Sorry Baby

ぴあす

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4.次の約束

わがまま

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…困った。
ハルキがソファの上で寝てしまったのだ。

180超えの男を担げるわけもなくただただ困る。

「ねぇ、ちょっと…。」

ハルキの目がうっすらと開いてあたしを見てちょっと笑った。

「モニカ…。」

…モニカって誰。

「起きてよ…。」

今日はもうちょっと一緒にいたかったから結構勇気出して家に誘ったのに。
でも疲れてるから仕方ないよね、と自分に言い聞かせる。

幸せそうに眠るハルキを無理に起こすのもなんだか可哀想だし。

でもモニカって誰?彼女の名前?
今彼女いないって言ったじゃん。
じゃあ元カノ?

めっちゃモヤモヤするなぁ…。
時計を見るともう11時。
とりあえずお風呂に入ってからまた起こそう。

ずっと頭の中にモニカとか言う女の名前がぐるぐるして鬱陶しい。
ハルキは高校時代すごく人気があったし、今日の試合だって女性からの人気が思った以上にあった。

それにハルキはかっこいいし俗に言う陽キャなんだから彼女がいないのはおかしい。

…かっこいいっていうのは顔だけじゃなくて今日みたいなエスコートとかVIP席用意してくれたり…。

悪く言えば手慣れてるっていうことなのかもしれないんだけど…今日は正直すごくドキドキしたし嬉しかった。

バスルームから出てちょっと可愛いパジャマを着てリビングに戻るとちょうどハルキが起きてあたしを探しているところだった。

「…ごめん、普通に寝てた。」

「ううん。いいの。
疲れてたのわかってるし…。」

…それよりモニカって誰?
なんて、聞けないよなぁ。

「結構いい時間だし俺帰るね。」

…なにそれ。
なんかムカつく。

「ダメ。」

「…は?」

「あたしがハルキとまだ一緒にいたいから帰るのはダメ。」

…18歳生きてきて今日が人生で一番のわがままかもしれない。
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