お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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人身事故

人身事故なのか?

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色々考えて朝5時から弁当を作るついでに、ホットケーキミックスを使った簡単なカップケーキを片手間で作る...一応近衛に礼をと思ってだ。

「弁当はまぁ簡単でいいか...」

と卵焼きを焼いた後にアスパラをベーコンで巻いて焼いた物と昨日作ったきんぴらごぼうを詰めておく。

母の分と2人分、一応10時から16時までのパートなのでね。

「しえちゃん今日は早いのねぇ、あら?ケーキ焼いてるの?甘い匂い?」

「カップケーキ焼いたんだよ、昨日コケた時助けてくれた子にね」

「ふうん」

「お母さんのも焼いたからお昼のおやつに食べると良いよ」

「わぁ嬉しい!」

まぁメガネ壊したし、お母さんにゃ苦労をかけさせてるからね。

「でもしえちゃん、今日お母さん仕事お休みなのよね」

「え!そうだったっけ?」

うっかりうっかり、母のお弁当も詰めちまったよ!まぁいいか、お昼は食べるんだしな!

そんな感じでカップケーキを母とひなた...そして近衛の分を焼いてラッピングし弁当と共に鞄につめる。

これでまぁ近衛 慶秋との交流は終わりにせねば。

───

学校へ行くと急遽全校朝礼があると言う事で騒がしい...

クラスがざわついているなぁ...と思い席に着くとひなたが大急ぎでやってきた!

「大変!昨日の電車の人身事故跳ねられたの高島だって!」

「ええ!」

昨日人を階段から落としたあの高島が?

周囲に耳をやるとそんな話で確かに一杯だ。

「なんか昨日の人身事故さぁ...」

「ああ...きっとそれが...」

「スマホ片手にぼーっと歩いて落ちたんだって」

と声が聞こえるし、仲良くしてた女の子たちがシクシクと泣いてもいる。

「じゃあ全校朝礼もその件か...自殺なのかなぁ」

「そんなタイプじゃないじゃん...きっと歩きスマホでもしてたってネットニュースでもやっていたし」

そうかとスマホでニュースを検索すると確かに...しかも高島の写真だの色々流れている...しかも結構酷い事も書かれている。

「なんだか嫌だね...」

ニュースを閉じるとため息を吐いた...嫌な奴だし何度も死ねとか思った事もあるけどさ...実際死ぬとか気分の良いものじゃない。

「あ、おはよう、市橋さんに津川さん」

近衛が笑顔で近づいてきたぞ...

「おはよう、近衛君」

「怪我大丈夫?それにしても何だか今日はクラス騒がしいね」

近衛は周囲を見回しながらそう言う。

「...高島さんが昨日の電車の人身事故で亡くなったらしくて」

ひなたがぽつりと高島が亡くなった話をする。

「あ...そうなんだ..」

と近衛も口に手を当てて目を閉じて悲しむ...そうか近衛も悲しむか...

と思った一瞬だった...近衛が隠している口元がニヤリと笑っている事に気づく...え?

その顔を見て背筋がザワザワする...もしかして?

「近衛は...」

そう言いかけた時、教師が教室に入って来て全校朝礼があるから体育館へ、と促される。

「ああ...行かなきゃだね」

近衛は沈んだ表情をするも、さっきのニヤリと笑った口を思い出すとその表情は演技なのでは?と思う...

近衛慶秋...まさかお前...しかし何でだ?
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