絶対零度殿下からの隠れ溺愛は秘蜜の味。

待鳥園子

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16 方法★①

「どうした。ルシアはあれほどまでに必死になって、自分の持参金を欲していたというのに。この俺と結婚すれば、持参金など要らぬ。なんなら、君の望むもの、すべて手に入れようではないか」

 これまで氷のように見えたカミーユの瞳は、まるで青い炎のような熱い視線をルシア向けていた。

 あまりに強い欲求が可視化されて周囲にあり目に映るようで、経験の無いルシアなど、それだけで焼き尽くされてしまいそうだ。

(別人みたい……あんなに、視線も態度も冷たかったのに)

 上半身裸になったカミーユは、胸を手で隠したままのルシアの腰を持ち上げ、真正面に抱きかかえた。

 所在なさげに俯いたルシアに、言いたいことがあるならば言ってみろと言わんばかりに口端を上げて微笑んだ。

「……カミーユ……落ち着いてください。あの、私……」

 先ほどカミーユと恋人になることは確かに頷いたが、数分後にはまさかこんな姿で見つめ合うことになるなんて、ルシアは思ってもみなかった。

(あまりに早過ぎる。私の気持ちは、置いていかれてしまったままなのに)

「ルシアが処女であることは、俺も知っている……隠さず見せて」

 ルシアはカミーユが自分の右手を外し、小さな果実のように赤く色付いた胸の先をじっと見て、濡れた舌で見せつけるようにして舐めた。

「……あっ……待って」

 ルシアにしてみれば、前世を合わせても味わったことのない、ひどく強烈で未知の感覚だ。

 それなのに、決して嫌ではなかった。カミーユは姿形も完璧で、王族位にあるが、ルシアが彼を好ましく思って居なければ嫌悪を感じたはずだ。

 だが、それはなかった。

(私……カミーユが、好きなんだ)

 思えば兜を被った彼がカミーユかもしれないと思っていた時に、既に意識していたのかもしれない。彼への恋を自覚したものの、今は既に濡れ場の真っ最中だった。

 カミーユが形の良い唇を開き、ルシアの胸先に齧りつき、吸っては離してを繰り返した。てらてらと艶のある自分の胸がひどくいやらしいものに思えて、恥じらったルシアが身体を引きそうになると、カミーユが軽く引き寄せ腰を元の位置に戻した。

 その時、扉を叩く音がして、ルシアはこの時が終わると思いほっと安堵した。

(良かった。あまりに、展開が早すぎるもの……助かったわ)

「……誰だ」

 不快そうにカミーユが言えば、扉一枚隔ててくぐもった低い声が答えた。

『……ヒューバートです。殿下』

 あの時、ルシアを助けてくれた騎士、ヒューバート・シャンペルだ。

 今回も彼が助けてくれたのかと思ったルシアは、下げられていた胸元の布を直そうとしたが、カミーユは彼女の手首を持ち不敵に微笑むとそれを許さなかった。

(……え?)

「入れ。ヒューバート」

 信じられないことにカミーユは、このままの状態で自身の護衛騎士ヒューバートに入室するように告げた。

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