お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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メガネを買いに

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「しえちゃん、今日早いわね?どうしたの?」

家に帰るとパートの休みの母が朝に作ったお弁当を食べようとする所だった。

「ああ...ほら昨日の電車の事故の件、あれクラスの女の子で、その件で今日は授業が急遽半限になったんだよ」

「え...そうなんだ...友達だったの?」

「ん...ただのクラスメイト...でも一緒のクラスだしやっぱり人が死ぬのはあんまり気持ち的にはね...」

きっと昨日の人身事故の件もあって流石に突き落とされた話が学校から来てないみたいだな...ならこのまま黙っていた方がいいかもしれない。

「そうよね...」

母は少し俯いて少ししてから此方に顔を向ける。

「...まぁ気落ちしててもね...ああしえちゃんご飯食べ終わったらメガネ作りに行く?」

「あ!そうだね」

きっと母は重苦しいものを払いたいからそう言ったんだと思う、メガネ作るついでに外に出て気分転換を考えてくれていたのかも。

ちょっと今日は母が居てくれてありがたかった。

───

郊外の大型商業施設の2階にある、安くメガネをつくってくれるお店へ、大体いつもそこでメガネを作っている。

制服から半袖ブラウスとジーンズ姿に着替えてだ。

前回と同じオーバルタイプのセルフレームのメガネを選ぼうと思って探す。

「うーん微妙に色が違うんだよねぇ...」

茶色は茶色だが気に入ったあの茶色じゃ無いのだよ...むむむ...

似た色のフレームなどかけて鏡と睨めっこするも何だかしっくり来なくて悩む....

「しえちゃんたまには別なフレームのものもありじゃないかしら?」

「うーん」

「あれ?市橋さん!」

そんな感じで悩んでいた際に声をかけられる...まさかと振り向くと近衛が笑顔でこっちにやってくるではないか!

「近衛...慶秋」

近衛は制服の姿そのままだが、学校からここにやって来てたのか?

「あら?別の学校の子???」

「あ...ほら転校生の話したじゃない、近衛君って言うの」

「ああ!」

「市橋さんのお母さんこんにちは、近衛慶秋です、市橋さんには色々お世話になってます」

丁寧な挨拶は兎も角、お世話した記憶なぞないぞオイ!

「あらあら...」

何だか母の顔が綻ぶが近衛がイケメンのせいか?

「市橋さんは昨日壊れたメガネを買い替えになの?」

「...中学のは傷もあるし度があってないからね」

「...市橋さん丸顔だしそれならこのスクエアフレームのなんか結構似合うと思うな」

とまず選ぶ事のないスクエアタイプの細いメタルフレームの形を持ってきたぞ...

「うーん余り選ばないタイプだ...」

「でも一度かけてみれば?」

と母のススメもありかけてみる...おや?なんか思ったよりしっくりくるな。

「丸顔の人はスクエアタイプを選ぶとバランスが良くなって顔の印象がスッキリするそうだよ」

近衛はニコニコしながらそんな事を言い出す、お前メガネユーザーでも無いのに...

「でもこれしえちゃん似合うわよ、これにしたら良いと思うわ!」

母もそう言う。確かにしっくりくるし、色合いも丁度いい...しかし近衛が選んだメガネ...ううむ。

その後色々試すもそのメガネ以外しっくりこなかった為、それを選んで度数を測って貰う。

「レンズ取り寄せで一週間...まぁ仕方ないな」

まぁ近視&乱視コンボで目が悪いからいつもの事だ、仕方ないのだ。


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