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123話目
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「お疲れ!」
「うい、ナイスタイミングの登場だった!」
私たちは互いに互いを褒め合うと、大きく音を立てながらハイタッチをした。
2対1で多変だったかなと思ったが、メアリーの相手は魔法使いと片手剣使いだったようで、片手剣使いの方と戦っている間はまきこみを恐れてか魔法使いが攻撃してこなかったらしい。
だから実質1対1だった、と言っていた。
「私全然後ろからきてるの気が付かなかったよ。」
「まあしょうがないよ。横穴掘ってそこに入ってたんでしょ?そりゃ気が付かないよ。」
「そういってくれると助かる。」
この大会ではキルポイントによって順位が変動するといったことはないので、ずっと芋っていても順位自体は大丈夫だ。
だから私たちもできるだけ戦闘は避けていく方針だったのだが、戦闘になってしまったものはしょうがないし、勝てたから何ら問題もない。
今回はけがが一切なかったから大丈夫だが、万が一にもけがをしてしまった場合にはアルミが付いている。
回復魔法が使える人がパーティーにいるというのは心強い。
加えて強力な支援魔法まで使えると来た。
アルミのおかげでけがを気にしなくてもいいし、ステータスも上昇する。
多少距離は離れていて、高低差もあるためになかなか時間がかかる道なのだが、そんなことを考えていたらあっという間に拠点についてしまった。
「お疲れ様!敵はどうだった?」
「大丈夫よ。4人とも蹴散らしたわ。」
「HP減っていないので大丈夫だとは思いますが、一応回復魔法かけておきますね。」
回復魔法にも魔力が必要なのだが、こうやって2回も無駄に回復魔法を使用できるのはレベル上げでアルミの魔力量を増強したおかげもあるだろう。
「あ、マップに目印つけれたよ!」
私が数時間拠点を開けていた間に、拠点の中心部には簡易的だが机が作られていた。
その机の上に先ほど書き込みをした私のマップを、全員に見えるように設定をいじって表示させた。
私が机の上にマップを表示させると、「おぉ」という声が上がったものの、思っていた声質とは違ったのでびっくりだ。
「ユウヒって字汚いね!」
グサッ!
「ちょ、音符ちゃん!」
グサグサッ!
「字が汚くてすみませんでした……。」
先ほどの戦闘で1ダメージも食らわなかった私は、思いもよらないタイミングでフレンドリーファイアを受けてしまった。
ああ、書道習おうかな……。
「ええい!今私の字が汚いことはいいの!!ほら見て!!」
これ以上この話題が続けれらてしまうと、敵からの攻撃無しでこの大会をリタイアすることになりかねなかったので、無理やりにでも話題を切った。
改めて私のマップに目を移すと、相当な書き込みがしてあった。
「お疲れ様。結構いい感じじゃない。」
「うん。字は汚いけどいいね!」
「ちょっと!字は汚いは余計でしょ!!」
「うん。このマップがあれば明日の移動に関しては何とかなりそうね。」
ひとまず私の仕事はひと段落が付いたようだ。
一方公式配信では先ほどの戦いが大盛り上がりを見せていた。
「さすがは第2回大会の優勝チームの2人だけありますね!あっという間に敵を蹴散らしました!!」
「はい!しかも被ダメージは0という点も素晴らしいです。これが相手に来たら完全に心折れますね。」
:いや、やっぱりユウヒえぐいわ
:メアリーとか配信からは考えられないようなプレイするな
:連係プレイ来るかと思ったら互いに1体2してて草なんだが
:ユウヒとか最初1体4だったけどな
:あれ敵に来たら萎えるだろ……
:勝てる気しない
:どういうキャラコンしてるんだ?
「一度下がったかと思ったら突然方向転換してまた戦いに行きますからね。あの動きはすさまじいです。」
「ベルク選手も剣でしっかり攻撃しながら足で蹴りを入れたんですけどね、ユウヒ選手はしっかりわかっていたようです。」
ベルクとは先ほど戦ったチームのリーダーだ。
「はい。この大会最初の戦いは『PhantomGaming』対『FoxAgain』でしたが、『FoxAgain』が圧倒的な力を見せつけ、勝利しました!FoxAgainは今後どのような動きを見せてくれるのか!」
「うい、ナイスタイミングの登場だった!」
私たちは互いに互いを褒め合うと、大きく音を立てながらハイタッチをした。
2対1で多変だったかなと思ったが、メアリーの相手は魔法使いと片手剣使いだったようで、片手剣使いの方と戦っている間はまきこみを恐れてか魔法使いが攻撃してこなかったらしい。
だから実質1対1だった、と言っていた。
「私全然後ろからきてるの気が付かなかったよ。」
「まあしょうがないよ。横穴掘ってそこに入ってたんでしょ?そりゃ気が付かないよ。」
「そういってくれると助かる。」
この大会ではキルポイントによって順位が変動するといったことはないので、ずっと芋っていても順位自体は大丈夫だ。
だから私たちもできるだけ戦闘は避けていく方針だったのだが、戦闘になってしまったものはしょうがないし、勝てたから何ら問題もない。
今回はけがが一切なかったから大丈夫だが、万が一にもけがをしてしまった場合にはアルミが付いている。
回復魔法が使える人がパーティーにいるというのは心強い。
加えて強力な支援魔法まで使えると来た。
アルミのおかげでけがを気にしなくてもいいし、ステータスも上昇する。
多少距離は離れていて、高低差もあるためになかなか時間がかかる道なのだが、そんなことを考えていたらあっという間に拠点についてしまった。
「お疲れ様!敵はどうだった?」
「大丈夫よ。4人とも蹴散らしたわ。」
「HP減っていないので大丈夫だとは思いますが、一応回復魔法かけておきますね。」
回復魔法にも魔力が必要なのだが、こうやって2回も無駄に回復魔法を使用できるのはレベル上げでアルミの魔力量を増強したおかげもあるだろう。
「あ、マップに目印つけれたよ!」
私が数時間拠点を開けていた間に、拠点の中心部には簡易的だが机が作られていた。
その机の上に先ほど書き込みをした私のマップを、全員に見えるように設定をいじって表示させた。
私が机の上にマップを表示させると、「おぉ」という声が上がったものの、思っていた声質とは違ったのでびっくりだ。
「ユウヒって字汚いね!」
グサッ!
「ちょ、音符ちゃん!」
グサグサッ!
「字が汚くてすみませんでした……。」
先ほどの戦闘で1ダメージも食らわなかった私は、思いもよらないタイミングでフレンドリーファイアを受けてしまった。
ああ、書道習おうかな……。
「ええい!今私の字が汚いことはいいの!!ほら見て!!」
これ以上この話題が続けれらてしまうと、敵からの攻撃無しでこの大会をリタイアすることになりかねなかったので、無理やりにでも話題を切った。
改めて私のマップに目を移すと、相当な書き込みがしてあった。
「お疲れ様。結構いい感じじゃない。」
「うん。字は汚いけどいいね!」
「ちょっと!字は汚いは余計でしょ!!」
「うん。このマップがあれば明日の移動に関しては何とかなりそうね。」
ひとまず私の仕事はひと段落が付いたようだ。
一方公式配信では先ほどの戦いが大盛り上がりを見せていた。
「さすがは第2回大会の優勝チームの2人だけありますね!あっという間に敵を蹴散らしました!!」
「はい!しかも被ダメージは0という点も素晴らしいです。これが相手に来たら完全に心折れますね。」
:いや、やっぱりユウヒえぐいわ
:メアリーとか配信からは考えられないようなプレイするな
:連係プレイ来るかと思ったら互いに1体2してて草なんだが
:ユウヒとか最初1体4だったけどな
:あれ敵に来たら萎えるだろ……
:勝てる気しない
:どういうキャラコンしてるんだ?
「一度下がったかと思ったら突然方向転換してまた戦いに行きますからね。あの動きはすさまじいです。」
「ベルク選手も剣でしっかり攻撃しながら足で蹴りを入れたんですけどね、ユウヒ選手はしっかりわかっていたようです。」
ベルクとは先ほど戦ったチームのリーダーだ。
「はい。この大会最初の戦いは『PhantomGaming』対『FoxAgain』でしたが、『FoxAgain』が圧倒的な力を見せつけ、勝利しました!FoxAgainは今後どのような動きを見せてくれるのか!」
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