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第七話 二人で二次会

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赤木主任と萌絵ちゃんを見送った後、課長に連れられ大将の小料理屋から直ぐのバーに入った。

カウンターに並んで座り水割りを注文し、
さっきの反省会から始まった。

「どうだった?…佐々木さんと話してみて」

「何か、上手くかわして、結論がない様な?…」

「そうだよね、折角私がうちのイケミチかっこいいでしょって紹介してあげたのに…」

「そうでしたかぁ?…」

「嘘よ、イケミチは私のイケミチなんだから」どさくさで腕を組んで来た。

課長の胸があたって、ドキっとした。

「佐々木さん、今は彼氏いないって言ってたよね、アプローチしてみる?」

「課長も知ってるように、僕仕事出来ないですよ?、可能性ありますぅ?」

「無い!」ときっぱり。

「そんなぁ…」

「来年になってイケミチよりかっこいい子がうちに来たら、私だってその子に乗り換えるかもよ…だから、私が好き好き言ってる間に、私の事を受け入れないと」とも

話をしていると、どんどん課長の方に持って行かれる。

道夫は話題を替えようと赤木主任の事を聞いた。

「彼ね、あの子は私が前から誘っても全然乗って来ないわね、年下が好みなんじゃないかなぁ…だから今頃、佐々木も餌食になっているかも…」

「え~、課長そんな危ない人と、佐々木さんを一緒のタクシーに乗せたんですか?」

「あら、私が乗せたんじゃ無くて、二人で勝手に乗って行ったのよ…じゃなかったら4人まで乗れるのに私達が乗る前に、お先にって言ってなかったかしら?」

課長の話は妙に説得力がある。言ったか言わなかったじゃなくて、そう思わせてしまう。

「もう、付き合ってるんじゃないの二人」とも言う。

「だって私達だって前回、帰る方向を知らないから別々のタクシーに乗ったわよね…でもあの二人、無言で乗り込まなかった?」

「そう言われてみると…」

道夫は段々ショックになってくる。

「何、しょんぼりしてるの?…バカね、話をした事もない子が他の男と付き合ったからって…向こうからしたら関係無い事だからね」

「そらそうですけど…」

「何回もいうけど、だったら身近にいる素敵な女性を選んだ方が良くない?…イケミチの事もよく知ってくれてるんだし」

危ない、もう少しでなびいてしまう。この人が営業だったらトップセールスだろうなぁと

「まだ私の言うこと、信用して無いね…だったら賭けようか?…」

「…」

「もし明日、佐々木さんが今日と同じ服装だったら、お泊まり確定だね…そしたらイケミチは諦めて私と付き合う。…これどう?」

「じゃあ、違う服装だったら?」

「その時は、イケミチじゃなくて、山田って呼んでビシバシしごくよ。」

どちらにしても道夫には、不利な賭けになってしまった。
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