顔だけじゃあ駄目ですか?〜ITエンジニアの恋

ハル

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第八話 賭けの結果

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次の朝、出勤すると道夫は、パソコンを持ってプロジェクトルームである中会議室に行った。

萌絵ちゃんはまだ来ていない。

始業のチャイムの数分後、赤木主任と萌絵ちゃんが、その他数名と一緒に入って来た。

道夫は頭を抱えた。課長の言葉に洗脳され、どうしても二人が付き合っている様に見えてしまう。

萌絵ちゃんの服装も、よく見ると事務系の女性は制服で中のブラウスだけ替えてるのだろう、それも白色の決まりがあるので、観ても昨日と同じようにしか見えない。

課長の策にはまった?

何で飲んでる時に、先々を読んで仕掛けてくるのか、その点では凄い人だなと思った。

課長の方を振り返って見ると、ニコニコ顔でピースサインをしている。

首を垂れる道夫に呼び出しがあった。

「イケミチ、昨日見れなかった資料を持って、小会議室に来て!」

~~~

小会議室に入る、課長と道夫。

飲み屋とは違い、向かい合わせに座ると

「私がイケミチって呼んだのわかった?」ここでもニコニコ顔だ。

「はい…」

「じゃあわかってるわね、

「で、でも…」

「でも、何?」とちょっと怒り気味。

「まぁ、上司と部下のカップルだからお互いに気をつけないとね…だから私は今まで通りイケミチって呼ぶけど、あなたは二人きりの時はって呼んでね」

道夫は蛇に睨まれた蛙のように、動く事すら出来ない。

「じゃあ、今二人だし、一回読んでみて…」

「…」

「早くぅ、先に進まないじゃない」

「た…たかえさん」

「ぎこちないけどまあ、いいわ…そのうち慣れるよね」と満面の笑顔を見せてくれた。

拷問も終わり本来の用件に戻る。

「昨日の資料見せて…今日品管チームに提出するのよ」

「え~」身体中の毛穴から汗が噴き出し
濡れた手で出来た所まで見せてみた。

課長のため息の後、課長から向かいに座ってる僕にメールが届いた。

開くと、提出する資料が作られていた。

「こ、これは?…」

「私の彼氏になる人は、仕事も出来るカッコイイ人じゃ無いと…次は頑張ってね」

じゃあ、その資料の誤字がないか確認してから、それを6部印刷して私の所に持ってきて。そこまで言うと課長は会議室を出て行った。

一人残された道夫は、課長はこの資料いつ作ったんだろうか?仕事の出来るカッコイイ人は課長だと思った。
道夫は部屋を出る時、なんだか課長の引いたレールを進んでいるように感じ怖さを覚えた。

~~~

毎日朝から晩まで、息つく暇もないくらい忙しい日々を送る道夫。
でもそんな道夫にもいい事がある。
一度飲みに行ったあの日以降、萌絵ちゃんが割と話しかけてくれるようになり、コピーなども替わりに手伝ってくれている。

困るのは、それを全て課長が観てる事なのだ。

まだまだ仕事の出来ない僕は、課長に嫌われると仕事で助けて貰えないし、萌絵ちゃんが話し掛けてくれてるのに無視も出来ないし、そんなこんなで毎日忙しくしている?

いや、忙しくさせられてる?

「イケミチ~、小会議室……」

「はい…」肩を落とし、パソコンを持って会議室へ行った。

「まず、先に仕事の件を言っておくわ…来週役員会でレビューするから資料をパワポに焼き直して置いて…明日中ね、無理なら言ってね」

今日の課長はちょっと冷たい。
「や、やります!」

それと、イケミチ貴方、最近佐々木さんと仲良いじゃない?…私は彼女じゃ無かったの…」

「いえ、し、仕事を手伝ってくれてただけで何にもありません…」

「そら当たり前でしょ、彼女の私にキスの一つもしてくれて無いのに…」

「どうするの?」

「ど、どうするのって言われましても、ここは会社ですし…」

「違うわよ!、資料を一人でするの、佐々木さんに手伝って貰うのを聞いてんの!」

「す、すいません、課長に手伝って欲しいです。」

「ほっ、あらそうなの…」と、課長の機嫌が治る。

その会話の一部分をトイレから帰って来た同じ部署の新人A君に聞かれてしまった事を二人は知らない。

席に戻って来た道夫は、早速資料を作りに取り掛かった。




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