選ばれた天職は✳︎✳︎✳︎です!! 〜剣と魔術の世界で生き残れ!〜

Nishy

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第2章 南方戦記編

第1話 シャーネ・ドライアド

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 シャーネ・ドライアドはドライアド村出身である。ドライアド村はキロスカ村の南約50km程の位置にあり、この村の者は皆、姓にドライアドを名乗る。


 先月辺りから増えてきた魔物の襲撃事件。このドライアド村も例外ではなく、魔物の襲撃により凄惨を極めていた。







「残るはこの北門の守備隊のみ。最早これまでか・・・」


 疲労の色が濃く残る顔で老年の魔術師が呟く。魔術師を多く輩出してきたこの村は、殆どの者が魔術を使える。


 守備隊を編成する際も100人規模の中隊を3つも編成し、防衛に当たってきた。
 

 しかし、いくら魔術が使えるからと言っても能力は千差万別であり、満足のいかない訓練を積んだ後の実戦配置である。
 村の為に使命感を燃やした若者が、一人、また一人と命を散らす。


 100人でゆとりのあった交代制の防衛を続けていたが、被害にあった分だけ負担も増えて行く。ジリ貧の対抗策は今、崩壊を目前にしていた。


「皆さん、まだです。まだ諦めては成りません!」


 老年の魔術師の隣で、若い女性が純白に輝く魔石が嵌められた杖を掲げて叫ぶ。


「シャーネ・・・、このままではどうしようも無い。南と東の守備隊も全滅した様だ。この状況でどうしろというのだ」


 上空を飛んでいる鷲の視界を共有していた若い男性の魔術師が暗い顔で問う。
 彼の魔術は戦闘向けではない為、サポートに徹していた。


 上空から仲間の村人が殺される様を見ていたのだろう。顔が青くなっている。


 「対抗魔術を撃てる者はこの場で防衛を継続、サポートは要りません。生き残っている村人を連れて北へ逃亡します。ここに居ても命は無いでしょう。この村を破棄します」


「馬鹿言え、歴史と誇りあるドライアドを捨てろというのか!俺は認めないぞ。此処で負けて逃げたら末代までの恥になる!」


「命もなく何が末代の恥ですか!死んでしまうのですよ!?私達の使命は村人の安全の確保。命あっての人生でしょう!」


「・・・」


「シャーネ、お主の案を採用しよう。・・・皆のもの、隊長として命ずる。村人の救助を急げ。


 撤退戦に入るぞ、10分後。10分後に此処へ集合じゃ。殿しんがりはワシが務める。遅れるで無いぞ!」


 そう老年の魔術師が宣言すると、皆の目の色が変わる。サポートに徹していた魔術師が一斉に駆け出し、村の中で避難している村人を救助しに向かった。


「お師匠様、ありがとうございます」


「お礼は良い。此処で防衛していても全滅あるのみじゃ。判断は早めに出さねばな」


 視線の先には魔物、魔物、魔物・・・。


 眠りについたら夢にまで出てきそうな大群だ。


 奴等に向かって2人は火属性の師範級魔術、爆砕火炎弾ブラスト・ファイアを放った。


 放物線を描いて着弾したそれは火炎の渦を巻きながら火柱が上がる。


 魔物のものと思われる血液が降り注ぐ。火柱と相まって空が泣いてるかの様に思えた。







 魔物の包囲網を、辛くも突破したシャーネを含めた50人程の村人が北へ向かって、逃亡生活を開始した。


 殿や先頭は、特に戦闘が多く魔物に合わない日などはなかった。怪我人もいる為行進速度も遅く、その光景は水溜りで足掻く蟻のようにも見えた。







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