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交通事故?
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朝の弁当が3つになってしまった...まぁ作るの自体は苦じゃあ無い...しかし何故あいつの為に作ってやらねばならんのだ...
弁当用の塩鮭を焼きつつ、玉子焼きを焼く...ほうれん草は胡麻和えにして、朝食にも出そう。
ご飯を詰めてる最中にまだパジャマ姿の母が台所へやってくる。
「しえちゃん頑張ってるわね」
「お母さんが余計な事言わなきゃ3人分作らなくても良かったのに」
「もう~そんな事言って~」
ポン!と背中を叩く...うーむ母の中じゃあ近衛慶秋と私は付き合っている事になってるっぽい...くっ...何とかこの誤解を解かねば。
─
弁当2つ持って学校へ...あまり目立つ場所での受け渡しはしたくは無いからやや早めに登校時間合わせて受け渡す約束はしている...近衛も怖いが周りの目も怖いからな!
学校近くの公園のパウンドケーキを奪われたあのベンチでだ。
公園の周囲を見回し、誰も居ないなと確認すると公園に入り、ベンチへ向かった。
ベンチには近衛が座って本を読んでいたが、此方に気がつき笑顔で手を振る。
「お...おはよう...もしかして待ってたのか?」
「おはよう市橋さん、僕ちょっと前に着いたんだ」
本を閉じ、ニコニコと近衛は立ち上がりこちらに近づく。
「これ、お弁当...」
「ありがとう!本当に嬉しいよ」
「大したおかずじゃ無いし、嫌ならすぐ辞めても良いから...きっとクラスの女の子達さ、近衛君の為にお弁当作りたいって張り切ってるみたいだし」
最初にお弁当のおかず交換の後すごい勢いで女の子達が聞いてきたくらいだしな。
「...僕は市橋さんのが良いんだ...いや市橋さんじゃなきゃ嫌だなぁ」
近衛がこちらを見る目...柔かな表情なのに目が怖い...
「なんで...」
「それは僕が君の事が...」
そう近衛が言いかけた時ドン!と大きな音が聞こえた。
「え?」
「事故かな?」
「行かなきゃ!もしかしたら怪我人がいるかも!」
近衛が何かを言おうとしてたが...その先は怖くて聞くことが出来ず、その音の元へ向かう事で逃げる事にした...
公園から出たすぐの所で黒い車が民家に突っ込んでいた...きっとややカーブ道を勢い良く走ったせいじゃないのだろうか...
近隣に住んでいる人達がわらわら現れ、何が起こったのか見に出て来たのだろう...
...あれ?あの車って昨日強引に隣に止まろうとした車と同じ車種じゃ無いか?
「...危ないね...」
後ろから近衛がやってきた。
「そうだ110番!」
スマホで警察に電話しなきゃ!
「市橋さん、他の人がもう連絡してるから大丈夫だよ...ほら、あんまり重なると、ね?」
と近衛は電話をしている人々を指差す。
「そうか...」
「このまま学校へ行こう、市橋さん...だんだん野次馬も増えてきたし」
「...うん」
近衛にそう言われて2人で学校へ向かう...何かモヤモヤする話だが...
あと...近衛が私に何かを言いそうだったが、あえて聞きたくなかった。
───
その男は、遅刻してしまう!と車を飛ばして走っていた。
今日は近道と思って住宅街を縫う様に走らせる、ああ!歩行者邪魔だな!と思いながら。
「くっそ何で寝過ごしちまったんだか!」
スピードを出して走らせる。
『我が伴侶に危害を加える愚か者...死ね...』
「なんだ!何処からか声が...あれ?ハンドルが効かない!」
ブレーキを踏むも止まらない。
「やばい!やばい!!」
ブレーキを更に強く踏むもスピードしか出ない!何故だ!
道は緩いカーブになっててこのままだと民家に突っ込んでしまう。
「止まれ止まれ止まれ!!!!」
どんなにブレーキを踏んでも止まらない。
「うわぁあああああ!」
家が迫り大きな衝撃が走る...エアバックは開くも勢いは止まらず車の前方は潰れ、その男も一緒にぐしゃりと潰れた...
弁当用の塩鮭を焼きつつ、玉子焼きを焼く...ほうれん草は胡麻和えにして、朝食にも出そう。
ご飯を詰めてる最中にまだパジャマ姿の母が台所へやってくる。
「しえちゃん頑張ってるわね」
「お母さんが余計な事言わなきゃ3人分作らなくても良かったのに」
「もう~そんな事言って~」
ポン!と背中を叩く...うーむ母の中じゃあ近衛慶秋と私は付き合っている事になってるっぽい...くっ...何とかこの誤解を解かねば。
─
弁当2つ持って学校へ...あまり目立つ場所での受け渡しはしたくは無いからやや早めに登校時間合わせて受け渡す約束はしている...近衛も怖いが周りの目も怖いからな!
学校近くの公園のパウンドケーキを奪われたあのベンチでだ。
公園の周囲を見回し、誰も居ないなと確認すると公園に入り、ベンチへ向かった。
ベンチには近衛が座って本を読んでいたが、此方に気がつき笑顔で手を振る。
「お...おはよう...もしかして待ってたのか?」
「おはよう市橋さん、僕ちょっと前に着いたんだ」
本を閉じ、ニコニコと近衛は立ち上がりこちらに近づく。
「これ、お弁当...」
「ありがとう!本当に嬉しいよ」
「大したおかずじゃ無いし、嫌ならすぐ辞めても良いから...きっとクラスの女の子達さ、近衛君の為にお弁当作りたいって張り切ってるみたいだし」
最初にお弁当のおかず交換の後すごい勢いで女の子達が聞いてきたくらいだしな。
「...僕は市橋さんのが良いんだ...いや市橋さんじゃなきゃ嫌だなぁ」
近衛がこちらを見る目...柔かな表情なのに目が怖い...
「なんで...」
「それは僕が君の事が...」
そう近衛が言いかけた時ドン!と大きな音が聞こえた。
「え?」
「事故かな?」
「行かなきゃ!もしかしたら怪我人がいるかも!」
近衛が何かを言おうとしてたが...その先は怖くて聞くことが出来ず、その音の元へ向かう事で逃げる事にした...
公園から出たすぐの所で黒い車が民家に突っ込んでいた...きっとややカーブ道を勢い良く走ったせいじゃないのだろうか...
近隣に住んでいる人達がわらわら現れ、何が起こったのか見に出て来たのだろう...
...あれ?あの車って昨日強引に隣に止まろうとした車と同じ車種じゃ無いか?
「...危ないね...」
後ろから近衛がやってきた。
「そうだ110番!」
スマホで警察に電話しなきゃ!
「市橋さん、他の人がもう連絡してるから大丈夫だよ...ほら、あんまり重なると、ね?」
と近衛は電話をしている人々を指差す。
「そうか...」
「このまま学校へ行こう、市橋さん...だんだん野次馬も増えてきたし」
「...うん」
近衛にそう言われて2人で学校へ向かう...何かモヤモヤする話だが...
あと...近衛が私に何かを言いそうだったが、あえて聞きたくなかった。
───
その男は、遅刻してしまう!と車を飛ばして走っていた。
今日は近道と思って住宅街を縫う様に走らせる、ああ!歩行者邪魔だな!と思いながら。
「くっそ何で寝過ごしちまったんだか!」
スピードを出して走らせる。
『我が伴侶に危害を加える愚か者...死ね...』
「なんだ!何処からか声が...あれ?ハンドルが効かない!」
ブレーキを踏むも止まらない。
「やばい!やばい!!」
ブレーキを更に強く踏むもスピードしか出ない!何故だ!
道は緩いカーブになっててこのままだと民家に突っ込んでしまう。
「止まれ止まれ止まれ!!!!」
どんなにブレーキを踏んでも止まらない。
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