認でしたか……。
「彼女たちは結婚相手を愛しておりそれ以外の相手など考えられなかったです。けれど立場上利用されそうになったり、一部犯罪者や聖職者を除き結婚出来る年齢の女はそうしていて当然と思われるのも事実」
「結婚に関しては民間はそこまででもないんだけとね」
とお義母さまが補足されます。……途中まで父親なしで旦那様を育てられましたものね。
「なのでわたくしも含めて形だけ陛下と婚姻を」
……わたくしも含めて?
「あの、帝妃殿下に過去そういう関係の方が?」
思わず尋ねてしまいましたわ。
「いえ、形だけの部分です。わたくしは本当は皇帝になりたかったのです。けれど女性ではなれないので婚姻を結んだ上で陛下を裏から操っていずれは女性にも継承権を認めるよう働きかけることにしました」
……もっと怖いことを聞いてしまった気が……。
「いますぐというわけではありません。将来同じような事を考える方が居たときのためです」
それはよかったです?
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