花は風と共に散る【美醜逆転】

本編

応報

「あの双子が？…そんなことを」
私は頷いた。今日はノアさんと2人で朝から遠出していて、馬車の中だから彼はフードも外している。

「2人が貴族なのは分かっているんですけど、私と結婚するとしたら家も出ないといけない、みたいで。よくわからないんですけど、貴族と平民と結婚するのってそんなに難しいんでしょうか？」
ノアさんは琥珀色の目を物憂げに揺らした。
「フィースとイアンは嫡男ではないからな…そんなに難しいことだとは思わないが。それに今もう家業以外で身を立てているし家を出ても収入の当てはある。どっちにしても問題はないと思うが…」

「…なんだかおかしい気がするんです。騎士団に入った理由もいくら聞いても誤魔化すばかりで」
「そうか…彼らの実家はバーンスタイン家か…俺もすこし調べてみよう」
「ありがとうございます」
にこっと笑うとノアさんも微笑んでくれた。

「さあ、とにかく考えてもしょうがないことは事が起こってから対処しよう」
「はい」
「俺にも聞いてくれないのか？」
とろける蜂蜜色の目を悪戯っぽく輝かせた。
「？　ええと、なんのことですか？」
「俺とは結婚したくないのか？寂しいな」
「あ！そんなことないです。…えっと、すごくしたいです。誰から聞きました？」
「ミッキー」
ミッキー君、もう。自慢したのかなと思うと可愛いけど。

「俺はすぐにしても良いよ、ある程度なら貯金もあるし家もすぐに建てられるだろう。その辺は他の奴らとも相談しなければならないが…」
「ありがとうございます」
「礼を言うのはこちらの方だな、こんなに可愛い嫁さんをもらえるなんて夢みたいだ」
「…嬉しいです」

ノアさんは私を抱き寄せながら言った。
「…そんな顔されるとしたくなるな」
「えっ、ノアさん、馬車の中ですよ？」
私は慌てて言った。人目も気になるし、こんなところでは抵抗がある。

「大丈夫だよ。おいで」
私を膝の上に乗せると窓にカーテンをかけた。
「声だけ我慢してくれ」
スボンの前をくつろげると、私のスカートの中の秘所に合わせて下着をずらして入り込んできた。
「は、キツいな。痛いか？」
「えっと、…大丈夫です」
入り口をほぐす様に何度か動かすとぬるりと入り込んでくる。

「あっ…ああ…」
今まで気にもしなかった小さな馬車の動きまで快感で拾ってしまう。
「こっちには蓋が要るな」
と言って唇に噛み付いた。ちゅうっと吸い上げられて、下からも揺さぶられてしまう。

「君の声は聞かせたくない。我慢して」
ノアさんの琥珀の目は欲望で潤んでいた。