お前なんかに喰われてたまるかコノヤロー!

只野ぱんだ

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赤い糸

血に酔う

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「仕方ねぇな...お嬢ちゃん、慶秋に喰われてくれないか?」

「え?」

そんな気軽に喰われろと???

「あー今なら全然痛くないから!」

と春信と呼ばれたオカルト男にポン!と背中を押されると近衛の胸に飛び込むように...ひゃあ!

「市橋さん...いや...史絵...」

ぎゅうと抱きしめられて首筋に齧られる!

「ひゃあっ!」

思い切り噛み切られているはずなのに、何だかくすぐったい感じしかしない!

「甘い...そして力が漲る...」

力のコントロールが出来る様になったのか近衛の姿が徐々にいつもの姿に戻っていく。

「噛み切られたんだよな...」

と首筋を摩るも何も無い...

「今のお嬢ちゃんは俺たちとおんなじ再生力を持ってるから傷ついても瞬時に治るんだ」

「えええ!」

私今鬼って事????

「それにしても若いからだろうけど慶秋、見た目も戻った事だしそろそろお嬢ちゃんを離してやれ」

はは、と笑いながら春信さんは近衛に言うが、ぎゅっと抱きしめられた腕は離れない~!

「...嫌だ...」

「どうした?」

「だって俺を受け入れてくれたんだ」

そう言われてスリスリと頭を頬ずりされてしまう!

「え?ええ???」

「...10年来ずーっと想い続けて我慢してきたのはわかるが、お嬢ちゃんそろそろおうちに帰してやらねぇとお嬢ちゃんの母親起きちまうから?な?」

10年来???あの夢の辺りから???えええ???

「嫌だ...史絵は俺の部屋に連れ帰る...」

「だぁっ!お前ダメだろうが!」

春信さんが私と近衛を引き離そうとするも全くダメだ!

「もう俺の伴侶だ!ずっと一緒にいる!」

何だか近衛が駄々っ子状態になってしもうた...

「近衛!」

「慶秋って呼んでくれないのか?俺を伴侶に選んでくれたんだし...史絵」

「近衛ちょっと待て!伴侶って何?確かに私はお前に喰われる方がマシだって言ったが!」

もがきながらそう言うもぎゅうぎゅうと締め付けられるように抱きしめられる。

「だって俺に喰われるなんて言葉...伴侶になっていいって事だから」

ひえっ...近衛の目がギラギラしてて何だかマジっぽいんだが!

「なーーーーーっ!」

「こりゃあ血に酔ってるな...お嬢ちゃんすまん、酔いが覚めるまでそのまま我慢してくれ...」

「ええーーーーっ!」

我慢っていつまでするんだ???
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