お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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赤い糸

赤い糸

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「俺らは確かに『人喰い鬼』でも人に混じって生きる俺らは誰彼構わず喰うような化け物じゃあねぇんだお嬢ちゃん」

「?」

「お嬢ちゃん怪我してた場所見てみろ」

あれ?傷がない????

「俺や慶秋の唾液や体液は再生力が強いから、ある種の人が摂取すれば傷があっという間に消えてしまう...まぁ俺らの祖先がそう編み出した術だ」

「術?」

「幾ら人喰いって言っても好みだってあるし、好き勝手に攫って喰っていては文殊丸みたいなのに退治されちまう...あと喰いたいと思う女と伴侶に選ぶ女は大体同じなんだ、だから伴侶を俺たち鬼の眷属にして喰われてもすぐに再生させる力を伴侶に与える...お嬢ちゃんの髪の色見てみろ」

そう言われて一房掴んで見ると色が慶秋と同じグレージュ色に変色しとる!!!!

「えええ!」

「今さっきはキス程度だからまぁ1日もしない内に元の色に戻るがな...あとお嬢ちゃんと慶秋はよっぽど相性が良いんだろうなぁ、あそこまで真っ赤な紋が身体に現れるのは久々に見た」

そうだよ近衛!と近衛と化け物を見ると蜘蛛の化け物を爪で引き裂き、身体を...上半身の人間部分と下半身の蜘蛛部分を割いて真っ二つにしてる!

『グアアアアアア!』

化け物が断末魔を上げてぐしゃりと床に転がってしまう。

ひゃあ...化け物何だか糸と粘ついた黒っぽい液体まみれでグロい...

そう思ったらじゅうじゅうと音をたてて段々縮んで手のひら大の蜘蛛に変わってしまう。

そうしたら社の中の歪みが消えて、あんなに広かったのに六畳程の部屋に変化してしまった。

立ち上がり周囲を再度見回すとそこには割られた鏡、壁にはスプレーで落書きとなかなか酷い有様だ...あの化け物が怒るのもわかる...

「元々ただの大きな蜘蛛だった...のか...」

元化け物の蜘蛛の死骸を遠目で見て呟く。

「1000年生きた化け蜘蛛だ...まぁ夜都賀波岐は身体の寿命が来てたし御神体も壊されて徐々に弱ってたとは言え...本来なら慶秋みたいな若い鬼じゃあ倒せないのになぁ...やっぱりあれか...」

「あれ?」

首を傾げる...あれってなんだ?

「愛だよ愛!きっと赤い糸で結ばれてんだな!」

「へ?」

愛?赤い糸???いやいやこんなもっさりオタク女子に????

オカルト男は何故かニヤニヤと笑っている...

「市橋さん!春信!」

近衛は此方にやってくる...まだ鬼の姿のままだ。

「お前元の姿に戻れないのか?」

「ん...なんだか上手く戻れないんだ...」

近衛が何か意識して目を閉じると髪の長さや爪が縮まるも直ぐに戻ってしまう。

「覚醒したばかりだし仕方ねぇか...でもその姿じゃマンションにも戻れねぇな...」

「...困ったな...」

近衛はため息をつく...確かに髪や目もだけどその爪はまずいよなぁ。

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