21 / 43
21 横入りの人②
しおりを挟む
「あの、これから話したいことがあって……」
「……俺も聞く」
「どうして?」
行高は当然のように言ったけど、それはあまり聞かれたくない内容なのかもしれないのに。
「なんでって……一応、付き合ってるし……」
「行高、ちょっと待って、それは……」
言い合ってる私たちを交互に見て、鷹羽くんは混乱したのか声を掛けた。
「あの、二人。ちょっと、待って」
「なんだよ」
行高はじろっと挑戦的に鷹羽くんを見た。鷹羽くんは私を見て悲壮な声で言った。
「今……有馬は虎井と付き合ってるってこと?」
「そうだよ」
「それは、違う……もうややこしいから、行高は黙っててくれる?」
私のムッとした声に気が付いたのか、行高は渋々黙った。
そこを通り過ぎるサッカー部の子達の集団が帰っていく。
冷やかしの目線と「ゆっきー、まけるなー」とか「うわ、鷹羽と張り合ってるよ、よくやる」とか聞こえたけど、もう全部見なかったことにするし、全部無視。
「そのことも含めて! 鷹羽くんにちょっと話がある。行高は居ても良いけど、黙ってて」
二人は私の勢いに気圧されるように、何度か頷いた。
「とりあえず何処か移動する? 帰り道に確かカフェとかあったと思うから。二人共、時間平気?」
鷹羽くんはスマホで時間を確認しながら言った。それもそうだよね。これから続々ああいう集団が、部活棟から出て来るってことだもの。
「うん。大丈夫。この後、何もないし」
「俺も、大丈夫」
「お腹すいてると思うし、いっぱい食べられるところが良いよね?」
私は脳内で通学路の地図をシュミレートしていた。運動部帰りの二人が満足するような、量が出てくるお店あったのかな……。
「澪、今日歩いて来た時、見たんだけど」
と、行高が一本外れた道にある有名ファストフード店を提案して、とりあえず三人でそこへと移動することにした。
「お腹すいた」
何故か当たり前のように私の隣に座った行高は思ったままの言葉をそのまま出してるんだろうなって風情で、トレイに載った何個かのハンバーガーの一つにかぶりついた。
「いただきます」
目の前の席の鷹羽くんは礼儀正しく挨拶をすると、綺麗な所作で食べ始める。全くがっついている様子はないのにするすると無くなってしまう事が不思議だ。
私は二人の食べっぷりを見て居るだけで、なんだかお腹いっぱいになってきてしまった。ハンバーガーを半分食べてコーヒーを飲みつつ、二人が食べ終わるのを待つ。
「澪、食べないの? 俺貰って良い?」
私の残したハンバーガーを指さしつつ、行高は言った。部活終わりの男子二人の食べている姿を見ただけで、自分も食べた気になってしまい、すっかり食欲の失せてしまった私は、何気なく言った。
「欲しいなら、食べて良いよ」
「えっ」
鷹羽くんががたっと音をさせて立ち上がりかける。必死な目で私に問いかける。
「ちょっ……ちょっと待って。本当に二人、付き合ってる……の?」
「……俺も聞く」
「どうして?」
行高は当然のように言ったけど、それはあまり聞かれたくない内容なのかもしれないのに。
「なんでって……一応、付き合ってるし……」
「行高、ちょっと待って、それは……」
言い合ってる私たちを交互に見て、鷹羽くんは混乱したのか声を掛けた。
「あの、二人。ちょっと、待って」
「なんだよ」
行高はじろっと挑戦的に鷹羽くんを見た。鷹羽くんは私を見て悲壮な声で言った。
「今……有馬は虎井と付き合ってるってこと?」
「そうだよ」
「それは、違う……もうややこしいから、行高は黙っててくれる?」
私のムッとした声に気が付いたのか、行高は渋々黙った。
そこを通り過ぎるサッカー部の子達の集団が帰っていく。
冷やかしの目線と「ゆっきー、まけるなー」とか「うわ、鷹羽と張り合ってるよ、よくやる」とか聞こえたけど、もう全部見なかったことにするし、全部無視。
「そのことも含めて! 鷹羽くんにちょっと話がある。行高は居ても良いけど、黙ってて」
二人は私の勢いに気圧されるように、何度か頷いた。
「とりあえず何処か移動する? 帰り道に確かカフェとかあったと思うから。二人共、時間平気?」
鷹羽くんはスマホで時間を確認しながら言った。それもそうだよね。これから続々ああいう集団が、部活棟から出て来るってことだもの。
「うん。大丈夫。この後、何もないし」
「俺も、大丈夫」
「お腹すいてると思うし、いっぱい食べられるところが良いよね?」
私は脳内で通学路の地図をシュミレートしていた。運動部帰りの二人が満足するような、量が出てくるお店あったのかな……。
「澪、今日歩いて来た時、見たんだけど」
と、行高が一本外れた道にある有名ファストフード店を提案して、とりあえず三人でそこへと移動することにした。
「お腹すいた」
何故か当たり前のように私の隣に座った行高は思ったままの言葉をそのまま出してるんだろうなって風情で、トレイに載った何個かのハンバーガーの一つにかぶりついた。
「いただきます」
目の前の席の鷹羽くんは礼儀正しく挨拶をすると、綺麗な所作で食べ始める。全くがっついている様子はないのにするすると無くなってしまう事が不思議だ。
私は二人の食べっぷりを見て居るだけで、なんだかお腹いっぱいになってきてしまった。ハンバーガーを半分食べてコーヒーを飲みつつ、二人が食べ終わるのを待つ。
「澪、食べないの? 俺貰って良い?」
私の残したハンバーガーを指さしつつ、行高は言った。部活終わりの男子二人の食べている姿を見ただけで、自分も食べた気になってしまい、すっかり食欲の失せてしまった私は、何気なく言った。
「欲しいなら、食べて良いよ」
「えっ」
鷹羽くんががたっと音をさせて立ち上がりかける。必死な目で私に問いかける。
「ちょっ……ちょっと待って。本当に二人、付き合ってる……の?」
20
あなたにおすすめの小説
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
クールな幼なじみが本気になったら
中小路かほ
児童書・童話
わたしには、同い年の幼なじみがいる。
イケメンで、背が高くて、
運動神経抜群で、頭もよくて、
おまけにモデルの仕事もしている。
地味なわたしとは正反対の
かっこいい幼なじみだ。
幼い頃からずっといっしょだったけど、
そんな完璧すぎる彼が
いつしか遠い存在のように思えて…。
周りからはモテモテだし、ファンのコも多いし。
……それに、
どうやら好きなコもいるみたい。
だから、
わたしはそばにいないほうがいいのかな。
そう思って、距離を置こうとしたら――。
「俺がいっしょにいたい相手は、
しずくだけに決まってんだろ」
「しずくが、だれかのものになるかもって思ったら…。
頭ぐちゃぐちゃで、どうにかなりそうだった」
それが逆に、
彼の独占欲に火をつけてしまい…!?
「幼なじみの前に、俺だって1人の男なんだけど」
「かわいすぎるしずくが悪い。
イヤって言っても、やめないよ?」
「ダーメ。昨日はお預けくらったから、
今日はむちゃくちゃに愛したい」
クールな彼が
突然、わたしに甘く迫ってきたっ…!
鈍感おっとり、控えめな女の子
花岡 しずく
(Shizuku Hanaoka)
×
モテモテな、完璧すぎる幼なじみ
遠野 律希
(Ritsuki Tōno)
クールな幼なじみが本気になったら――。
\ とびきり甘く溺愛されました…♡/
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!
mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの?
ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。
力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる!
ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。
読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。
誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。
流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。
現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇
此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。
こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※noichigoさんに転載。
※ブザービートからはじまる恋
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる