選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

文字の大きさ
23 / 64
第1章 存在の意義

23話 固有魔術

しおりを挟む


 昨日はお昼までペンネの付き添いの元、魔術の修練を行った。その後、今日の準備ということで早々に解散した。


 自室でサタンに尋ねる。


『サタンは固有魔術持ってるの?』

『今のお主では到底発動せんぞ。何より感情我の糧が溜まっておらん』

『感情が発動するのに必要なの?』

『我は他の悪魔と誕生の由来が違う。それ故、発動にもそれなりのモノが必要なのじゃ』

『それじゃあ、とりあえず今の僕には撃てないってことか』

『焦ることはなかろう、いずれ発動出来る日が来る。それまで暫し待たれよ』


 ペンネの著しい成長には舌を巻いた。操魂士の能力でベルフェゴールを同調させたとはいえ、このままでは立つ瀬がなくなってしまう。
 らしくもなく焦っていたのかもしれない。彼女の隣に立てるだけの力は得れた。今のところはそれでよしとしようじゃないか。


『ありがとう、焦っていたみたい』

『なに、お主の感情を吸い取り同調させてもらっているのだ。質問は随時せい』


 心の広い地獄の王であった。









「おはようございます」

 
 広場にある小さな公園でペンネを待っていると、挨拶をされた。そこには、ルカさんが買い物かごをぶら下げていた。


「おはようございます、買い出しですか?」

「えぇ、お手伝いさんは別件で席を外しててね。後、息抜きも兼ねてかな」


 目の下には隈があり、睡眠があまり取れていないようだ。疲労のせいかもしれない。


「ルカさん、お疲れの様ですし何か手伝いますか?」

「いえいえ、最近資料を読んでたら、いつの間にか深夜になってることが多くてね。自業自得だから心配しないで」

「はぁ・・」


 やはり、ここ最近の魔獣化のことかもしれない。僕らの今後の予定を話すタイミングではない事を確かめ、ルカさんと別れる。
 今はまだ大々的に動ける時ではない。その時まで待とう。


 ペンネを待ちながら改めて決意した。




ー同日同時刻 ペンネの家 自室ー ペンネ視点


「うぅん」


 悩ましげな声がベットから聞こえる。蒼髪の少女がゆっくりと目を開ける。
 天気は快晴、青空が広がる白日だ。ここ最近は行いがいいのか天気に恵まれている。


 起きて自分の体の変化に驚いた。体の疲労が抜けている。ほぼ毎日行ってきた修練、その積み重なった疲労は睡眠障害を引き起こし、慢性的になりつつあった。しかし、今日は体の疲労が感じられない。
 意識の中で彼女ベルフェゴールに尋ねた。

『おはようございます、ベル』

『ZZZ ・・・』


 人の意識の中でぐっすりと眠っているようだ。いいご身分だ、悪魔なのに。


『お~い、起きろ~』

『うぅ~ん、もう朝・・?』

『えぇ、早く起きてくださいまし。貴方に聞きたいことがあるの』

『何よ、スリーサイズかしら?』

『そんなことじゃありません!』


 意識の中にいるので視認はしていないがかなりいいスタイルをしているこの悪魔ベルフェゴール。男性の理想の王道を行く女性?である。


『寝て起きてみたら疲労が無くなってるみたいなの。何かご存じない?』

『あぁ、それ私の特性だわ。怠惰って悪く捉われがちだけどそれって良く言うと積極的に休養を取るってことでしょう?つまりいつも万全な体調で事に臨もうとするってことよ』


 うーん、そうなのかな?まぁいいか。


『これなら何時でも最大火力で戦えるわ!』

『ねぇ、そんなことより彼との約束の時間、過ぎてない?』

『・・・あぁ!!!』


 ベルフェゴールの眠たそうな声を聞いた瞬間、一気に意識が覚醒した。
 冷や汗が浮かぶ中手早く準備を終えた私は、待ち合わせ場所へと駆け出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

処理中です...