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141話目
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「大丈夫?」
敵を目の前にして何もせずに突っ立っていたメアリーを見て、心配になって突進してしまったのだが、何かあったのだろうか。
そう思って問いかけてみるも、メアリーから帰って来たのは「大丈夫」の一言であった。
どうやら大事ではなかったみたいだ。
ひとまず安心、と言ったところだろうか。
「どうして突っ立ってた?何かあったの?」
「いや、それがね、さっきのこの名前†光の戦士†メルデライディンっていうみたいで、面白くて。」
「†光の戦士†メルデライディン!?」
斜め上からやって来た回答で思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
いや、どうしてそんな名前にしたんだよ……。
「まあいい。で、2人は?」
「今あっちで別の敵と戦ってる。」
そういってメアリーが指さした先にいたのは敵を圧倒している2人の姿であった。
とはいっても、アルミは攻撃魔法がほとんど使えないため、支援に回っているわけだが。
「よほーッ!アルミの支援魔法マジヤバい!攻撃力超上がるんだけど!!」という興奮した音符猫の声が聞こえてくるのだから、やはりアルミはすごい。
「残り1人は?もう倒した?」
辺りに姿が見えなかったため、そう問うてみると、メアリーは首を横に振った。
どうやら倒していないようだ。
「どこに?」と問いかけると先ほどから視界の端にちらちら映っていた大きな穴を指さした。
「あの中にいるよ。」
落とし穴でも作ったのだろうか。
そう考えていると、私の頭の中には一つの名案?迷案?が浮かんできた。
「あれ、私倒して見ていい?」
「別にいいけど。」
なかなかにエキサイティングなその倒し方を実践したくなったので、早速やってみることにする。
まあ私がされる立場ならたまったもんじゃないのだが、今回はする側なので気にせずやることにする。
正々堂々?しらん。
戦場でそんな甘ったるいこと言っている奴は阿呆だ。
ということで、別に地面に手をつかなくてもスキルは使えるのだが、かっこいいからという理由で地面に右手をついて、造形を発動する。
今回の造形のイメージは大きくて分厚い地面。
サイズとしてはあの穴にすっぽりと収まるほどである。
「まさか……!」
どうやら徐々に生成されていく大きな土製の板を見て、メアリーは気が付いたようであった。
そうである。
あの穴を大きな板で埋める。
つまりは敵を生き埋め、押しつぶしてしまおうということである。
そのことに気が付いたメアリーは、あまりにも双剣使いらしくないスキルの使い方だと頭を抱えているが、私はメアリーと暮らしている身なのでわかる。
こいつもこういう卑怯なことは好きだ。
いや、卑怯じゃない。
歴とした1つの戦い方だ!!
メアリーは明らかに口角を上げながら楽しそうにしているのに、どうやら自分ではそれに気が付いていないらしい。
「じゃあ、いきまーす!」
そういうと、微妙に空中に浮いていたその板が一気に地面に落ちていき、先ほどまで穴の開いていたところには一瞬にして穴がなくなった。
私たちに伝わって来たのは、小さな断末魔と大きな振動である。
地面から漏れ出てくる拡散エフェクトを見ればわかるのだが、どうやら倒すことに成功したらしい。
「いや、これ強すぎ!!」
「チートね!チートよこれ!!」
メアリーも珍しく声を張り上げながら大喜びである。
2人で手を合わせながら笑っていると、音符猫が声をかけてきた。
「こっちも終わったよ~!!」
どうやら今回も私たちの勝ちのようだ。
当たり前だよね!
敵を目の前にして何もせずに突っ立っていたメアリーを見て、心配になって突進してしまったのだが、何かあったのだろうか。
そう思って問いかけてみるも、メアリーから帰って来たのは「大丈夫」の一言であった。
どうやら大事ではなかったみたいだ。
ひとまず安心、と言ったところだろうか。
「どうして突っ立ってた?何かあったの?」
「いや、それがね、さっきのこの名前†光の戦士†メルデライディンっていうみたいで、面白くて。」
「†光の戦士†メルデライディン!?」
斜め上からやって来た回答で思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
いや、どうしてそんな名前にしたんだよ……。
「まあいい。で、2人は?」
「今あっちで別の敵と戦ってる。」
そういってメアリーが指さした先にいたのは敵を圧倒している2人の姿であった。
とはいっても、アルミは攻撃魔法がほとんど使えないため、支援に回っているわけだが。
「よほーッ!アルミの支援魔法マジヤバい!攻撃力超上がるんだけど!!」という興奮した音符猫の声が聞こえてくるのだから、やはりアルミはすごい。
「残り1人は?もう倒した?」
辺りに姿が見えなかったため、そう問うてみると、メアリーは首を横に振った。
どうやら倒していないようだ。
「どこに?」と問いかけると先ほどから視界の端にちらちら映っていた大きな穴を指さした。
「あの中にいるよ。」
落とし穴でも作ったのだろうか。
そう考えていると、私の頭の中には一つの名案?迷案?が浮かんできた。
「あれ、私倒して見ていい?」
「別にいいけど。」
なかなかにエキサイティングなその倒し方を実践したくなったので、早速やってみることにする。
まあ私がされる立場ならたまったもんじゃないのだが、今回はする側なので気にせずやることにする。
正々堂々?しらん。
戦場でそんな甘ったるいこと言っている奴は阿呆だ。
ということで、別に地面に手をつかなくてもスキルは使えるのだが、かっこいいからという理由で地面に右手をついて、造形を発動する。
今回の造形のイメージは大きくて分厚い地面。
サイズとしてはあの穴にすっぽりと収まるほどである。
「まさか……!」
どうやら徐々に生成されていく大きな土製の板を見て、メアリーは気が付いたようであった。
そうである。
あの穴を大きな板で埋める。
つまりは敵を生き埋め、押しつぶしてしまおうということである。
そのことに気が付いたメアリーは、あまりにも双剣使いらしくないスキルの使い方だと頭を抱えているが、私はメアリーと暮らしている身なのでわかる。
こいつもこういう卑怯なことは好きだ。
いや、卑怯じゃない。
歴とした1つの戦い方だ!!
メアリーは明らかに口角を上げながら楽しそうにしているのに、どうやら自分ではそれに気が付いていないらしい。
「じゃあ、いきまーす!」
そういうと、微妙に空中に浮いていたその板が一気に地面に落ちていき、先ほどまで穴の開いていたところには一瞬にして穴がなくなった。
私たちに伝わって来たのは、小さな断末魔と大きな振動である。
地面から漏れ出てくる拡散エフェクトを見ればわかるのだが、どうやら倒すことに成功したらしい。
「いや、これ強すぎ!!」
「チートね!チートよこれ!!」
メアリーも珍しく声を張り上げながら大喜びである。
2人で手を合わせながら笑っていると、音符猫が声をかけてきた。
「こっちも終わったよ~!!」
どうやら今回も私たちの勝ちのようだ。
当たり前だよね!
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