病弱な私はVRMMOの世界で生きていく。

べちてん

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119話目 

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一通りあたりを見渡してみても、敵影は一切確認できない。

雪山は森林限界を超えているようで、木々や草は生えていない。

そのため、身を隠す場所はあまりない。

見渡していないのであれば、おそらく私たちの近くに飛ばされたほかのパーティーはないのだろう。

翌日のフィールドの外側からパーティーは動いてやってくると思うので、一応そちらの方を念入りに観察した。

すると、米粒ほどの4人組グループが雪山を囲っている森林の中をちょこまか動き回っているのが見えた。

おそらくこっちには気が付いてないようで、雪山の方へ来るように見受けられなかったため、攻撃を仕掛けずに3人と合流した。

「マップのさらに右下側の樹海の中に、4人組のチームが見えた。おそらくこっちには来ないと思う。そのほかのチームは確認できてない。」

「おっけ。お疲れ。」

私があたりを探索している間に、3人の中で今後の方針が決まったようだ。

明日、明後日のフィールドがマップに表示されて、私たちが入っていた場合はそのまま待機、入っていない場合はゆっくりとこの山を下るという判断になった。

ここはマップ全体でみると相当右寄りなので、おそらく明後日のフィールドには入らないだろうという推測も立てた。

雪山では、先ほどからもちょくちょく雪崩のようなものが発生しており、何も対策をしなかったら安全には下れない。

そこは私とメアリーの造形スキルを利用して、足場を固めていきながら下る。

ただ、ふもとの方から遠距離で攻撃が来ると、驚き足場を踏み外す可能性もあるので、守りはまたまた造形が使える私とメアリーの2人が担当、残りの2人は下ることに集中ということになった。

私たちのレベルから考えて、そこらの敵ではよっぽど負けないだろう。

そこらへんは自信をもって挑む。

では、明日1日は何をするかというと、雪山を下るときに目立たないよう、メアリーは持ち込みの白い布を使い、簡易的なローブを作るようだ。

私たちのやることは、そのメアリーを守ること。

おそらく明日は暇になるだろうということだったので、できるだけ体力を温存するように行動する。

山の天気は変わりやすい。

そこら辺に気を配りながら慎重に行動していこう。

「ユウヒ、余裕があったらでいいんだけど、これを使ってあたりをよく観察してほしい。」

そういってメアリーから手渡されたのは、片手で十分持てる小さな双眼鏡。

少し覗いてみると、どうやら何らかの魔法が付与されているようで、相当遠くまで5段階で見ることができた。

「これ見てるときは後ろの警戒ができないから、できるだけ私たちから見える位置で使ってほしい。」

「わかった。」
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