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紅野 雪菜

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メンクリへと母に強制連行されてから、数日を過ぎようとしていた日。シノは早朝から、ネットで話題が再熱している自殺関連の投稿を巡回してました。鬱々するとタナトスに魅了されたかの様に死に関連するトピックに惹かれてしまい、際限が無いです。地の底まで精神をやられてた一時期は有名なグロ動画を観ていたぐらいですからね。とは言え、スプラッターはフィクションだけ耐性が有ったシノはリアルナマモノは拒否反応が出てしまい、それ以降、視聴はせずに成る可くグロから駆け離れた、死のトピックだけを漁っているのですが、今朝SNSで未だ12歳にして自殺配信をした少女が話題になっていて、その事について言及しバズっていた投稿にまんまと引き寄せられてしまって日もそれ程、経って無いからかASMR等で有名な某音声配信のサイトから別のアーカイブサイトに移行されていた音声を聞いちゃったんですけど、先ず聞いて思ったのが、“声”がまんま子供だなって。幼さを帯びた声が耳に通って、この子が後半、本当に死んでしまうのか疑わしい程普通な感じだったし、しっかりコメントを読んで受け答えして巫山戯た感じも無く、普通の配信と思ってしまうぐらいには。でも、30分を超えた辺りからその少女が「これから死ぬ」との旨をハッキリ発言した後、コメントの読み上げ音声がザワザワし始めて、皆んな冗談と思ってるのが大半でその中で引き止めるコメントがチラホラって感じで、シノは悪い興奮状態になって緊張しながら、毛布に包まりじっとして聞いていました。
その少女は縄を使って人生からのログアウトを試みるらしく、輪っかを作っているであろう時、生々しい縄のぎりぎりとした音がして耳をグイっと掴まれた感覚がしました。その子は事ある毎にその輪っかを作る練習をしていたらしく、一発で上手く出来た事を嬉しそうに話してから、躊躇する暇も無く事に及んでそこから大分飛んで、数時間後に少女の父親らしき人が部屋に入って来る音と声が聞こえて、その人が戸惑った様子の声から事態を理解したのか嗚咽混じりの声で「お父さん気付けなかったよぉ。御免、ごめん◯◯ちゃん…」と鼻を啜る音と共に聞こえて来て、シノはあぁ家族が居て死ぬってこう云う事なのかなって思いました。悲しんでくれるのは家族だから勿論、そうなんですが改めてそんな事を思った訳です。その少女が人生ログアウトを成功した時点では未だ、実感が沸かなかったのにお父さんが登場してから、漸くその実感がが沸いて来て、シノはポロポロと涙が出てしまいました。

とかまぁ、早朝から精神をぐちゃぐちゃにして何してるんだって我に帰った祝日の今日、母が10時頃に買い出しに出掛けるから着いてくるかと聞いて来て、シノは気分のリフレッシュも兼ねて駅前の百貨店へとgoぷっぷーしたのでした。

「…!あらっ!!東雲さん~~!」

買い物が終わり、そろそろ帰るかと駅前を歩いていると背後から女性の声が聞こえて来て振り返ると、男女の二人組が立っていた。1人は刀自とじ程の女性と青年の男がもう1人。恐らくは親子と推察。

声苡こわいさ~ん!!广まだれ君も久し振りぃ~~!えー何か偶然!」

母が他所行きのいつもよりハイトーンな声で喋り出す。

「ね~!丁度、息子とショップから出て来た所なの!その子は東雲さんのお子さん?かしら」

「そうなんですよぉ~今丁度、買い物が終わって帰ろうかなって所でぇ…あっ、息子の㫖舒です!ほら、挨拶。お母さんの職場の人」

母が敬語を使っている辺り、どうやら母の上司に当たる人らしい。会話の蚊帳の外に居たつもりだったが、いきなりの交流タイム突入。クラス発表の時間で傍観者に徹してたのに教師に当てられた時みたいな緊張感が背中を伝う。

「東雲、㫖舒…です……」

「初めまして、声苡こわい 摘葉根つばねって言います。お母さんの上司です。宜しくね?こっちは息子の声䒾 广まだれ

推察はどうやら当たりらしい。ショートヘアと上品な着飾りが印象的な母の女上司とスラっとしていてガタイが良く、それでいて女上司より高身長で顔面が凄い整っている圧倒される感じの男がシノの前に居ました。この時、シノは猛烈にその場から消え去りたくなりました。だって、不登校なので。社会的体裁が悪いし、母がどこまでシノの事を話すのか若しくは相手が何処までシノの事を突いて来るか不安だったのです。と、成る可く存在感を主張しない様に視線は斜め下、会話を横聞きしているといつの間にか外で話すのもなんだしお店に入ろうかとなって、いつの間にか喫茶店に入店してイマココ。

「今日は息子と香水を買いに行って来た帰りでね、良かったらなんだけど東雲さん試供品が余ってるから貰って!」

「え?そんな!良いですってば!」


喫茶店と言えど流石、百貨店に店を構えている店舗はフードとドリンクの値段がお高め。ドリンクで700~950円するとか正気か?とビックリしながら気軽に頼めるもんじゃ無いなと、メニュー表を吟味する振りをしつつ、出来るだけ会話に入らない様に努めるシノであった。

お、抹茶のアイスラテあんじゃん。

「僕はフラットホワイトで」

壁の花になってやり過ごしていると、注文タイムに入ったらしく、声䒾さんの息子さんが先にオーダーしたのは、なんかオシャレな名前のヤツで何々とメニュー表を見ると、ミルクコーヒーらしい。

「私は、このオアシスブルーとパンケーキにしようかな」

声䒾さんは少し悩んだ後、ドリンクとフードを頼んでいてメニューを見るとコレまた気絶する値段でシノはビビり散らかしてしまう。お母さんはアールグレイとハチミツケーキにするらしい。声䒾さんに合わせてるのか、コチラもお値段が同じぐらいデカい。



■□■□



「お待たせしました。こちら、フラットホワイトとパンケーキとオアシスブルー。ハチミツケーキとアールグレイとバナナチョコパフェ、抹茶アイスラテでございます」

シノはがめついので、普段なら妥協して頼む物も他人の財布持ちなら衝動に任せて頼んじゃいます。抹茶のアイスラテ、ちぃちゃい頃は抹茶とアイスクリームがセットで出て来ると可愛い勘違いをしていた頃がシノにはありました。もうシノはいいお年なのでアイス=冷たいって意味を完全に理解しています。バナナチョコパフェ、おいしぃ。



■□■□



「じゃ、又明日ねー!」

「ご馳走様でした!今日はありがとうございました!」

喫茶店で1時間ちょっとの時間を過ごした後、13時過ぎに解散。帰りの車内でお母さんは上機嫌で、少しシノは落ち着いた気分で帰りを過ごし帰宅した。

シノは唯でさえ不登校というデカいハンデを抱えているのに、思春期もありで親子関係は良好とは言えず、2人きりの空間が何よりもピリピリしたモノで嫌いです。お母さんからシノにとって何か嫌な事を言われるのが、考えるだけで気分は憂鬱になるので。でも、今日は美味しい物をお腹で満たせてシノはご機嫌でお母さんとも何も無くて一日過ごせたので良かったです。
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