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第1章 存在の意義
24話 初心者殺し
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☆
ルカさんと別れて暫くすると広場に1人の少女が飛び込んできた。そのまま僕の前に来たと思ったら頭を下げきた。
「遅れてごめんなさい!」
慌てて飛び出してきたのだろう。後ろ髪が少しはねている。忘れていた訳では無さそうなので頭を上げるように言う。
それにしても、彼女が寝坊するのは珍しい。何かあったのだろうか?
「何か急ぎの用事でもあったの?そっちを優先してもよかったけど・・・」
「何にもないから!私のせいで時間が推してるから急ぎましょう」
そう彼女に背中を押されるように広場から南門へ移動する。今日は南に広がる草原である魔物を討とうと計画していた。
・
・
・
その魔物は元々家の手伝いをしてくれる妖精の一種であった。しかし、生来の悪戯好きが祟り今では洞窟や草原に現れるソレは魔物と認知されるようになってしまった。
暫く門も出て南下していく。1km程歩いただろうか。正面の木の下に目的の魔物がいた。
ゴブリンである。緑の体に小さな角。手には木の棒を握り、その身には革製の擦り切れた防具のようなものを身に纏っている。
元々妖精の一種だったので、体つきも小さい。しかし彼らは徒党を組んで襲ってくることで有名である。
個々の力は弱くとも大勢のゴブリンに囲まれると数の暴力が始まる。それ故商隊や冒険者が被害に遭うことも珍しくなかった。
しかし、駆け出しの冒険者にとって、ゴブリンは登竜門である。彼らを1人で10体討つことができれば駆け出しから新人へと階級を上げることができる。
冒険者家業でひと財産を築いた人物も1人や2人の規模でなく、子供からすれば憧れの職業であるのも事実だ。
「どうするの?相手は1体しかいないみたいだけど」
「恐らく仲間が近くに潜んでいるだろう。奴が仲間を呼んだら作戦開始だ」
ペンネが小声で聞いてきたので打ち合わせの通りに進めるよう伝える。ゴブリンまで気配をできるだけ消して近く。15mを切ったところで奴はこちらに気付き叫んだ。
奴の背後から20体以上のゴブリンが茂みから現れる。どうやら見張り役だったようだ。無意味に突撃しないでよかった。
「じゃあ、始めるよ」
「はい!」
「「同調」」
僕とペンネが変化する。奴らはこちらの様子を見ている。身に纏った魔力の強さを、直感で感じ取ったのだろうか。
『それでは、サタンよろしくね』
『あい、分かった。魔石が出ることを祈るとするかの』
指揮棒を振り、開戦の合図となる斬撃を放った。
・
・
・
「こんなとこかな、怪我はない?」
「はい、問題ないです」
あれから5分もかからないうちに戦闘は終わった。僕が攻撃担当、ペンネは防御とデバフ担当だ。斬撃と爪撃で2~3体を攻撃する間、怠惰の感情と神霊操壁でひたすら補助に回ってもらう。カバーができない時は聖白光球で牽制をしてもらう。
初戦にしては中々のチームワークだったであろう。サタンの食事を兼ねて、ゴブリンから倒した証拠である左手の小指を集めて回っていた。
『アイルよ、其奴の死体匂うぞ。』
『ん?』
念話でサタンから指摘をされたゴブリンの死体を見る。斬撃でやられたのであろう、右肩から左脇腹まで綺麗に切断されている。体液などは流れで切っており、表面が乾燥をし始めていた。
『どこら辺から?』
『心臓の辺りではなかろうか、ちょいと見ておくれ』
『う~ん・・・、あれ?』
手の先に何か硬いものが当たる。あまり褒められないが鋭利なタクトの先端で胴体を弄る。穿る要領で何度か試すとソレが転がり落ちてくる。透明度は高くないが紫色の鉱物のようだ。
魔石である。まだ風化は始まっていない。急ぎタクトの魔法陣を展開し、呑ませた。
『う~む、味は悪くはないが量が少ないな』
残りの死体からは何も感じなかったようである。
『残念じゃが、此奴ら魔術は使えないようじゃな』
『まぁ、おいおいそれは解決していこう』
『うむ、しかし長い期間が開くと空腹感が体に出てくるからな。注意したほうがよいぞ』
タクトのことは残念であったが、本日の目標はクリアしたので良しとしよう。ペンネを労い、同調を解除する。さあ、小指を冒険者ギルドへ持っていこう。
ルカさんと別れて暫くすると広場に1人の少女が飛び込んできた。そのまま僕の前に来たと思ったら頭を下げきた。
「遅れてごめんなさい!」
慌てて飛び出してきたのだろう。後ろ髪が少しはねている。忘れていた訳では無さそうなので頭を上げるように言う。
それにしても、彼女が寝坊するのは珍しい。何かあったのだろうか?
「何か急ぎの用事でもあったの?そっちを優先してもよかったけど・・・」
「何にもないから!私のせいで時間が推してるから急ぎましょう」
そう彼女に背中を押されるように広場から南門へ移動する。今日は南に広がる草原である魔物を討とうと計画していた。
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その魔物は元々家の手伝いをしてくれる妖精の一種であった。しかし、生来の悪戯好きが祟り今では洞窟や草原に現れるソレは魔物と認知されるようになってしまった。
暫く門も出て南下していく。1km程歩いただろうか。正面の木の下に目的の魔物がいた。
ゴブリンである。緑の体に小さな角。手には木の棒を握り、その身には革製の擦り切れた防具のようなものを身に纏っている。
元々妖精の一種だったので、体つきも小さい。しかし彼らは徒党を組んで襲ってくることで有名である。
個々の力は弱くとも大勢のゴブリンに囲まれると数の暴力が始まる。それ故商隊や冒険者が被害に遭うことも珍しくなかった。
しかし、駆け出しの冒険者にとって、ゴブリンは登竜門である。彼らを1人で10体討つことができれば駆け出しから新人へと階級を上げることができる。
冒険者家業でひと財産を築いた人物も1人や2人の規模でなく、子供からすれば憧れの職業であるのも事実だ。
「どうするの?相手は1体しかいないみたいだけど」
「恐らく仲間が近くに潜んでいるだろう。奴が仲間を呼んだら作戦開始だ」
ペンネが小声で聞いてきたので打ち合わせの通りに進めるよう伝える。ゴブリンまで気配をできるだけ消して近く。15mを切ったところで奴はこちらに気付き叫んだ。
奴の背後から20体以上のゴブリンが茂みから現れる。どうやら見張り役だったようだ。無意味に突撃しないでよかった。
「じゃあ、始めるよ」
「はい!」
「「同調」」
僕とペンネが変化する。奴らはこちらの様子を見ている。身に纏った魔力の強さを、直感で感じ取ったのだろうか。
『それでは、サタンよろしくね』
『あい、分かった。魔石が出ることを祈るとするかの』
指揮棒を振り、開戦の合図となる斬撃を放った。
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「こんなとこかな、怪我はない?」
「はい、問題ないです」
あれから5分もかからないうちに戦闘は終わった。僕が攻撃担当、ペンネは防御とデバフ担当だ。斬撃と爪撃で2~3体を攻撃する間、怠惰の感情と神霊操壁でひたすら補助に回ってもらう。カバーができない時は聖白光球で牽制をしてもらう。
初戦にしては中々のチームワークだったであろう。サタンの食事を兼ねて、ゴブリンから倒した証拠である左手の小指を集めて回っていた。
『アイルよ、其奴の死体匂うぞ。』
『ん?』
念話でサタンから指摘をされたゴブリンの死体を見る。斬撃でやられたのであろう、右肩から左脇腹まで綺麗に切断されている。体液などは流れで切っており、表面が乾燥をし始めていた。
『どこら辺から?』
『心臓の辺りではなかろうか、ちょいと見ておくれ』
『う~ん・・・、あれ?』
手の先に何か硬いものが当たる。あまり褒められないが鋭利なタクトの先端で胴体を弄る。穿る要領で何度か試すとソレが転がり落ちてくる。透明度は高くないが紫色の鉱物のようだ。
魔石である。まだ風化は始まっていない。急ぎタクトの魔法陣を展開し、呑ませた。
『う~む、味は悪くはないが量が少ないな』
残りの死体からは何も感じなかったようである。
『残念じゃが、此奴ら魔術は使えないようじゃな』
『まぁ、おいおいそれは解決していこう』
『うむ、しかし長い期間が開くと空腹感が体に出てくるからな。注意したほうがよいぞ』
タクトのことは残念であったが、本日の目標はクリアしたので良しとしよう。ペンネを労い、同調を解除する。さあ、小指を冒険者ギルドへ持っていこう。
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