悪役令嬢攫われる!

只野ぱんだ

文字の大きさ
16 / 16

みんなの希望が叶ったのよ

しおりを挟む
どうやらララの転生前の名前は『愛羅』でその悪役女子プロレスラー『デンジャラス・スープレックス★愛羅』として活躍していたそうなんですの...

で流行りの『悪役令嬢』の要素を取り入れようと『おとめげぇむ』とやらを遊んだ所『悪役令嬢』ことわたくしアレクサンドラは全然悪役でもなんでも無いのに酷い目に合うのが許せなかったそうなんですの。

そんな世界に転生してしまって、そんな下らない事よりこの世界で女子プロレスの興行をするなら自身を鍛える事と共に興行を行う為お金を稼ぐ必要があったのね。

で『おとめげぇむ』でジュリオお兄様が若くして投資で稼いでてお金持ちだったのを知っていて、お兄様が用心棒を探している事を知っていたからスカウトしてもらおうと乗り込んだそうですの。

ちなみにララ曰く『旦那様には恋愛感情なんて絶対湧かない陰険根暗タイプだし、そっちもそう思わないだろうから』らしいんですのね...お兄様優しいと思うのに不思議ね?

因みにわたくしが攫われた件はぜーんぶ偽物のララのせいって事になって、ジュリオお兄様はその件を解決した事もあって国王陛下から宰相の息子の地位とは別に爵位を与えられたの!すごいわ!お兄様!

そして偽物のララ事件は王子他有力貴族の子息達がほぼ廃嫡になってしまい、年齢的に相応しい婚約相手が居なくなったわたくしに国王陛下から直々に謝られる事になりましたの...「あの馬鹿碌な事しないでごめんね?」ですって!

で、もしわたくしが良ければ...と前置きがあってジュリアーノ様...つまりジュリオお兄様を婚約者へと薦められたの!

わたくしは二つ返事で了承したわ!

───

「おーほっほっ!私こと悪の華!デンジャラス・スープレックス★アイラに敵うと思って!」

とピンク色の覆面を被った悪役姿なデンジャラス・スープレックス★アイラがリングの上で大男相手に男顔負けのプロレス技『ジャーマン・スープレックス』を決めた後に高笑いをしてるわ!

『アイラ!アイラ!』

『今日もスープレックスキマってたぜ!』

『流石悪の華!アイラ!』

とその姿を観衆はアイラを全力で讃えている!

そんな中リングへ乱入してくる1人の青年!

「今日こそアイラ!お前を倒す!」

と金髪の結構体格の良い半裸の青年はアイラに指差して叫ぶ!

「おおっ!今日も『勇者』のお出ましだ!」

とレフェリーが解説を入れると速攻でアイラはその『勇者』とやらに『ラリアット』をかけて倒したと思ったら、両足を抱え込み『ジャイアントスウィング』をかけてるわ!

「いつ見てもパワフルね...ララったら」

そう...ララは長年の夢だったプロレス興行をはじめたのよ、今では大人気の見せ物になってるわ!

ララは覆面悪役レスラー『デンジャラス・スープレックス★アイラ』となって腕っ節の強い大男を次々と薙ぎ倒すのだけど、むしろそれが観客にとって爽快らしくて人気が高いのよね...あ!さっきの『勇者』リングの外に投げ落とされたわ。

「あ!アレクサンドラ様だ!」

ララはいい笑顔で此方に手を振ったから、こちらも笑顔で手を振り返す。

あれからララとは仲のいいお友達になって、王都に興行にくる時はこうやって観戦してるのよ。

ララが此方に気を向けている時後ろから投げ落とされた『勇者』がリングに戻ってララに飛びかかって来たわ!大変!

でもすかさずかわしたと思ったら即回り込んで『ジャーマン・スープレックス』を『勇者』にかけたわ!流石ね!

アイラ!アイラ!と歓声もあちこちから響き渡るわ。

「サンドラ!」

後ろから声が...ジュリオお兄様だわ!

「きっとララが王都に居るって聞いてたから、やっぱりここに居たか...」

ジュリオお兄様は今、学園を卒業後、義父の宰相のお仕事を手伝っているのよ。

でわたくしは学園を卒業後直ぐに結婚する事が決まっているの、もちろんジュリオお兄様...今はジュリアーノ様ね。

「ふふ...だってララとはお友達ですもの!」

「アレクサンドラ様ぁ!あ!元旦那様も!」

ララがマスクを外してガウンを羽織ってやって来たわ。

「あいも変わらずだなぁ...」

とジュリオお兄様ははぁ、とララを見てため息をつく。

「そんな事言ってまたアレクサンドラ様を監禁しようとしたら私がぶち倒しますよ!」

「もうその必要は無いが...」

「いいえ...こんな嫉妬深い陰険監禁野郎...おっと元旦那様は、きっとアレクサンドラ様に色目を使う奴が現れたらやりかねないですもん!」

とララはわたくしに抱きついてきたわ!

「良いですか、元旦那様に何かされたら私が助けに来ますんで!アレクサンドラ様!」

「うふふ、大丈夫だと思うけど、その時はよろしくね」

─おわり─
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

モブ令嬢アレハンドリナの謀略

青杜六九
恋愛
転生モブ令嬢アレハンドリナは、王子セレドニオの婚約者ビビアナと、彼女をひそかに思う侯爵令息ルカのじれじれな恋を観察するのが日課だった。いつまで経っても決定打にかける二人に業を煮やし、セレドニオが男色家だと噂を流すべく、幼馴染の美少年イルデフォンソをけしかけたのだが……。 令嬢らしからぬ主人公が、乙女ゲームの傍観者を気取っていたところ、なぜか巻き込まれていくお話です。主人公の独白が主です。「悪役令嬢ビビアナの恋」と同じキャラクターが出てきますが、読んでいなくても全く問題はありません。あらすじはアレですが、BL要素はありません。 アレハンドリナ編のヤンデレの病み具合は弱めです。 イルデフォンソ編は腹黒です。病んでます。 2018.3.26 一旦完結しました。 2019.8.15 その後の話を執筆中ですが、別タイトルとするため、こちらは完結処理しました。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

【完結】悪役令嬢はおねぇ執事の溺愛に気付かない

As-me.com
恋愛
完結しました。 自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生したと気付いたセリィナは悪役令嬢の悲惨なエンディングを思い出し、絶望して人間不信に陥った。 そんな中で、家族すらも信じられなくなっていたセリィナが唯一信じられるのは専属執事のライルだけだった。 ゲームには存在しないはずのライルは“おねぇ”だけど優しくて強くて……いつしかセリィナの特別な人になるのだった。 そしてセリィナは、いつしかライルに振り向いて欲しいと想いを募らせるようになるのだが……。 周りから見れば一目瞭然でも、セリィナだけが気付かないのである。 ※こちらは「悪役令嬢とおねぇ執事」のリメイク版になります。基本の話はほとんど同じですが、所々変える予定です。 こちらが完結したら前の作品は消すかもしれませんのでご注意下さい。 ゆっくり亀更新です。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

悪意には悪意で

12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。 私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。 ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。

彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~

プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。 ※完結済。

処理中です...