スカイアーツ・ヴァルキュリア

月天下の旅人

文字の大きさ
41 / 57

sequence:41『味噌』

しおりを挟む
 味噌汁を作るために、涼たちは味噌を溶かしていく。

「それにしても、手慣れてるわね」

 枝里は感心するような口ぶりで涼にそういった。

「料理には自信がありますからね」

「そうなのね。あなたを正直見くびっていたわ」

 そんな枝里の言葉もよそに涼たちは肉じゃがと味噌汁を作っていく。

 肉じゃがを皿へと盛り付け、味噌汁をお椀に入れる。

 そして予め炊いてあったご飯を茶碗へ入れ、調理実習のメニューは完成だ。

 そして、律がこういう。

「それじゃあ、食べていいわよ」

 その合図と共に、生徒たちはいっせいにこういう。

「いただきます」

 そして、枝里は肉じゃがを食べてこういう。

「美味しい!醬油を多めに入れて正解だったみたいね」

「ええ。予測通りです」

 謙虚に、でも誇らしげにいう涼に枝里はこういった。

「あなたのことをただの甘ちゃんだと思っていたけど、それは撤回するわ」

「それで私につっけんどんな対応を?」

 そんな涼に、枝里はこう答えた。

「つっけんどんって……」

「まあ、いい得て妙じゃない」

 愛も涼の言葉に同意したのか、頷きながらこういった。

「愛にそういわれたら認めざるを得ないわ」

「へえ、意外と素直なのね」

 そんな愛に枝里はこう返す。

「意外とって何よ、意外とって」

「まあ、そういいたいならこれからは普通に接してね」

 そういう愛に、枝里は怒ったようにいった。

「私の接し方がそこまで可笑しいっていうの?」

「ごめんごめん」

「ごめんは一回でいいから」

 枝里の言葉もあり、話は別の方向へと行く。

「それにしても美味しいわ。涼の腕前もさることながら、みんなで作ったからかしら」

 そういったのは話題を切り替えたかった枝里なのだが、ともかく涼もこう頷く。

「はい。一人で食べるのも、みんなで食べるのもそれぞれ違った良さがあるんですよ」

「私くらいの年齢で一人でご飯食べる人っているの?」

 そんな愛に、涼はこう答える。

「むしろみんな親元を離れているかと」

 そんな涼に愛はこう突っ込んだ。

「それもそうね。私たちは中学生だけど、割と一人で動くことはあるけど……」

 それでも、と愛は続ける。

「ちょっと遠出するのは友達と一緒よね。いくら日本の治安がいいといっても、中学生が一人で遠出するのはね」

「そうですね。私もそういう時は基本家族と一緒なので……一人で食べるのは家族を待ってる時ですね」

 そんな涼に、愛はこう問いただす。

「そういう時があったの?」

「そういう時は基本店員が近くに居ますし、手を出されることは無いですよ」
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

思いを込めてあなたに贈る

あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...