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プロローグ
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今僕たち四人は砂漠を歩いている
もうどれだけ歩いただろうか、いっこうに町は見えてこない
「お師匠さん!ここらで一休みしましょうよ、ねぇお師匠さん!」
また猪八戒さんが駄々をこねている
「少し静かにしろ」
沙悟浄さんがイライラし出した。嫌な予感がしてならない
「なぁ、沙悟浄お前水持ってねぇのか?」
「水ならお師匠様が持っているので最後だ」
「喉乾いた!なぁなぁ喉乾いた!!」
「俺だって乾いている!」
「皿が?」
「・・・」
ヤバい、沙悟浄さんにカッパの類いは禁句だ
「なぁ悟空、なんでカッパって頭に皿のっけてるんだ?」
「さぁ、僕もわかりません・・・」
最悪だ
「なぁなんでカッパって頭に皿のせてるの?ハゲてるのか?なぁハゲてるのか?」
「お前俺をからかっているのか!」
「からかってません、この皿ガッパさん!」
「このブタ黙って聞いていれば」
「誰がブタだって!?」
悪い予感があたってしまった
こうなってしまっては僕には手がつけられない
「よぉし、どっちが水を飲むか決めようじゃないか」
「そうこなくちゃ!」
距離をとり武器を構えるふたり
そのふたりから距離をとる僕
自分の心臓の音が大きく聞こえた
次の瞬間、一気に間合いをつめるふたり
「やめろ‼」
“お師匠様!”
「お師匠さん」
「お師匠様」
「まったく、てめぇらときたら」
呆れた顔のお師匠様は自分の持っている瓢箪の栓を抜くと、足元に咲いた一輪の花に一滴残らず水をかけた
『あぁーーーー‼』
僕たち3人は声を揃えて叫んだ
「お師匠さんなんてことするんです!」
「最後の水だったんですよ!」
流石にこれは僕も沙悟浄さんと猪八戒さんに同意だ
するとお師匠様は深くため息をつき、こう言った
「いいかお前ら、俺たちの旅はただ天竺につけばいいってものじゃねぇ、菩薩様の言いつけ通り辛く厳しい道のりを一歩一歩、歩くことによって初めて御経を受けとる資格を得るんだ。水なんかで争うより花の美しさで心を癒せ」
『・・・』
沙悟浄さんと猪八戒さんは静かに目をあわせまた歩き始めた
“お師匠様、なんてカッコいいんだ”
[これはいじめられっ子だった少年が西遊記の世界で三蔵法師たちと天竺を目指し成長していく物語である]
もうどれだけ歩いただろうか、いっこうに町は見えてこない
「お師匠さん!ここらで一休みしましょうよ、ねぇお師匠さん!」
また猪八戒さんが駄々をこねている
「少し静かにしろ」
沙悟浄さんがイライラし出した。嫌な予感がしてならない
「なぁ、沙悟浄お前水持ってねぇのか?」
「水ならお師匠様が持っているので最後だ」
「喉乾いた!なぁなぁ喉乾いた!!」
「俺だって乾いている!」
「皿が?」
「・・・」
ヤバい、沙悟浄さんにカッパの類いは禁句だ
「なぁ悟空、なんでカッパって頭に皿のっけてるんだ?」
「さぁ、僕もわかりません・・・」
最悪だ
「なぁなんでカッパって頭に皿のせてるの?ハゲてるのか?なぁハゲてるのか?」
「お前俺をからかっているのか!」
「からかってません、この皿ガッパさん!」
「このブタ黙って聞いていれば」
「誰がブタだって!?」
悪い予感があたってしまった
こうなってしまっては僕には手がつけられない
「よぉし、どっちが水を飲むか決めようじゃないか」
「そうこなくちゃ!」
距離をとり武器を構えるふたり
そのふたりから距離をとる僕
自分の心臓の音が大きく聞こえた
次の瞬間、一気に間合いをつめるふたり
「やめろ‼」
“お師匠様!”
「お師匠さん」
「お師匠様」
「まったく、てめぇらときたら」
呆れた顔のお師匠様は自分の持っている瓢箪の栓を抜くと、足元に咲いた一輪の花に一滴残らず水をかけた
『あぁーーーー‼』
僕たち3人は声を揃えて叫んだ
「お師匠さんなんてことするんです!」
「最後の水だったんですよ!」
流石にこれは僕も沙悟浄さんと猪八戒さんに同意だ
するとお師匠様は深くため息をつき、こう言った
「いいかお前ら、俺たちの旅はただ天竺につけばいいってものじゃねぇ、菩薩様の言いつけ通り辛く厳しい道のりを一歩一歩、歩くことによって初めて御経を受けとる資格を得るんだ。水なんかで争うより花の美しさで心を癒せ」
『・・・』
沙悟浄さんと猪八戒さんは静かに目をあわせまた歩き始めた
“お師匠様、なんてカッコいいんだ”
[これはいじめられっ子だった少年が西遊記の世界で三蔵法師たちと天竺を目指し成長していく物語である]
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