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第1話『好きな世界と嫌いなこの世界』
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「かえしてよ!ねぇかえしてってば!」
僕の名前は西野勇輝
「それっ!」
真人君が僕の筆箱を投げる
「よいしょっと!」
圭太君が僕の筆箱をキャッチする。
「いけっ!」
圭太君が投げた僕の筆箱はそれはそれは美しい放物線を描いて教室のすみ、ゴミ箱に吸い込まれた。
『おぉーー‼』
歓声に包まれる教室、僕はこいつらが嫌いだ。嫌いだけど嫌だとは言えない、逆らったらどんな仕打ちをされるかわからないからだ。
「キンコーンカンコーン♪」
五時間目の授業が始まった。この授業が終わればやっと家に帰ることができる。
帰りの会が終わり僕はすぐに教室を出た。しかし、慌てたり急いだりしてはいけない目立ってはいけないからだ。あくまで静かに地味にだ。
外は雨だった。今日は雨が降るかもしれないから濡れないようにと傘を持たせてくれたお母さんに感謝しなくては。
「邪魔だょ、どけっ!」
真人君が僕を水溜まりに突き飛ばす。
“ごめんなさいお母さん、服・・・濡らしちゃった”
家につき濡れたポケットから鍵を取りだし家に入る。
パンツまでびしょびしょだった
着替えを済ませ濡れた床を拭いた。
家での僕はというと、食事やお風呂の時間以外はほぼ読書をしている。本は好きだ。本の中にはワクワクする冒険がつまっている。いつか僕もこんな大冒険をしてみたい。そう思う反面、心のどこかではそれが無理だと知っている、だから僕はきっとこの先もずっと本が好きだ。
さて、今日はどんな冒険が待っているかな
《大海賊ドレイクの秘宝》
海賊ドレイクは長い冒険の末、多くの宝と仲間を手にいれました
しかし、そんなドレイクが不治の病にかかってしまったのです
自分の死期を悟ったドレイクは信頼を置ける9人の部下に1つのお願いをしました
「俺が死んだらこの宝箱を埋めてくれ、生まれ変わったら必ず取りに行く」
そういってこの世を去ったドレイク
9人の部下は他の乗員を町に残して船を出した。ドレイクの秘宝を誰にも見つからないどこかに埋めるためだ。
道中、荒波が9人に襲いかかる。船は壊れ、命からがら船の破片にしがみつく9人
やっとのことでたどり着いたのは見知らぬ大陸
そこに9人はドレイクの秘宝を埋めた
仲間を残し出航した日からどれだけたっただろうか、食料はとうの昔に尽きていた
体力ももう限界だった
9人もまた自分の命に終わりが来ていることに気がついていたのだ
「ドレイク船長、もしあなたが本当に生まれ変わることができたのなら、道に迷わないように私たちはあなたを導く虹になりましょう」
そうして9人は息を引き取った
以来、9色の虹のふもとには宝が眠るという
僕の名前は西野勇輝
「それっ!」
真人君が僕の筆箱を投げる
「よいしょっと!」
圭太君が僕の筆箱をキャッチする。
「いけっ!」
圭太君が投げた僕の筆箱はそれはそれは美しい放物線を描いて教室のすみ、ゴミ箱に吸い込まれた。
『おぉーー‼』
歓声に包まれる教室、僕はこいつらが嫌いだ。嫌いだけど嫌だとは言えない、逆らったらどんな仕打ちをされるかわからないからだ。
「キンコーンカンコーン♪」
五時間目の授業が始まった。この授業が終わればやっと家に帰ることができる。
帰りの会が終わり僕はすぐに教室を出た。しかし、慌てたり急いだりしてはいけない目立ってはいけないからだ。あくまで静かに地味にだ。
外は雨だった。今日は雨が降るかもしれないから濡れないようにと傘を持たせてくれたお母さんに感謝しなくては。
「邪魔だょ、どけっ!」
真人君が僕を水溜まりに突き飛ばす。
“ごめんなさいお母さん、服・・・濡らしちゃった”
家につき濡れたポケットから鍵を取りだし家に入る。
パンツまでびしょびしょだった
着替えを済ませ濡れた床を拭いた。
家での僕はというと、食事やお風呂の時間以外はほぼ読書をしている。本は好きだ。本の中にはワクワクする冒険がつまっている。いつか僕もこんな大冒険をしてみたい。そう思う反面、心のどこかではそれが無理だと知っている、だから僕はきっとこの先もずっと本が好きだ。
さて、今日はどんな冒険が待っているかな
《大海賊ドレイクの秘宝》
海賊ドレイクは長い冒険の末、多くの宝と仲間を手にいれました
しかし、そんなドレイクが不治の病にかかってしまったのです
自分の死期を悟ったドレイクは信頼を置ける9人の部下に1つのお願いをしました
「俺が死んだらこの宝箱を埋めてくれ、生まれ変わったら必ず取りに行く」
そういってこの世を去ったドレイク
9人の部下は他の乗員を町に残して船を出した。ドレイクの秘宝を誰にも見つからないどこかに埋めるためだ。
道中、荒波が9人に襲いかかる。船は壊れ、命からがら船の破片にしがみつく9人
やっとのことでたどり着いたのは見知らぬ大陸
そこに9人はドレイクの秘宝を埋めた
仲間を残し出航した日からどれだけたっただろうか、食料はとうの昔に尽きていた
体力ももう限界だった
9人もまた自分の命に終わりが来ていることに気がついていたのだ
「ドレイク船長、もしあなたが本当に生まれ変わることができたのなら、道に迷わないように私たちはあなたを導く虹になりましょう」
そうして9人は息を引き取った
以来、9色の虹のふもとには宝が眠るという
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