選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第1章 存在の意義

41話 残されたもの

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 白骨頭首スカル・トップが崩れ落ちると、残存していた白骨死体スカル達は統率も無くなり、バラバラに攻撃を仕掛けてきた。


 奴の魔術で構築されていた熊型のスカルは崩れ落ち、ピクリとも動かない。


 黒の風属性魔術で一箇所に集めた後、ペンネと協力して砕いていく。砕いた後は、炎撃フレイムで焼き払い、戦闘は終了した。


『「辺りの敵は?」』


『「感知範囲にはいません。殲滅出来たようです」』


 安全を確認した後、スカル達に引きずられていた人間に駆け寄る。皆、絶命していた。
 

 酷い物では下半身の無い遺体もあった。余りにも酷い。運搬は無理であろう。


 音無し笛を吹き、暫く待つ。辺りの茂みから30人近い大地の精霊ノームが出てきた。此方にきてぴょんぴょん飛んでいる。


 彼らに協力を仰ぎ、地面に穴を掘っていく。ノームが手に待っている鎚を地面に叩くようにすると、その前方が1mほど沈んでいく。


 彼らを縄から解放し、一人一人を墓となる穴に埋葬していくと、比較的綺麗な遺体に気づく。


 ガリガリに痩せ、顔は土色をしている。もう少し丸ければ可愛らしい少女であっただろう遺体は、遺体にしてはとても綺麗だった。


 サタンに尋ねる。


『サタン、彼女の魂はもう冥界に行ってしまったかな?』


『ちょいと待て、見つけたとしてどうするのじゃ。死者の蘇生でも行うのか?』


『サタンの指揮棒タクトで吸収されない限り、魂が消えることはないでしょ?それなら操魂士の力を使ってもう一度現世に戻らせたらと思ってさ』


『死者の蘇生は禁術の中の禁術じゃ、我なら問題ないがお主の体では負荷がかなり大きいぞ。それでもやるのか?』


『僕の身体なら心配しないでいいよ。安全な場所を見つけたら早速やろう』


『分かった、暫し待たれよ。今探している』


 そう言うと彼女は僕の意識を借り、準備に乗り出した。


 墓から離れ、少女の遺体を置くと周りに見慣れない黒の炎を六角形に発生させる。認識できないほど小さな声でブツブツと呟くと


『いたぞ、それもかなり近くにな』


『えっ、ここら辺に?まさか・・・』


『未練があったんじゃろうな。冥界の魂の帳簿にも載っていなかったからまだ現世にいると思い、感知してみたのじゃ。近すぎて驚いたぞ』


 彼女は高笑いをすると、一息ついて真剣な声で問うた。


『後戻りはできぬぞ。其れにこの娘の手当てや後の生活もある。お主、握った手綱は決して離すなよ』


『そんな無責任なことは決してしないよ。約束する』


『では、契約成立じゃな。始めるぞ』


 ペンネやノームが見守る中、禁術が始まった。












ー 南の街道 林の中 ー  ペンネ視点


 まさか、死者のために禁術まで犯すとは、何を考えているのやら。


 呆れて物も言えないとは口が裂けても言えないが、なんともモヤモヤする。


『ペンネ~、何をそんなに不安げなの?』


 念話でベルフェゴールが話しかける。自分自身、なぜこんなにモヤモヤしているのか、はっきりと分からなかった。


 何があっても裏切らないし、見捨てない。


 ベルフェゴールと同調する時に誓った言葉である。別にアイルを責めている訳ではない。彼の善意は以前からであったし、其れは彼の美徳だ。
 奪う方が無理である。


『そんなに心配しなくても、彼なら見放さないよ~。それより、そんな構ってもらえない子犬のような表情はますます可愛いねぇ~』


 彼女の冷やかしでハッとした。そうか、


 私、あの遺体の少女に嫉妬をしている?


 ペンネは自分が気づかない内にそんな負の感情を抱いていたことを知る。
 そんな彼女に離れた位置にいるアイルから儀式の合図だろう、手を振られた。


 私は微笑みながらも、チクチクした心持ちでそれを見守った。
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