お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー！

転校生

クラスの人気者

数日もしないうちに近衛 慶秋はあっという間にクラスの人気者になってしまった。

まずあの見た目、そしていつもニコニコと笑顔で優しく親切でスポーツもできるし頭がいい。

女子等にとても人気で、よく話しかけられている姿を見るが、どうにもあの目があった時の嫌な感覚が忘れられず、あまり関わらない様にしようと思っていたのだ。

「近衛君カッコいいよね」

ほぅ...とひなたが近衛 慶秋を遠巻きに見てため息を吐く。

「まぁひなたが好きな顔だよね」

「しえちゃんは好きじゃないの」

「ん...私はこっちの方がいいからねぇ」

と家の鍵に付けた人気アニメのラバストを見せる。

今流行りの吸血鬼狩りを題材にしたアニメの準主役のクールキャラの方だ。

名前は塔夜さん...ちなみに保存用と観賞用で同じものを3つ持っている、とてもカッコ良いのである。

「しえちゃん好きだねぇ」

「私にゃ観賞用ですら2次元の方がときめくのだよ...ひなたよ...」

「しえちゃんったらもう、華の女子高生が枯れているわよ」

そんなたわいも無い会話をするのだ、まぁ向こうだってスクールカースト的に下にいる私なんか眼中には無いだろうしな！

と思って一瞬目をやった時に偶然だろうか、また目が合う...そしてにこりと笑顔を見せるが、途端背中にざわりしたものが走った。

偶然？まぁ気のせいだろう...それにしても何でこんなにも目が合うとザワザワするのだろうか...