病弱な私はVRMMOの世界で生きていく。

べちてん

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83話目 大会開催決定!

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先に帰ったっていっても別にやることがあったわけではない。

どうせ家に帰っても、料理とかそういうのをするわけでもないし、洗濯物だって業者にやってもらっている。

ゲーム以外にすることなんてほとんどないのだ。

とはいっても、今の私たちはゲームが仕事だ。

だから、仕事をするんだと思ってやればいいのかもしれない。

しかし、“ゲームが仕事”という感覚を持てば持つほどに、ゲームは面白いものではなくなっていってしまうもので、楽しんでやるのが何よりも大切だと思う。

私はゲームを楽しんでやってるからいいね。



最近、よくSakuraとゲームをする。

ていうか、逆にSakuraと夏海以外とゲームをすることがほとんどない。

せっかくやるんだったら、ネッ友とかたくさん作ってみたいな。





「大会の日程が決まったよ!」

3層の洞窟の奥で一人、レベル上げをしていたらメアリーからメールが飛んできた。

どうやら新しい大会が開かれるらしい。

早速私たちFoxAgainのメンバーはメアリー武具店に集合した。



「ということで、私たち、FoxAgainの初戦である大会の開催が決まったわ。」

メアリーがそういうと全員から「おぉ!」という声が漏れた。

「今回の大会はFF祭という祭りの中で開催される。」


SF祭とはサンライズファンタジー祭りの略称で、公式とプレイヤーが一丸となって開催される祭りだ。

自分たちで集めたものを出店したり、大会が開催されたりするらしい。

大会は、プロの部、一般の部というふうにあって、プロの部は平均チームレベルが40レベルを超えていないと出場することができない。

ルールは基本的には第2回大会と同じだが、参加チーム数が前回とは大きく異なる。

プロの部の参加は30チームのみだ。

プロチームもあれば、チームに所属していないプレイヤーたちで結成されているチームもある。

まず、平均レベルが40に達しているチームの数が少ないため、30チームとはいっても集まった方だろう。

一般の部は第2回大会と全く変わらない。

マップは変わるけど、参加チーム数も大して変わらない。

祭りの最後には、エキシビジョンとしてプロの部での優勝チームと、一般の部での優勝チームの1対1での戦いが予定されている。

「もちろん私たちはプロの部での参加になるわ。祭りの開催は今から約1か月後の9月26日に開催されるわ。そこに向けて、私たち4人での練習を積極的にしていこうと思うのだけれど、大丈夫?」

「私は大丈夫です!」

「私も。」

気合い十分!といった形で、立て続けに音符猫とアルミが返事をする。

「ユウヒは?」

「もちろん大丈夫だよ!」

きっとこれからSakuraもチームでの練習を積極的に行うために、一緒にレベル上げとかはできないだろう。

大会まではライバルだ。

Sakuraやそのメンバー、ほかのチームのプレイヤーたちも皆、本気で大会に向かって練習をしていくだろう。

そして、彼ら、彼女らが目指すのは、前回大会優勝者である私たちを倒すこと。

私たちは挑戦者ではなく、挑戦される側のわけだ。

きっと挑戦者たちは私たちを倒すための対策をしてくるだろう。

まあ、負けないけどね。

「勝とうか。」
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