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第1章 存在の意義
42話 禁術
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☆
ゆらゆらと僕と少女の遺体の周りを黒の炎が揺らめく。熱は感じないが、光量はそれなりにあり、辺りを不気味に浮かび上がらせる。
『征くぞ』
サタンが呪詛のようなものを呟いたかと思えば、炎が一際大きく燃え上がる。六角形に広がって燃える炎は遺体を照らしたかと思えば、辺りに影を発生させた。
ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ。
何を言っているかは分からないが、影達は炎よりも離れた位置で僕らを取り囲んでいる。
『「敬愛なる我が配下達よ、これより死者の蘇生を行う。これは死生の輪から外れる異端の儀式。よって救済者には大罪を課さねばならぬ」』
サタンが僕の身体を使い影達に宣告する。あれは死者の影達と言うことか。
すぅっ、と一息つくと、
『「大罪が実施される様、汝のその目でしかと見届けよ!」』
そう言い放った。同時に念話が送られる。
『ほれ、あの小娘の遺体に手を当てれば儀式は終了じゃ』
『ありがとう、サタン』
『気を抜くでない。蘇生は禁術じゃ、その大罪は大きいぞ』
暗にこれで終わりではないことを知らされる。それでも自分の可能性を確かめたいアイルの足は少女の遺体に向かっていた。
『こんなに綺麗なのに痩せ細って・・・』
『別に珍しいことでもあるまい。毎日のように餓死者の魂は冥界に来る。明日は我が村かもしれんしな』
そんな念話をしつつ少女の鳩尾辺りに右手を当てた。
瞬間、閉じていた少女の目が白眼がなくなるほど見開き、絶叫を上げる。
ギャアアアアアッッッッ!!!!!!!
それと同時に僕の身体に、強烈な寒さと空腹感、絶望が広がる。
『「ア、アアアァァァ・・・」』
サムイ、寒い、腹が減った、サムイ。何が起きている・・・?
身体は絶えず震え続け、口からは情けない声が漏れる。
『これは、小娘が最後の瞬間に体感した死の瞬間じゃ。これに耐えつつ、彼の者の魂をお主の力で呼び戻さねばならぬ。
絶対にその右手を離すでないぞ。離れれば術の反動として腕が吹き飛ぶでな』
『捜索するには操魂士の力を使うしかないか・・・』
寒さに絶えつつ、以前ペンネに掛けた時の呪文を読み上げていく。
僕の初の詠唱だ。こんなに早い段階で使うとは、練習をしといてよかったかもしれない。
呪文を読み上げていると、視界が暗くなる。意識の海に沈むように僕は深い、深い海を潜り出した。
・
・
・
ー 儀式の輪 外輪 ー ペンネ視点
少女が絶叫を上げたかと思えば、今度はアイルの様子がおかしくなる。身体を絶えず揺らし、まるで寒さで凍えているかのようだ。
『「アイルっ!」』
『これ、待ちなさ~い』
『止めないで、アイルがっ!』
『今は儀式の最中。何人たりとも邪魔はさせない。いや、できないと言った方が良いかしら~?
これはただの儀式じゃない。禁術の中の禁術なの。この黒炎の輪の中には入れないわ』
彼女は真剣な口調で私を諭した。
『そんな・・・。それじゃあ、私は・・』
『残念だけど今は見守ることしかできないわ~』
ベルフェゴールの説明により目の前が真っ暗になりそうになる。後半の説明は耳に入ってこなかった。
同調しても、彼の助けになることは出来ないのか。
彼の手を取ることもできないのか。
力不足に歯噛みをしながら、悔しそうな表情で儀式を見守ることしかできない私は、一刻も早くこの儀式が終わることを祈った。
ゆらゆらと僕と少女の遺体の周りを黒の炎が揺らめく。熱は感じないが、光量はそれなりにあり、辺りを不気味に浮かび上がらせる。
『征くぞ』
サタンが呪詛のようなものを呟いたかと思えば、炎が一際大きく燃え上がる。六角形に広がって燃える炎は遺体を照らしたかと思えば、辺りに影を発生させた。
ザワザワ、ザワザワ、ザワザワ。
何を言っているかは分からないが、影達は炎よりも離れた位置で僕らを取り囲んでいる。
『「敬愛なる我が配下達よ、これより死者の蘇生を行う。これは死生の輪から外れる異端の儀式。よって救済者には大罪を課さねばならぬ」』
サタンが僕の身体を使い影達に宣告する。あれは死者の影達と言うことか。
すぅっ、と一息つくと、
『「大罪が実施される様、汝のその目でしかと見届けよ!」』
そう言い放った。同時に念話が送られる。
『ほれ、あの小娘の遺体に手を当てれば儀式は終了じゃ』
『ありがとう、サタン』
『気を抜くでない。蘇生は禁術じゃ、その大罪は大きいぞ』
暗にこれで終わりではないことを知らされる。それでも自分の可能性を確かめたいアイルの足は少女の遺体に向かっていた。
『こんなに綺麗なのに痩せ細って・・・』
『別に珍しいことでもあるまい。毎日のように餓死者の魂は冥界に来る。明日は我が村かもしれんしな』
そんな念話をしつつ少女の鳩尾辺りに右手を当てた。
瞬間、閉じていた少女の目が白眼がなくなるほど見開き、絶叫を上げる。
ギャアアアアアッッッッ!!!!!!!
それと同時に僕の身体に、強烈な寒さと空腹感、絶望が広がる。
『「ア、アアアァァァ・・・」』
サムイ、寒い、腹が減った、サムイ。何が起きている・・・?
身体は絶えず震え続け、口からは情けない声が漏れる。
『これは、小娘が最後の瞬間に体感した死の瞬間じゃ。これに耐えつつ、彼の者の魂をお主の力で呼び戻さねばならぬ。
絶対にその右手を離すでないぞ。離れれば術の反動として腕が吹き飛ぶでな』
『捜索するには操魂士の力を使うしかないか・・・』
寒さに絶えつつ、以前ペンネに掛けた時の呪文を読み上げていく。
僕の初の詠唱だ。こんなに早い段階で使うとは、練習をしといてよかったかもしれない。
呪文を読み上げていると、視界が暗くなる。意識の海に沈むように僕は深い、深い海を潜り出した。
・
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ー 儀式の輪 外輪 ー ペンネ視点
少女が絶叫を上げたかと思えば、今度はアイルの様子がおかしくなる。身体を絶えず揺らし、まるで寒さで凍えているかのようだ。
『「アイルっ!」』
『これ、待ちなさ~い』
『止めないで、アイルがっ!』
『今は儀式の最中。何人たりとも邪魔はさせない。いや、できないと言った方が良いかしら~?
これはただの儀式じゃない。禁術の中の禁術なの。この黒炎の輪の中には入れないわ』
彼女は真剣な口調で私を諭した。
『そんな・・・。それじゃあ、私は・・』
『残念だけど今は見守ることしかできないわ~』
ベルフェゴールの説明により目の前が真っ暗になりそうになる。後半の説明は耳に入ってこなかった。
同調しても、彼の助けになることは出来ないのか。
彼の手を取ることもできないのか。
力不足に歯噛みをしながら、悔しそうな表情で儀式を見守ることしかできない私は、一刻も早くこの儀式が終わることを祈った。
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