1 / 44
転校生
6月末に転校生なんて
しおりを挟む
6月のおわり、ジリジリと暑くなりかけの時期の事だった。
青葉東高校の2年C組の教室内で、HR前でザワザワと騒がしい。
「転校生?」
「そ!しえちゃん、転校生が今日来るんだって!噂だとすっごいイケメン!アイドルみたいな男子らしいよ!」
小学校からの友人の噂好きな津川 ひなた(ツガワ ヒナタ)はそう嬉しそうに話す、うーんまぁひなたはイケメン好きだしね。
ちなみに私は市橋 史絵(イチハシ シエ)、色気より食い気、3次元より2次元の方が好きな女子で、まぁ見た目は眼鏡でミディアムボブのその辺にふつーにいるもっさり女子高生である。
ひなたは明るい茶色の髪がふわふわで、シュシュで軽く止めて、黄色のカーディガンを羽織った姿のかわいい子。
オシャレ好きなんだけど、ちょっとオシャレの癖が強いのだよ、だからかスクールカースト上位女子ではなく私と一緒の事が多い。
しかしもう一か月もすれば夏休みにもなるのに、なんて中途半端な時期に転校とは大変だと思う...まだ見ぬ転校生に同情とも言える気持ちが湧いた。
「それにしても変な時期に転校生だよね、しかも急に...」
「まぁそれは親の都合とかいろいろあるのかもね」
そんな会話は担任の教師が教室に入るとピタリと止まり、担任の伊藤に席に着く様に促され、生徒たちは席に戻る。
「急な話だが、今日から新しい仲間が入る事になる、仲良くしてやってくれ!」
そう伊藤は言って、転校生を壇上へと促す。
目を引くのはその出立ち、この辺りだと見ない黒い学ラン姿、背は高くもしかしたら180近いんじゃないだろうか。
そしてグレージュの髪はやや短めにし、眉はキリッと整っており、瞳は明るい茶色でやや切長、鼻筋もすっと通って唇は薄め。
何というかハーフっぽい顔立ちの少年である...にこやかな笑顔を浮かべていた。
転校生は黒板に自分の名前を書く、文字はすごく綺麗だ。
「近衛 慶秋(コノエ ケイシュウ)です、よろしくお願いします」
思った名前と違って思いっきり日本人名だった...きっとマークとかジェイムズとかそんな名前だと思ったのに、ちぇ。
確かにイケメンだ...ひなたきっと今頃心の中でテンション上がってるかもなぁと思う。
「じゃあ、後ろの窓際の席が近衛の席だ」
そう言われて転校生、近衛 慶秋はその席まで向かう...その際に一瞬目が合う...近衛 慶秋はニコりと笑顔を見せるが、その時に何かざわりと背中に走る。
一体何だろう...この嫌な感覚は...
青葉東高校の2年C組の教室内で、HR前でザワザワと騒がしい。
「転校生?」
「そ!しえちゃん、転校生が今日来るんだって!噂だとすっごいイケメン!アイドルみたいな男子らしいよ!」
小学校からの友人の噂好きな津川 ひなた(ツガワ ヒナタ)はそう嬉しそうに話す、うーんまぁひなたはイケメン好きだしね。
ちなみに私は市橋 史絵(イチハシ シエ)、色気より食い気、3次元より2次元の方が好きな女子で、まぁ見た目は眼鏡でミディアムボブのその辺にふつーにいるもっさり女子高生である。
ひなたは明るい茶色の髪がふわふわで、シュシュで軽く止めて、黄色のカーディガンを羽織った姿のかわいい子。
オシャレ好きなんだけど、ちょっとオシャレの癖が強いのだよ、だからかスクールカースト上位女子ではなく私と一緒の事が多い。
しかしもう一か月もすれば夏休みにもなるのに、なんて中途半端な時期に転校とは大変だと思う...まだ見ぬ転校生に同情とも言える気持ちが湧いた。
「それにしても変な時期に転校生だよね、しかも急に...」
「まぁそれは親の都合とかいろいろあるのかもね」
そんな会話は担任の教師が教室に入るとピタリと止まり、担任の伊藤に席に着く様に促され、生徒たちは席に戻る。
「急な話だが、今日から新しい仲間が入る事になる、仲良くしてやってくれ!」
そう伊藤は言って、転校生を壇上へと促す。
目を引くのはその出立ち、この辺りだと見ない黒い学ラン姿、背は高くもしかしたら180近いんじゃないだろうか。
そしてグレージュの髪はやや短めにし、眉はキリッと整っており、瞳は明るい茶色でやや切長、鼻筋もすっと通って唇は薄め。
何というかハーフっぽい顔立ちの少年である...にこやかな笑顔を浮かべていた。
転校生は黒板に自分の名前を書く、文字はすごく綺麗だ。
「近衛 慶秋(コノエ ケイシュウ)です、よろしくお願いします」
思った名前と違って思いっきり日本人名だった...きっとマークとかジェイムズとかそんな名前だと思ったのに、ちぇ。
確かにイケメンだ...ひなたきっと今頃心の中でテンション上がってるかもなぁと思う。
「じゃあ、後ろの窓際の席が近衛の席だ」
そう言われて転校生、近衛 慶秋はその席まで向かう...その際に一瞬目が合う...近衛 慶秋はニコりと笑顔を見せるが、その時に何かざわりと背中に走る。
一体何だろう...この嫌な感覚は...
0
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる