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23 彼の事情②
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「告白してからすぐに、有馬と一緒に帰ろうとしていた時、夕凪さんが僕に声を掛けて来た。そこまでは有馬も知っていると思うんだけど……」
「うん」
「実はあの時、僕は彼女から一枚の写真を見せられた」
「写真?」
「バスケ部の後輩の一年生二人が、煙草を吸っているだろう写真だった」
「……え?」
私は絶句した。二十歳以下の煙草と飲酒は違法行為。もし、そんなことが公になってしまったら、大変なことになる。
その二人は退学かもしくは停学、そして所属しているバスケ部もただでは済まないだろう。
「写真は……正直言うと、良くわからなかった。言われればそう見えるし、僕には知識がなくてわかりづらいけど合成なのかもしれない。微妙なラインにある写真だ。けど、夕凪さんは僕にそれをばら撒かれたくなかったら、自分の言う事を聞くように言って来た。あの二人が違うと言ったとしても、ばらまかれた時点で色んな人に疑われてしまう。僕のせいでそんな目に遭わせる訳にはいかないと思った」
「なんだよ! それ!」
後輩を大事に思う彼の気持ちを盾に取った卑劣な行為だ。酷い。我慢出来なくなったのか、行高は立ち上がって言った。
私だって同じ気持ちだ。完全に後輩を想う気持ちを利用されて脅されている。
夕凪さんはそんな酷い行為でで鷹羽くんに言う事を聞かせて、それで満足なのだろうか?
「……バスケ部の先輩たちは可愛がっているし、部の仲間は今回の県大会はすごく力を入れているんだ……せめて大会が終わるまではと、脅された瞬間に思ってしまった。疑惑だけだとしても、それを晴らすまでに時間がかかってしまう。それと、あの二人にも確かめたかったのもある。合成されただけだったり、他人の空似という可能性もあるからね」
「その後輩二人は……なんて?」
当の本人たちが違うと言ってしまえばそれまでなのかもしれない。けれど、一度そういう写真がばらまかれてしまえば、一度でも疑われたという過去と、そういう写真があるというデジタルタトゥーになってしまう。
鷹羽くんは大きく息をついて、首を振った。
「まだ、何も話せていない。話も話だから、スマホのメッセージに残ってしまうのもためらわれて。後、知っての通り、休み時間なんかは夕凪さんに監視されている。だから、今日の部活終わり捕まえるつもりだったんだけど……」
「あ、私が待っていたから……」
私が話したいと待っていたから、その当事者の二人と話せなかったのかもしれない。
「……違う! それは嬉しかった……んだけど、まあ、そういう訳でまだ確認も出来ていない状態なんだ」
否定する意見で首を横に振り、最後に照れるようにして話を終わらせると、鷹羽くんはため息をついた。
「僕もあの後輩たちが本当にそれをしたのなら、罰は受けるべきだとは思う。ほんの出来心だとしても、やったことは事実だ。けど、今年が最後になる先輩たちの今までの頑張りや、これまで積み重ねてきたことを僕の勝手で無にしてしまって良いのかっていう葛藤もあったんだ」
鷹羽くんの机の上の手が、ぎゅっと強く握られる。
それは、そうだろう。三年生は次の大会で引退だし、その後は受験漬けの日々が始まる。鷹羽くんの葛藤はもっともなことだと思えた。
「……そんなこと関係あるのかよ」
「うん」
「実はあの時、僕は彼女から一枚の写真を見せられた」
「写真?」
「バスケ部の後輩の一年生二人が、煙草を吸っているだろう写真だった」
「……え?」
私は絶句した。二十歳以下の煙草と飲酒は違法行為。もし、そんなことが公になってしまったら、大変なことになる。
その二人は退学かもしくは停学、そして所属しているバスケ部もただでは済まないだろう。
「写真は……正直言うと、良くわからなかった。言われればそう見えるし、僕には知識がなくてわかりづらいけど合成なのかもしれない。微妙なラインにある写真だ。けど、夕凪さんは僕にそれをばら撒かれたくなかったら、自分の言う事を聞くように言って来た。あの二人が違うと言ったとしても、ばらまかれた時点で色んな人に疑われてしまう。僕のせいでそんな目に遭わせる訳にはいかないと思った」
「なんだよ! それ!」
後輩を大事に思う彼の気持ちを盾に取った卑劣な行為だ。酷い。我慢出来なくなったのか、行高は立ち上がって言った。
私だって同じ気持ちだ。完全に後輩を想う気持ちを利用されて脅されている。
夕凪さんはそんな酷い行為でで鷹羽くんに言う事を聞かせて、それで満足なのだろうか?
「……バスケ部の先輩たちは可愛がっているし、部の仲間は今回の県大会はすごく力を入れているんだ……せめて大会が終わるまではと、脅された瞬間に思ってしまった。疑惑だけだとしても、それを晴らすまでに時間がかかってしまう。それと、あの二人にも確かめたかったのもある。合成されただけだったり、他人の空似という可能性もあるからね」
「その後輩二人は……なんて?」
当の本人たちが違うと言ってしまえばそれまでなのかもしれない。けれど、一度そういう写真がばらまかれてしまえば、一度でも疑われたという過去と、そういう写真があるというデジタルタトゥーになってしまう。
鷹羽くんは大きく息をついて、首を振った。
「まだ、何も話せていない。話も話だから、スマホのメッセージに残ってしまうのもためらわれて。後、知っての通り、休み時間なんかは夕凪さんに監視されている。だから、今日の部活終わり捕まえるつもりだったんだけど……」
「あ、私が待っていたから……」
私が話したいと待っていたから、その当事者の二人と話せなかったのかもしれない。
「……違う! それは嬉しかった……んだけど、まあ、そういう訳でまだ確認も出来ていない状態なんだ」
否定する意見で首を横に振り、最後に照れるようにして話を終わらせると、鷹羽くんはため息をついた。
「僕もあの後輩たちが本当にそれをしたのなら、罰は受けるべきだとは思う。ほんの出来心だとしても、やったことは事実だ。けど、今年が最後になる先輩たちの今までの頑張りや、これまで積み重ねてきたことを僕の勝手で無にしてしまって良いのかっていう葛藤もあったんだ」
鷹羽くんの机の上の手が、ぎゅっと強く握られる。
それは、そうだろう。三年生は次の大会で引退だし、その後は受験漬けの日々が始まる。鷹羽くんの葛藤はもっともなことだと思えた。
「……そんなこと関係あるのかよ」
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