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29話目 TFT④

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あの後7,8試合も終わっていつの間にか9試合目である準決勝まで来た。

初めの方は弱いプレイヤーが多かったけれど、さすがにここら辺まで来るとほとんどのプレイヤーが強い。

準決勝の対戦相手は今まで戦ったことの無い魔法使いのプレイヤー。

このゲームは男性のプレイヤーが圧倒的に多いのだけれど、今回の対戦相手は女性のプレイヤーだ。

魔法使いのプレイヤーは基本的に前衛として戦うことがないらしい。

前衛のプレイヤーを援護しながら戦うと言った感じのプレイスタイルだ。

でもこのプレイヤーは1人でクエストをやったり、ゴリゴリのソロプレイヤー。

だから実力も相当あり、準決勝まで来れたようだ。

「私は優勝をめざします!このゲームでの魔法使いの立場は他の前衛職よりも弱いのです!だから私がそれを覆したい!!」

魔法使いは接近戦に持ち込まれると攻撃を防ぐことが出来ない。

その事をわかっているので私は試合開始早々一気に詰める。

多分ほかの試合もこの動きをされたのだろう。

私が前に詰めてきたのを見て直ぐに魔法で壁を展開する。

その壁を私は跳躍を使って飛び越える。

多分これも予想していたのだろう。

壁をとびこえて目に入ったのは大きめの火炎魔法をいつでも発動できるように準備していた敵の姿。

(さすがは準決勝まで来れただけはある。)

急いで空中ジャンプを使って方向転換、1度後ろへ引く。

さすがに魔法をはじき返すスキルは持っていない。

どうやったら勝てるだろう。

多分再び同じ事をやっても同じ方法で後ろにさがらされるだけだ。

いや、魔法のクールタイムを利用したらたぶんゴリ押しできる!

ということでもう一度同じ行動をとることにした。

近くまで行って壁を跳躍で飛び超える。

また火炎魔法を準備していたのだが、今度は後ろに引くのではなく、あえて前へ出る判断を取った。

相手は驚くような顔を一瞬見せたが直ぐにこちらに向けて魔法を放った。

空中ジャンプを使って向きを変えてこれを避ける。

そして一気に相手の方に近づいて首を跳ねる。

「よし、あとは決勝だけだ。」

先にもう一方の準決勝は終わっていたので会場は決勝の対戦カード確定に大盛り上がりだ。
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