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母親味方につけるとかやるじゃねぇか
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どうやらアパートまで近衛はバスと歩きで帰る予定だと言うので、母が気を使って車に乗っていきなさいと言い、近衛と3人で帰る事になってしまった。
軽自動車の後部座席に近衛を乗せて、荷物も近衛の近くへ置いて私は助手席へ...と思った瞬間手を掴まれ引かれ、そのまま近衛の隣に座ってしまう。
「え!」
「隣車が入って来たから危ないって思って」
確かに大型の黒い車が勢い良く隣に入ってきたぞ、危ないなぁ...そのまま出てたらぶつかってたかも...
「もう!しえちゃんぼんやりとしてるから...近衛君ありがとうね」
「いいえ、当然のことをしたまでなので」
と笑顔で近衛は母に答える。
「あ...ありがとう...」
「市橋さんが怪我しなくて良かった」
とこちらにも笑顔を向けるがやはりその目の奥にある『何か』にざわりとする。
隣の車が止まったのを確認し、助手席へ戻るつもりでドアに手をかけようとすると
「しえちゃん、もうこのまま後ろの席にいなさい、いいわよね近衛君」
「はい、市橋さんと話もしたかったので」
って、母よ...えええ...
結局そのまま後ろの席で近衛慶秋と並んだまま帰る結果に...近衛はいろいろ話しかけては来るが、なんだかうんうんと頷くしか出来なかった...
──
「市橋さんのお母さん、ありがとうございます」
近衛慶秋のアパート...いやマンションに着いた訳だがなんだ...ここオートロックタイプの高級そうな新築マンションじゃないか!
亡くなったお爺ちゃんから継いだ、築50年のややボロ屋の我が家とはえらい違う...
「じゃあ市橋さん、また明日」
近衛は笑顔で挨拶しマンションへ入って行く...ガチモンのブルジョワめ...
「それにしても礼儀正しいし優しいしイケメンだしお金持ちだし...すごい子と付き合ってるのね、しえちゃん」
「付き合ってなぞないぞ!母よ!」
「まぁまぁ照れちゃって!」
だから娘に彼氏出来た風の目ヤメレ!!!!
──
近衛が自分に部屋に入るとそこには春信が待っていた。
「はは、お前母親を味方につけるとかやるじゃねぇか」
春信は笑いながらペットボトルのミネラルウォーターを呷る。
「...そんなつもりじゃないが、史絵の母親に良いイメージを持って貰った方がやりやすいかと思ったんだ」
「はは、それで良い...ただ等の本人がお前の事をまだ怖がってるからな、何とかしねぇと他の『奴等』に取られちまうかもだがな」
ミネラルウォーターを片手に近衛に指差す。
「!」
「...俺らにとって極上なのはな、他の連中にとっても同じ事だからなぁ」
「早くしなきゃ...」
今にも外に出て行こうとするが、春信は近衛を止める。
「焦るな慶秋...気になる動きは俺が見る...お前はお前の分に専念しろ」
近衛に近づきポン、と肩を叩く。
「...わかった...」
近衛はコクリ...と頷いた。
軽自動車の後部座席に近衛を乗せて、荷物も近衛の近くへ置いて私は助手席へ...と思った瞬間手を掴まれ引かれ、そのまま近衛の隣に座ってしまう。
「え!」
「隣車が入って来たから危ないって思って」
確かに大型の黒い車が勢い良く隣に入ってきたぞ、危ないなぁ...そのまま出てたらぶつかってたかも...
「もう!しえちゃんぼんやりとしてるから...近衛君ありがとうね」
「いいえ、当然のことをしたまでなので」
と笑顔で近衛は母に答える。
「あ...ありがとう...」
「市橋さんが怪我しなくて良かった」
とこちらにも笑顔を向けるがやはりその目の奥にある『何か』にざわりとする。
隣の車が止まったのを確認し、助手席へ戻るつもりでドアに手をかけようとすると
「しえちゃん、もうこのまま後ろの席にいなさい、いいわよね近衛君」
「はい、市橋さんと話もしたかったので」
って、母よ...えええ...
結局そのまま後ろの席で近衛慶秋と並んだまま帰る結果に...近衛はいろいろ話しかけては来るが、なんだかうんうんと頷くしか出来なかった...
──
「市橋さんのお母さん、ありがとうございます」
近衛慶秋のアパート...いやマンションに着いた訳だがなんだ...ここオートロックタイプの高級そうな新築マンションじゃないか!
亡くなったお爺ちゃんから継いだ、築50年のややボロ屋の我が家とはえらい違う...
「じゃあ市橋さん、また明日」
近衛は笑顔で挨拶しマンションへ入って行く...ガチモンのブルジョワめ...
「それにしても礼儀正しいし優しいしイケメンだしお金持ちだし...すごい子と付き合ってるのね、しえちゃん」
「付き合ってなぞないぞ!母よ!」
「まぁまぁ照れちゃって!」
だから娘に彼氏出来た風の目ヤメレ!!!!
──
近衛が自分に部屋に入るとそこには春信が待っていた。
「はは、お前母親を味方につけるとかやるじゃねぇか」
春信は笑いながらペットボトルのミネラルウォーターを呷る。
「...そんなつもりじゃないが、史絵の母親に良いイメージを持って貰った方がやりやすいかと思ったんだ」
「はは、それで良い...ただ等の本人がお前の事をまだ怖がってるからな、何とかしねぇと他の『奴等』に取られちまうかもだがな」
ミネラルウォーターを片手に近衛に指差す。
「!」
「...俺らにとって極上なのはな、他の連中にとっても同じ事だからなぁ」
「早くしなきゃ...」
今にも外に出て行こうとするが、春信は近衛を止める。
「焦るな慶秋...気になる動きは俺が見る...お前はお前の分に専念しろ」
近衛に近づきポン、と肩を叩く。
「...わかった...」
近衛はコクリ...と頷いた。
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