悪役令嬢攫われる!

只野ぱんだ

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愛しいサンドラ その3

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最初にその『おとめげぇむ』で『ヒロイン』が『悪役令嬢』と出会う事が『げぇむ』の確実に通るイベントらしいので、偽物のララの元へ向かうサンドラをメイドのララの手により気絶させて(手刀で人を気絶させるって本当にできるのだと感心してしまった)フラスコ内の小さな箱庭に閉じ込めたのだ。

ただ箱庭から出てしまうとフラスコから飛び出してしまうので、申し訳ないが足枷と鎖で繋ぐ必要があった...メイドのララに散々それは怖がらせると言われたが。

フラスコ内は僕の許可があれば誰でも出入りできるようにし、メイドのララに何かあったら即駆けつける様に指示したのだ...

ただメイドのララと偽物のララの顔が酷似している為にベールで顔を隠させた。

本当なら僕がやってあげたい気持ちで一杯なのだが、周囲に怪しまれない様にしなくてはならないのと、偽物のララという脅威を取り除く必要があると思ったからだ。

人を使って偽物のララを調べると、どうも悪魔召喚の儀式を行った可能性が出て来た。

さっさと憲兵などに通報すべきとも思ったが、あえて泳がせフェルナンド殿下を骨抜きにさせ、悪魔と交わったとし廃嫡させてからでもと思い暫く泳がせた...想像通りフェルナンド殿下は偽物のララにくびったけ...しかも他の高位貴族の子息達もララに夢中になっている...

馬鹿ばかりだな...と冷たい目で向けるがどうやら偽物のララは僕にまで色目を使ってきたのだ!

本物のあの人間離れしたメイドのララを知っているせいもあり気持ち悪っ!と思う。

しかし奴に引導をそろそろ渡す必要があるかと気があるふりをする。

そんな時...サンドラが箱庭だけで生活するのには精神的に参ってしまうからなんとかしろ!とメイドのララに言われる。

そうかと思い引き出しから僕の宝物...サンドラがくれた花輪のブローチを取り出しフラスコへ入れると建物の周囲に広い庭が出来上がる。

「これで少しは気晴らしができるといいが...」

サンドラ...もうすぐ君は自由になれるよ...

でもいっそこの箱庭で僕の手だけで生活させたいという仄暗い欲望も沸き起こる...

だってこのフラスコ内に居るならサンドラは僕だけのモノになるのだから...
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