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182話目 顔合わせ
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「……いい加減入ります」
あれから数分ごねてごねまくった結果、何となく罪悪感が芽生えてきてしまったのでそろそろ入ることにする。
「あー、聞こえますか?」
「あー!やっと来たよ!!」
「ユウヒさん初めまして~」
「お初っす!」
あれだけ待たせて入ったのに、3人は何も攻めずに私のことを迎えてくれる。
「よし、これで顔合わせ始められるな」
どうやら3人は面識があったらしく、私が来るまで雑談をしながら待っていたらしい。
いや、申し訳ない。
「はーい、じゃあまず私からします!
私はVTuberの桜宮ねるです!サンライズファンタジーは最近やり始めました!よろしくお願いします!」
この元気そうな女の子が桜宮ねるという子らしい。
VTuberって勝手に怖いイメージを抱いていたのだけれど、実際はそうではないみたい?
「じゃあ次は俺っすね。
俺は神谷蓮で、ねると同じ事務所に所属するVTuberっす、よろしく!」
どうやらこちらも元気いっぱいで優しそうである。
サンライズファンタジーは第1回大会後に始めたらしく、きっかけが私のプレイ集を見たからだとか……。
ちょっと恥ずかしい。
「俺ファンなんすよ!ぜひサインください!」
「えっと、え、あの、分かりました」
突然話題をこっちに向けられ、テンパってしまった。
サインくださいって言ったって、これどうやって上げればいいんだろうか。
事務所に郵送?でも住所とかわからないし。
まあそれは後で考えることにする。
「俺はLesserで、すこし前までCSプロだったのでVRMMOに関してはほとんど初心者ですが、足を引っ張らないよう頑張るのでよろしく」
「よろしくお願いします」
元CSプロということは、おそらくメアリーとも戦ったことがあるのだろう。
メアリーはCSからきてあれだけ実力を持っているのだから、この人も期待して大丈夫そうだ。
:Lesserは結構上手だよ
:一般の部優勝者
「え、一般の部優勝者なんですか?」
「はい。おかげさまで」
「あの、それはすみませんでした。できれば戦いたかったのですけど……」
「いやいや、体調第一なんで全然大丈夫ですよ!」
こちらも優しそうな人で良かった。
1度一般の部の優勝者の人たちに謝罪くらいはしたいと思っていたのだけど、まさかこういう形でできるとは驚きだ。
「じゃあ最後!ユウヒちゃんおねがい!」
ぺこぺことあいさつをする私とLesserの間に、桜宮さんが入り込んでくれて何とか話は進行する。
「はい。私はFoxAgain所属のユウヒです。一応このゲームのプロです」
「まさかユウヒ選手と一緒に大会出れるなんて思ってなかったすよ!」
「確かに。なんというか、本人に言うのもあれなんだけど、ちょっと一匹狼のような感じでオーラがあるから……」
「まあ、あのプレイ集見せられたら声かけれないよね~」
「えっと、そんなすごい者じゃないですよ。ぜひ、私あの、ダメなので。コミュニケーション。ぜひ話しかけてください……」
やはり少し私はオーラが出ているらしい。
「じゃあ、ここからはユウヒさん主導でお願いします」
「私ですか?わかりました」
確かに個々はプロである私が引っ張っていった方がいいのだろう。
ひとまずは実力把握で現在のレベルを聞いてみたが、上から順に神谷君が58、Lesserさんが42、桜宮さんが36とのことだ。
別に全員低くはない数値だし、これくらいのレベルなら優勝は狙っていけるだろう。
一般の部の優勝者がいるというのは心強いし、神谷君も初期の方からやっているみたいで強いだろう。
「ちなみにユウヒちゃんはレベルいくつ?」
「私は先日150になりました」
「「「150!?」」」
:高すぎるww
:150wwww
:さすがすぎる
:マジで化け物すぎるだろw
:勝ったな
:ヤバすぎww
:マジかよwww
「えっと、どうしたらそんなに上がるんすか?」
「まあひたすらに狩り続けてますから、自然とレベルも上がっていくんです」
「はぁ、そういうものなんすね」
おそらく効率化のスキルのおかげがだいぶデカいだろう。
正直ほかのプロに比べてレベル上げをしている時間は少ないと思う。
レベル上げっていうよりフィールドを回って景色を見に行ったりとか、適当に町の中を散策したりとか、そういうことばっかりしてるから。
さすがにプロではない人たちよりかはレベル上げやってると思うけど。
「あれ?フィールドとかの情報って出てましたっけ」
「いや、出てないと思う。専用マップが用意されると思うよ」
「じゃあ詳しい動き方に関しては、マップに降りてから伝えます」
ひとまずは連携の質を上げることを最優先させていった方がいいだろう。
確かに個人のフィジカルも大事だけれど、連携というのは何よりも大事だ。
互いに1対1をやるより、複数人対1をやった方が勝率というのはぐんと上がる。
それでいて連携もとれていれば負けはない。
互いのスキル状況や、プレイの癖などを把握しておく。
事前に一緒に戦闘をしてこういう場合に味方がどのように動くのかを把握するのが勝ちへの近道。
まだ私は3人が何の役職なのかすらも知らないから、そこら辺をしっかり理解したうえで戦略を考えていきたい。
あれから数分ごねてごねまくった結果、何となく罪悪感が芽生えてきてしまったのでそろそろ入ることにする。
「あー、聞こえますか?」
「あー!やっと来たよ!!」
「ユウヒさん初めまして~」
「お初っす!」
あれだけ待たせて入ったのに、3人は何も攻めずに私のことを迎えてくれる。
「よし、これで顔合わせ始められるな」
どうやら3人は面識があったらしく、私が来るまで雑談をしながら待っていたらしい。
いや、申し訳ない。
「はーい、じゃあまず私からします!
私はVTuberの桜宮ねるです!サンライズファンタジーは最近やり始めました!よろしくお願いします!」
この元気そうな女の子が桜宮ねるという子らしい。
VTuberって勝手に怖いイメージを抱いていたのだけれど、実際はそうではないみたい?
「じゃあ次は俺っすね。
俺は神谷蓮で、ねると同じ事務所に所属するVTuberっす、よろしく!」
どうやらこちらも元気いっぱいで優しそうである。
サンライズファンタジーは第1回大会後に始めたらしく、きっかけが私のプレイ集を見たからだとか……。
ちょっと恥ずかしい。
「俺ファンなんすよ!ぜひサインください!」
「えっと、え、あの、分かりました」
突然話題をこっちに向けられ、テンパってしまった。
サインくださいって言ったって、これどうやって上げればいいんだろうか。
事務所に郵送?でも住所とかわからないし。
まあそれは後で考えることにする。
「俺はLesserで、すこし前までCSプロだったのでVRMMOに関してはほとんど初心者ですが、足を引っ張らないよう頑張るのでよろしく」
「よろしくお願いします」
元CSプロということは、おそらくメアリーとも戦ったことがあるのだろう。
メアリーはCSからきてあれだけ実力を持っているのだから、この人も期待して大丈夫そうだ。
:Lesserは結構上手だよ
:一般の部優勝者
「え、一般の部優勝者なんですか?」
「はい。おかげさまで」
「あの、それはすみませんでした。できれば戦いたかったのですけど……」
「いやいや、体調第一なんで全然大丈夫ですよ!」
こちらも優しそうな人で良かった。
1度一般の部の優勝者の人たちに謝罪くらいはしたいと思っていたのだけど、まさかこういう形でできるとは驚きだ。
「じゃあ最後!ユウヒちゃんおねがい!」
ぺこぺことあいさつをする私とLesserの間に、桜宮さんが入り込んでくれて何とか話は進行する。
「はい。私はFoxAgain所属のユウヒです。一応このゲームのプロです」
「まさかユウヒ選手と一緒に大会出れるなんて思ってなかったすよ!」
「確かに。なんというか、本人に言うのもあれなんだけど、ちょっと一匹狼のような感じでオーラがあるから……」
「まあ、あのプレイ集見せられたら声かけれないよね~」
「えっと、そんなすごい者じゃないですよ。ぜひ、私あの、ダメなので。コミュニケーション。ぜひ話しかけてください……」
やはり少し私はオーラが出ているらしい。
「じゃあ、ここからはユウヒさん主導でお願いします」
「私ですか?わかりました」
確かに個々はプロである私が引っ張っていった方がいいのだろう。
ひとまずは実力把握で現在のレベルを聞いてみたが、上から順に神谷君が58、Lesserさんが42、桜宮さんが36とのことだ。
別に全員低くはない数値だし、これくらいのレベルなら優勝は狙っていけるだろう。
一般の部の優勝者がいるというのは心強いし、神谷君も初期の方からやっているみたいで強いだろう。
「ちなみにユウヒちゃんはレベルいくつ?」
「私は先日150になりました」
「「「150!?」」」
:高すぎるww
:150wwww
:さすがすぎる
:マジで化け物すぎるだろw
:勝ったな
:ヤバすぎww
:マジかよwww
「えっと、どうしたらそんなに上がるんすか?」
「まあひたすらに狩り続けてますから、自然とレベルも上がっていくんです」
「はぁ、そういうものなんすね」
おそらく効率化のスキルのおかげがだいぶデカいだろう。
正直ほかのプロに比べてレベル上げをしている時間は少ないと思う。
レベル上げっていうよりフィールドを回って景色を見に行ったりとか、適当に町の中を散策したりとか、そういうことばっかりしてるから。
さすがにプロではない人たちよりかはレベル上げやってると思うけど。
「あれ?フィールドとかの情報って出てましたっけ」
「いや、出てないと思う。専用マップが用意されると思うよ」
「じゃあ詳しい動き方に関しては、マップに降りてから伝えます」
ひとまずは連携の質を上げることを最優先させていった方がいいだろう。
確かに個人のフィジカルも大事だけれど、連携というのは何よりも大事だ。
互いに1対1をやるより、複数人対1をやった方が勝率というのはぐんと上がる。
それでいて連携もとれていれば負けはない。
互いのスキル状況や、プレイの癖などを把握しておく。
事前に一緒に戦闘をしてこういう場合に味方がどのように動くのかを把握するのが勝ちへの近道。
まだ私は3人が何の役職なのかすらも知らないから、そこら辺をしっかり理解したうえで戦略を考えていきたい。
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