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1話目 初日
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「おお!歩ける!」
トイレとか、そういう短距離なら歩いたことはあるけど、いつも何かの支えがあったりしていた。
こうやって、自分の足だけで歩くというのはほとんど経験してこなかったわけで、ほんとに仮想現実なんだなと感じる。
あたりを見渡すと、きれいな空と美しい花々、緑豊かで田舎ののどかな村の風景だ。
(私はこれからこの世界で生きていくんだ……。)
これからの新たな冒険へ、胸を躍らせながら、1歩1歩、地面をかみしめるかのように前へと歩みを進んでいく。
「よし!早速狩りにでも行ってみるか!」
体を慣らすために、軽くそこら辺をうろちょろしてみたのだが、意外といけそうな雰囲気だ。
どんな雰囲気だよ!って感じだけど。
私が今いる場所は、まあとりあえず初めの村とでも言っておこうかな。
小さめの木でできた門を潜り抜けると、そこはモンスターが湧く草原で、村の周りをグルッと囲むように広がっている。
そして、どの方向でもいいのだが、少し進むと森がある。
一応、村の中でモンスターが湧いたり、草原などからモンスターがこっちに来ることはない。
万が一、強い敵に襲われたときに村に駆け込めば何とかなるということだ。
格好は悪いけどね。
ちなみに、このゲームは基本的にプレイヤー同士での戦闘は行うことができない。
そのため、私みたいな初心者でも安心して楽しむことができるのだ。
とりあえず、村から出て少し歩いてみたのだが、早速モンスターと遭遇した。
「これは……、スライム?」
半透明でつやつやなボディーに、可愛いくりくりとした目で、サイズもいい感じに小さい。
可愛いなこいつ。
スライムの頭の上にはバーのようなものが付いていて、おそらくこれがHP表示だろう。
そして、その横にはレベルと名前が書いてあった。
「えっと、なになに?スライム、レベル1?」
ぷるんっと体を震わせてこっちを見ているスライム。
なんかかわいくて攻撃しにくいんだけど、一応モンスターなんだよな……。
あまりにも可愛いものだから、少し攻撃を渋っていたら、相手から攻撃を仕掛けてきた。
私はとっさに右手で腰に止めてあった双剣の片方を抜き取り、スライムに打ち込んでしまった。
見事に命中し、ぶにゅっ、という気持ちの悪い感覚とともに、スライムは2つに裂け、きらきらとしたエフェクトともに消滅した。
「おう……、これ結構罪悪感あるな。」
もっとさ、悪者みたいな気持ちの悪い見た目してくれれば倒しやすいんだけど、このような見た目だと結構罪悪感あるんだよね。
「っと!なんか出てきた。ドロップアイテム?『スライムの粘液』……なんか表現が汚いな。で、10G っていうのは普通にお金かな?」
モンスターを倒すとお金が出てくるわけか。
ちょっと額は少ないけど、スライムだからこんなもんなのかな?
もうちょっとだけ進んだら町に戻ろう。
しばらくすると、スライムとは別の敵が私の前に現れた。
「オオカミ?モンスターっぽいな!」
名前はホワイトウルフで、レベルは2だ。
ホワイトウルフは私のことをじっと見ながらこちらの様子をうかがっている。
あちらから仕掛けてくるような様子はなかった。
「よし!じゃあこっちからッって!ちょ!」
ゴツンッ!と盛大な音を立て、何もないところに転んでしまった。
変になれないことをするからこうなるのだ、と少し反省。
いやいや、今はそんな場合じゃない!
急いで顔を上げると、チャンス!とばかりにホワイトウルフは襲い掛かって来た。
「え!ちょっと!」
焦った私は持っている双剣の片方をホワイトウルフへ向かって投げつけてしまった。
手から放たれた短剣は、一直線で飛んで行き、見事脳天へとぶっ刺さった。
きゅーん、と小さな悲鳴があり、ホワイトウルフは倒れていった。
「え?勝ったの?」
そのままエフェクトを上げながら消えていったので、おそらく買ったのだろう。
ドロップ品は、毛皮とお肉、それに100Gだ。
『レベルが1上昇しました。スキル『投げナイフ』を習得しました。』
「うぇッ!びっくりした!レベル上がった!やった!」
どうやらレベルが上がると同時に新しいスキルを獲得したようだ!
私の初めてのスキルは『投げナイフ』で、ステータスからスキルの詳細を確認すると、このスキルを使ってナイフを投げればナイフが戻ってくるというスキルみたいだ。
地味に便利だな。
結構応用も出来そうだから初めてのスキルとしては結構良いのではないかな?
「まあ、とりあえず一回戻りますかね。」
とりあえず村に戻ってきて、広場にあるベンチに腰を掛ける。
さっき転んで思ったけど、多分私はキャラコンの練習をした方がいいのかもしれない。
普段寝たきりだから、リアルでも自由に体が動かないわけで、ゲームだから多少の補正があるとは言っても、それでもいきなり動くのは無理がある。
意外と身体ってついてこないものなんだね。
ひとまず、今日はログアウトして、明日は1日キャラコン練習、基、運動の時間にしようかな。
私は設定画面の一番下、ログアウトボタンを探したのだが!
(ッ!ログアウトボタンが!?ってありますよね。)
言葉には出していないのだが、やっていて恥ずかしくなったので無言でログアウトした。
こうして、私のサンライズファンタジー初日は幕を閉じた。
トイレとか、そういう短距離なら歩いたことはあるけど、いつも何かの支えがあったりしていた。
こうやって、自分の足だけで歩くというのはほとんど経験してこなかったわけで、ほんとに仮想現実なんだなと感じる。
あたりを見渡すと、きれいな空と美しい花々、緑豊かで田舎ののどかな村の風景だ。
(私はこれからこの世界で生きていくんだ……。)
これからの新たな冒険へ、胸を躍らせながら、1歩1歩、地面をかみしめるかのように前へと歩みを進んでいく。
「よし!早速狩りにでも行ってみるか!」
体を慣らすために、軽くそこら辺をうろちょろしてみたのだが、意外といけそうな雰囲気だ。
どんな雰囲気だよ!って感じだけど。
私が今いる場所は、まあとりあえず初めの村とでも言っておこうかな。
小さめの木でできた門を潜り抜けると、そこはモンスターが湧く草原で、村の周りをグルッと囲むように広がっている。
そして、どの方向でもいいのだが、少し進むと森がある。
一応、村の中でモンスターが湧いたり、草原などからモンスターがこっちに来ることはない。
万が一、強い敵に襲われたときに村に駆け込めば何とかなるということだ。
格好は悪いけどね。
ちなみに、このゲームは基本的にプレイヤー同士での戦闘は行うことができない。
そのため、私みたいな初心者でも安心して楽しむことができるのだ。
とりあえず、村から出て少し歩いてみたのだが、早速モンスターと遭遇した。
「これは……、スライム?」
半透明でつやつやなボディーに、可愛いくりくりとした目で、サイズもいい感じに小さい。
可愛いなこいつ。
スライムの頭の上にはバーのようなものが付いていて、おそらくこれがHP表示だろう。
そして、その横にはレベルと名前が書いてあった。
「えっと、なになに?スライム、レベル1?」
ぷるんっと体を震わせてこっちを見ているスライム。
なんかかわいくて攻撃しにくいんだけど、一応モンスターなんだよな……。
あまりにも可愛いものだから、少し攻撃を渋っていたら、相手から攻撃を仕掛けてきた。
私はとっさに右手で腰に止めてあった双剣の片方を抜き取り、スライムに打ち込んでしまった。
見事に命中し、ぶにゅっ、という気持ちの悪い感覚とともに、スライムは2つに裂け、きらきらとしたエフェクトともに消滅した。
「おう……、これ結構罪悪感あるな。」
もっとさ、悪者みたいな気持ちの悪い見た目してくれれば倒しやすいんだけど、このような見た目だと結構罪悪感あるんだよね。
「っと!なんか出てきた。ドロップアイテム?『スライムの粘液』……なんか表現が汚いな。で、10G っていうのは普通にお金かな?」
モンスターを倒すとお金が出てくるわけか。
ちょっと額は少ないけど、スライムだからこんなもんなのかな?
もうちょっとだけ進んだら町に戻ろう。
しばらくすると、スライムとは別の敵が私の前に現れた。
「オオカミ?モンスターっぽいな!」
名前はホワイトウルフで、レベルは2だ。
ホワイトウルフは私のことをじっと見ながらこちらの様子をうかがっている。
あちらから仕掛けてくるような様子はなかった。
「よし!じゃあこっちからッって!ちょ!」
ゴツンッ!と盛大な音を立て、何もないところに転んでしまった。
変になれないことをするからこうなるのだ、と少し反省。
いやいや、今はそんな場合じゃない!
急いで顔を上げると、チャンス!とばかりにホワイトウルフは襲い掛かって来た。
「え!ちょっと!」
焦った私は持っている双剣の片方をホワイトウルフへ向かって投げつけてしまった。
手から放たれた短剣は、一直線で飛んで行き、見事脳天へとぶっ刺さった。
きゅーん、と小さな悲鳴があり、ホワイトウルフは倒れていった。
「え?勝ったの?」
そのままエフェクトを上げながら消えていったので、おそらく買ったのだろう。
ドロップ品は、毛皮とお肉、それに100Gだ。
『レベルが1上昇しました。スキル『投げナイフ』を習得しました。』
「うぇッ!びっくりした!レベル上がった!やった!」
どうやらレベルが上がると同時に新しいスキルを獲得したようだ!
私の初めてのスキルは『投げナイフ』で、ステータスからスキルの詳細を確認すると、このスキルを使ってナイフを投げればナイフが戻ってくるというスキルみたいだ。
地味に便利だな。
結構応用も出来そうだから初めてのスキルとしては結構良いのではないかな?
「まあ、とりあえず一回戻りますかね。」
とりあえず村に戻ってきて、広場にあるベンチに腰を掛ける。
さっき転んで思ったけど、多分私はキャラコンの練習をした方がいいのかもしれない。
普段寝たきりだから、リアルでも自由に体が動かないわけで、ゲームだから多少の補正があるとは言っても、それでもいきなり動くのは無理がある。
意外と身体ってついてこないものなんだね。
ひとまず、今日はログアウトして、明日は1日キャラコン練習、基、運動の時間にしようかな。
私は設定画面の一番下、ログアウトボタンを探したのだが!
(ッ!ログアウトボタンが!?ってありますよね。)
言葉には出していないのだが、やっていて恥ずかしくなったので無言でログアウトした。
こうして、私のサンライズファンタジー初日は幕を閉じた。
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