お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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赤い糸

覚醒

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「ぎゃあ!」

ズルズルと引きづられて、徐々に化け物の方へと近づいていく。

「史...絵」

近衛の目が開く...その目は真っ赤...それそこあのオカルト男の様な様相に変わっていく。

「慶秋!お嬢ちゃんを連れて逃げろ!」

「!」

近衛は此方を見て大急ぎで駆け寄り、爪で蜘蛛の糸を掻き切る。

「史絵...あ...市橋さん」

近衛は私を抱きかかえる...瞳の色も赤いし肌も何だか真っ白で八重歯も鋭いみたいだけど...いつもの優しいお前じゃないか...

「名前なんていいからお前...私を食え...」

腕を突き出す、腕の一本くらいで済むかどうかわかんないけど。

「!」

近衛は目を見開き驚く。

覚悟は決めたのだ、こんな化け物に喰われるくらいならお前に喰われたほうがいい。

「お前も化け物なんだろ...私を食いたくて仕方ないって思ってる鬼なんだろ?」

いつも怖いって思ってたのは近衛は私を喰いたいと思っていたからだ...

「あのオカルト男が言ってた事を考えれば...私を喰えばそれなりに力が出るんだろ?でもお前はあの蜘蛛の化け物と違っていい奴だ、どっちもあの化け物の餌食になるくらいなら...お前に喰われて死んだ方が...」

と言いかけた時に腕を下げられ口が塞がれる、近衛の唇で...

そのまま口内を...舌を絡ませるようにキスされてしまう...まるで私を好きなのかと錯覚するくらいに...

唇を離されると近衛の姿がより一層変化する...白い肌には赤い模様が...そして髪は長く伸び出し灰色というより銀色に光ってる。

「ありがとう...俺を選んでくれて嬉しいよ」

そう言われて微笑まれる...何だ!なんでその笑顔でこんなにもドキドキとするのだ!

近衛は抱擁から解放し私を床へ座らせ、蜘蛛の化け物の方を向く...化け物は怒りの形相だ。

『我のっ!我の伴侶を!この小鬼がぁぁぁぁ!』

蜘蛛に化け物が近衛に襲いかかるが近衛はより一層鋭くなって爪で化け物を簡単に薙ぎ払う。

「え!」

さっきのオカルト男?より強いのか???

化け物はゴロンと転がるも立ち上がり糸を吐いて襲いかかるも全て爪で引き裂いてしまう。

「慶秋は俺らの一族の中で最も力のある鬼の子供...やっと伴侶を得られ一人前になれたんだ...まさかあそこまで覚醒するとは思わなかったが...」

オカルト男が此方にやってくる...もうさっきの鬼の姿ではない...そうか...このオカルト男、近衛に似ているんだ!

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