転生するのが嫌で浮遊霊になりました

綻び

サイン

少年はライトノベルの棚をひたすら眺めている。
「何か探してんのか？」

「ちょっと…気になる事があるんです。この本がある棚、一緒に探して貰えますか？」

「？？おぉ、分かった」

桜澤あかりのライトノベル…

桜澤、作者のさの列だな。

「えーっと、あ！あったぞ！

　？？？ん？？？」

この本が本来あるべき場所に不自然に逆さになった桜澤あかりの別の作品が押し込まれている。

このラノベの4巻なんか見た気がする。

俺！！思い出せ！！

！！！

星野みよの部屋の本棚にこの4巻だけが無かった、これあいつの私物なんじゃ…

「おいっ、この桜澤あかりの逆さになった4   巻！中に何かないか確認してくれ」

「はい！分かりました！」

少年がその本を開くと、真ん中辺りにルーズリーフの切れ端が挟まっていた。

「？？何か書いてる？？えっと…」

タスケテ。

殴り書きのような字で書いてあった。

？！

ダイニングメッセージにしては手掛かりが無さ過ぎる…

他に居場所が分かる手掛かりはないのか？

もしかして、あの星野みよの部屋のあの本棚の本か？？

手掛かりとして考えられそうな事はそれしかない…一か八か

それには自宅に入り、星野みよの部屋に入ってあの本を調べる必要がある。

幽霊の俺にはそれが出来ない、この少年も星野みよとは赤の他人だ、難しいだろう。

「助けてって…おじさんの探してるお姉ちゃんが書いたのかな？
おじさん…？どうしたの？何か知ってるの？」

星野みよの家に手掛かりになるかわからねぇけど、気になる物があったんだ。
だけど自宅の部屋の中だし、俺は物に触れないから…困ったな」

「それを見るために部屋に入ればいいんだよね？…何とかなるかもしれないし、ダメ元で取り敢えず家に行こう！」

かつて俺が住んでいた街に少年とやって来た。

少年と星野みよの自宅マンションに向かう。

マンションのロビーまでやって来たが、このマンションはオートロックだ、どうやって星野みよの自宅に入るか….

「あれ？お前、、あの時の？どうしたんだ？」

少年に話しかけて来た人物とは