竜喚び聖女は捨てられた竜騎士を救いたい!

待鳥園子

文字の大きさ
23 / 69

023 洞窟①

しおりを挟む
「……地図でユンカナン王国にある、鍾乳洞の洞窟を確認しました。十個あるうち、竜が入れそうは広さを持つものは、三つ……そして、迷えそうなくらい長いものというと、ここになると思います」

 大きな地図の中にあるユンカナン王国南の山奥にある、エクスキー洞窟を指差した。ここならば巨体を持つ竜でも入れてしまうし、なんなら迷えそうなくらい長い。

「ほう。ノルドリアから、かなり距離のある場所だ……だから、これまでに何処に居るかも、竜喚び聖女たちにもわからなかったんだな……」

 そこに顎に手を置いて話し出したのは、ジェイドさんが所属する王城に居を構えるミレハント竜騎士団団長である、ヘルムート・ガルドナーさん。

 何故ジェイドさんの部屋に呼んだかというと、竜を探しに行くにも何日か竜騎士団を留守にすることになるし、彼の許可なしには私たち二人は動けない。

 だから、居場所がわかった今、ガルドナー団長には急用があると伝え来て貰ったのだ。

 このガルドナー団長。茶色の短髪に黒い目を持つ男性で、とても優秀な竜騎士として知られている。

 垂れ目で悪そうでありつつ整っているという不思議なバランスのお顔を持って居るけれど、それは外見上のことであって、仕事振りは意外と真面目で堅実にこなすらしい。

 いかにも女を騙していそうだけど、だいたいは騙されているらしい。これも、先輩聖女情報。つまり、見た目通りの危険な男ではないらしい。

「そうです。ですが、今回私とロンバルディさんの接触面を増やすことによって、これまでにわからなかった部分を増やすことが出来ました」

「二人の接触面を増やすぅ~? 二人でどんなことをやったんだ。ジェイド」

「それは、守秘義務で言えません……」

 俄然、色めきだった様子のガルドナー団長に、ジェイドさんは冷たく返した。

 ジェイドさん、下ネタ嫌いだもんね……これは、絶対に誰にも言わないわ。疑ってもなかったけれど、安心した。

「居る場所は絞れたんですが、移動手段に困っています。長距離になりますし……その際にジェイドさんが乗れる竜も、今は居ません」

 私は悲しげな表情を浮かべて、背の高いガルドナー団長を見つめた。

 流石、若くして団長になるくらいに優秀な彼は、自分が何故呼ばれてここで何を望まれているかを、すぐに察したらしい。

「そうか。ならば、俺の竜に乗って行けば良い。ジェイドの言うことを聞くように、お願いしておくから」

「それは……」

「ありがとうございます! さっすが、ガルドナー団長。太っ腹~!」

 迷惑を掛けられないと言うはずだったらしいジェイドさんは、私が先に喜びの声をあげたので、何も言えなくなっていた。

 言いたいことはわかります。けれど、私たちには移動手段がないんです! こちらのガルドナー団長に借りるのが一番早いんです!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

恐怖侯爵の後妻になったら、「君を愛することはない」と言われまして。

長岡更紗
恋愛
落ちぶれ子爵令嬢の私、レディアが後妻として嫁いだのは──まさかの恐怖侯爵様! しかも初夜にいきなり「君を愛することはない」なんて言われちゃいましたが? だけど、あれ? 娘のシャロットは、なんだかすごく懐いてくれるんですけど! 義理の娘と仲良くなった私、侯爵様のこともちょっと気になりはじめて…… もしかして、愛されるチャンスあるかも? なんて思ってたのに。 「前妻は雲隠れした」って噂と、「死んだのよ」って娘の言葉。 しかも使用人たちは全員、口をつぐんでばかり。 ねえ、どうして?  前妻さんに何があったの? そして、地下から聞こえてくる叫び声は、一体!? 恐怖侯爵の『本当の顔』を知った時。 私の心は、思ってもみなかった方向へ動き出す。 *他サイトにも公開しています

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

異世界に落ちて、溺愛されました。

恋愛
満月の月明かりの中、自宅への帰り道に、穴に落ちた私。 落ちた先は異世界。そこで、私を番と話す人に溺愛されました。

【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!

雨宮羽那
恋愛
 いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。 ◇◇◇◇  私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。  元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!  気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?  元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!  だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。 ◇◇◇◇ ※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。 ※表紙はAIにより作成したものです。 ※小説内容にはAI不使用です。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」「カクヨム」様にも掲載しております。

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

「偽聖女」と追放された令嬢は、冷酷な獣人王に溺愛されました~私を捨てた祖国が魔物で滅亡寸前?今更言われても、もう遅い

腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢フィーア・エメラインは、地味で効果が現れるのに時間がかかる「大地の浄化」の力を持っていたため、派手な治癒魔法を使う異母妹リシアンの嫉妬により、「偽聖女」として断罪され、魔物汚染が深刻な獣人族の国へ追放される。 絶望的な状況の中、フィーアは「冷酷な牙」と恐れられる最強の獣人王ガゼルと出会い、「国の安寧のために力を提供する」という愛のない契約結婚を結ぶ。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

処理中です...